アーセナル22/23選手紹介兼シーズンプレビュー GK編

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アーロン・ラムズデール

恐らく近年のアーセナルの選手史上最も高速でファンから手のひらを返された男。

昨夏アーセナルに移籍してきた際には、過去に所属チームが連続で降格していたこと、また、下位チームでのプレイが多く、足元でつなぐことを求められるであろうアーセナルでのプレイにどれだけ適応できるかが未知数だったこと、若い英国人という背景もあり30mオーバーと移籍金がGKとしては非常に高額であったこと、そしてレノがアーセナルではずっと安定していたことが合わさって、なかなかにひどい言われようだった。

インタビューなどでの話を聞いても、ラムズデール自身も半年か1年程度は控えGKも務める覚悟でアーセナルにやってきたようだが、実際には昨季序盤に即座にスタメンを奪取すると、その後は一度もレノにポジションを譲らず、絶対的な正GKの座をものにした。

やはり英国の下位チームで揉まれてきただけあってクロス対応などの空中戦に強く、ショートパスも(こちらは技術的な部分というよりもどちらかというと、冷静さというか、メンタル面が大きいような気がする)悪く無い。

加えて、特筆すべきはその中長距離のキックだろう。昨シーズンは弾丸ライナーのスーパーパスを中盤や前線に届ける場面も何度か見られ、これに関しては、レノとの明確な違いとなっていた。

また、どちらかというとシャイな優等生タイプが多い今のアーセナルのスカッドにおいては、ファンに煽られた際に生き生きと煽り返したり、チーム内でもジョークを連発したりと、かなり強メンタルで良いキャラクターの持ち主の様だ。その辺りもアーセナルが獲得を決めた背景にはあったのかもしれない。

(このあたりのポッドキャストからもそれは窺える)

昨季の開幕戦はレノが先発しており、2年目の今季は開幕を正GKとして迎えるアーセナルでの初めてのシーズンとなる。また、欧州コンペティションで戦うのも今季がラムズデールにとっては初めてのはずで、彼の新たな挑戦に期待したい。

マット・ターナー

レノのフラム移籍を見越してアメリカ、MLSから獲得されたアメリカ代表GK。もちろんアメリカ人なので、言語面の心配はない訳だが、28歳でそこまで若いというわけではないながら、プレミアリーグどころか欧州リーグ初挑戦ということで、若干その能力は未知数だ。

ただし、ターナーはMLSでは安定して非常に高い評価を得てきたGKで、MLSに詳しいアスレチックのジョン・ミュラー記者によると、MLS史上最高のショットストッパー、とのことだ。

ラムズデールのようなケースもあるのでそこまで心配する必要はないかもしれないが、本人が後ろからボールを繋いでいくスタイルにはなれないといけない、と語っていたりするなど、後ろからショートパスをつなぐことがどれくらい得意かも若干不安な点だろうか。

ただし、レノ-マルティネス、あるいはラムズデール-レノの2枚看板と比べると総合的な安心感ではラムズデール-ターナー体制は劣るかもしれないが、他クラブの第二GKを見てみても、恐らくこれまでがたまたま幸運にも素晴らしい第二GKがアーセナル揃っていただけ、という見方の方が正確だろう。

もともとGKというのはそこまで怪我が多いポジションではないし、ターナーに関しても、MLSやGK事情に詳しい界隈からはかなり高評価を受けている選手なので、そこまで心配はないように思われる。

ただ、上で述べたラムズデールが欧州コンペティション出場経験がなく、恐らく彼自身もヨーロッパリーグでプレイしたがっているだろう、ということを考えると、今季のヨーロッパリーグ、特にグループステージ後は誰がGKを務めるのかは少々興味深い所だ。

カール・ハイン

昨季はそこまで明確に第三GKが決まっていたわけではなかったが、今季はアーサー・オコンクォがローンに出ており、ハインは正式にファーストチーム昇格、背番号31を与えられたことで、彼が第三GKということになりそうだ。

ハイン自身は身長も高く、まだ20歳ながら既にエストニア代表の正GKと、かなり将来有望な選手だが、往々にして第3GKというのは基本的に出場機会はないながらも、万一のために必要なためローンなどには出すことが出来ない、というかなりつらい立場であり、1,2年であればともかく、以前のマット・メイシーのように、成長の機会がないまま年齢ばかり重ねていく、ということになってしまわないかだけが不安な所だろうか。

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(Transfermarkt上のプロフィールではマルティネスが195cm、ハインは193cmとなっているのだが、エミ・マルティネスと少なくとも同じ、あるいは身長が高いように見える)

そのあたりは、同世代でハインとユースではポジション争いを繰り広げてきたGKのオコンクォが英4部、クルー・アレクサンドラへと今季はローンに出ており、彼の将来との兼ね合いも見ながら、ということになるだろうか。

ほとんどプレイを見たことがないのだが、ユースに詳しいバードさんによると、『粗削りな所もあるがら非凡な身体能力を活かしたスーパーセーブを見せる所はシュチェスニーを彷彿とさせる』とのこと。

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Posted by gern3137