アーセナル22/23選手紹介兼シーズンプレビュー CB編
ウィリアム・サリバ
ずっとアルテタはサリバのことを評価していないのではないか、という噂が付きまとい、ローン先では安定したパフォーマンスを見せているにもかかわらず、アーセナルでの将来が常に取りざたされてきたが、今季はついに北ロンドンでチャンスを得ることになりそうだ。
気づけば18歳でアーセナルに移籍してきたサリバも既に21歳、まだまだCBとしては非常に若い年齢ではあるが、3年間もローンに出続けた選手が3年越しにアーセナルでポジションを得る、というのは非常にレアなケースだと言っていいだろう。
まだまだアーセナルファンの前でプレイを見せた機会は少ないが、とにかく冷静沈着、という印象で、ピッチ上でも、インタビューの際などの様子でも非常に大人なイメージだ。昨季はリーグアンのシーズン最多パス数を更新するなど、それはボール保持時にも発揮されている。
やはりアーセン・ベンゲルが去って以降かなり年数が経ち始めていることが影響しているのか、フランス代表に何人もの選手を送り込んでいたかつてののアーセナルとは異なり、現在はフランス系の選手がかなり少なく、生活やプライベート面でサリバは大丈夫かと若干心配していたが、既にかなり英語が話せるようだ。むちゃくちゃ深い良い声。
ベン・ホワイト
昨季はいきなり不動のスタメンの座を奪取、安定した活躍を見せた。前評判とは違い、地上空中戦両方で特に不安も感じさせなかった(空中戦に関しては両脇に冨安とガブリエルが居たというのも大きいかもしれないが)。ただその一方で、逆に前評判ほどドリブルやパスでのボール前進能力が圧倒的な所を見せた(華麗なロングパスや持ち上がりを見せる場面はあったが)わけではないので、今季はこの部分でさらに本領発揮を期待したい。
ただし、今季はサリバがローンから帰ってきたことで、アーセナルの右CB事情は非常に興味深いものとなっており、正右CBが誰になるのか、あるいはホワイトの主戦場がどこになるのかは面白い所だ。
開幕戦では冨安の不在もあり、ホワイトが右サイドバックを務めていた。選手のタイプ的にはセドリックよりもむしろホワイトの方が冨安と似たプレイが期待できる右サイドバックとして確かに適任であるようには思われる。
ガブリエル
昨季はリーグ34試合に出場、ホワイトとの不動のコンビは安定感抜群だった。26m€という移籍金は今となっては大バーゲンに思える。アーセナルのセットプレイの精度が最近ととても高いこともあり、昨季はリーグ5得点と、攻撃時にも存在感を見せた。
ただし、上でも書いた通り、今季はサリバがいるため、CBの組み合わせにはいくつか考えられる。実際に開幕戦ではガブリエル-サリバというペアでの先発となった。
その守備力の高さに疑いの余地はないが、一方で、パス能力に関してはホワイトとサリバに一日の長があるようにも感じられなくはない。アルテタは左CBに左利きの選手を起用することにかなりこだわりがあるようだが、一方で、ジンチェンコを左サイドバックとして起用すれば、左サイドからのボール前進の負担は減り、右利きのCBを左CBとして起用することも考える可能性はある。
そうなれば、左CBとしてもプレイできるサリバとガブリエルがポジション争いとなる可能性もあり(あるいは、左足の精度を重視するのであればダークホースで冨安?)、先発の座は必ずしも安泰というわけではないかもしれない。
ロブ・ホールディング
昨季は抑えのホールディングとして、主に試合終盤に守り切りたい場面で投入され、良いプレイを見せた。
低いラインを敷くのであれば、ボールを跳ね返す能力は高く、スピードのあるアタッカーとの一対一や、裏を取られて走って戻らなければならないような状況さえ避けられれば、活躍できる場面はあるはずなので、今季も試合展開や対戦相手に応じて出場機会はそれなりにあるだろう。
ただ、若干懸念なのは、恐らくホールディングがアーセナルで不動のスタメンの座を獲得するのは難しそうな点で、そろそろ27歳になる彼が、散発的な先発と途中出場がメイン、という状況を良しとするかどうかは少し不透明だ。
残り契約が2年となっており、かつリーグ中位下位のチームであれば十分に出場機会を得られそうな選手、イングランド人と移籍金がそれなりに発生しそうな条件は揃っているため、もしアーセナルが選手の売却で資金ねん出の必要があり、かつ本人が移籍を望むのであれば移籍の可能性もなくはない。
今のアーセナルでは貴重な20代後半の経験豊富な選手であり、クラブ在籍歴も長く、ピッチ外でも若手にプラスの影響を与えてくれそうな存在ではあるので、出来れば長くアーセナルに残ってもらいたいところだが。
ディスカッション
コメント一覧
ベンホワイトについて。バッティングを極力避ける、彼のスタイルは今後、英国の子供たちにも引き継いで頂きたいと思っている。
アーセナルではディクソン、英国全体ではベッカム。右のゲームメイカーとして頑張って欲しかった。
過去形でかいたのは、本人にその気が無さそうに見えたから。彼もまた、ウオルコット、ラムジーに続くのか。私は、素晴しい人格者と思っているだけに残念でならない。
セルハーストで何度か見せた重機のようなタックルには目を見張りましたね
ガブペナハンドの直前のプレーヨアキムのロングボールからの難しい処理は能力の高さを示してる
他方プレシーズンではウラヘの対応に若干の不安を見せたのと、ヴァランに代わったネーションズ3試合ではほぼ失点に絡んでて
その多くは周りとの連係とかバ数なんでしょう
あるシチュエーションで相手がどうプレーしてくるかの予測は経験に基づくものだし高いレベルになるほど予測を越えてくる
周りのポジションに対して自分がどうポジションを取るのかをリアクションで瞬時に決断する訳だからセンターバックは難しい
これまでの経緯からいって契約うんぬんは一旦置いといてとにかくプレーにだけ集中させる必要がある