【データで見る】アーセナルは前に進んでいるか?
アルテタが監督に就任して以降のアーセナルのパフォーマンスをデータで分析するスコット・ウィリスさんの興味深いツイッタースレッドがありましたので紹介です!
得点と失点
Starting with goals. Goals scored are slightly up, goals allowed are up and goal difference is bit worse than last but up from 2 years ago. pic.twitter.com/U8J6yvGwgY
— Scott Willis (@oh_that_crab) May 17, 2022
得点は少しずつながら増加している一方で、失点は昨季よりも今季の方が増加、その結果として得失点は2年前よりは良いものの、昨季より少し悪化しています。総合的に見て大体トップ6入りチームの平均レベルなので、もし今季アーセナルが5位に終わったとすると、得失点から見れば妥当な結果とは言えるかもしれません。
ただし、今季のアーセナルは得失点が大きくマイナスに触れる時期がかなり減っているという意味では進歩がみられています。
xG
Taking a step back from goals looking at expected goals. Arsenal look better here, last season Arsenal performed better than expected, this year a bit worse. pic.twitter.com/0Rt4ZY5pHv
— Scott Willis (@oh_that_crab) May 17, 2022
実得点ではなく、xGベースの得失点で見ると、アーセナルが順調に改善されていっているのが見て取れます。シーズン後半に好調となったのは昨季と同じですが、今季は被xGを昨季とほぼ同じ水準に抑えつつ、xGを大幅に増加させることに成功しました。
また、xGと実得点を比較すると、昨季は期待値を少し上回った成績を残した一方で、今季は少しアンラッキー(あるいは決定力不足)だったといえそうです。
シュート数
Taking the next step back from expected goals looking at shots and the team looks much better. pic.twitter.com/7lGq7Vae3Q
— Scott Willis (@oh_that_crab) May 17, 2022
今季のアーセナルが攻撃面で過去2シーズンと比べて大きく進歩しているのは、シュート数に堅調に表れています。
被シュート数はトップ6レベルの水準ですが、今季のアーセナルのシュート数は非常に多くトップ4チームの平均をかなり上回り、一試合当たり約11本と、昨季から2本ほど増えています。
多少の波はあるものの、シュート数は対戦相手と互角のシーズンがここまで続いていたことを考えると、今季安定して相手より多くシュートを打てるようになったのはかなり良い兆候かもしれません。
フィールドティルト
Last let's take a look at field tilt, which is the measure of final third possession and by proxy the amount of pressure the team is under or is applying.
— Scott Willis (@oh_that_crab) May 17, 2022
Again not a massive change from last year but a good in season trend pic.twitter.com/zkJH67HEVG
『フィールドティルト』とは単なるボール保持率ではなく、ボールを保持して居る位置も加味したうえで、どれだけ危険なエリアでボールを持ち、試合を支配したかを示す指標です。
シーズンを通した平均で見ると昨季とほぼ同じ水準ですが、今季中の数字を見ると、後半に明らかに良くなっていることがわかります。
まとめ
これらに基づいて、スコットさんは『昨季のアーセナルはパフォーマンス的には8位よりもさらに下のレベル、8位でも少しラッキーだった。今季はパフォーマンス的には5,6位レベルで、もし今季4位を獲得できれば幸運ということになるだろう。パフォーマンスだけ見ると、昨季と比べて今季は改善がみられている。この前進幅が充分であるかどうかをどう判断するかは人それぞれだが。』と結論付けています。
Arsenal's radar for the season pic.twitter.com/pDj19Jv0UL
— Scott Willis (@oh_that_crab) May 17, 2022
データを見ずとも、同じような結論に達していた方も多いかもしれませんが、やはり来季この上向きのトレンドを継続させ、さらなる上積みを見せられるかどうか、アルテタの正念場となりそうです。
ディスカッション
コメント一覧
xGに関する指標ってFWのスーパーゴールを否定(マグレ扱い)して
崩し切って決めることを良しとするみたいな印象がありません?
そういう考え方をしていると崩し切るパスサッカー至上主義になり
その場の状況判断よりも機械的にやたらとパスを繋ぐことを良しとする的な、
エメリ時代のようなFWの強みを活かすサッカーを否定する形になるんですよね。
そういうサッカーをしているとFWの独力突破のチャレンジや、
本人のタイミングでシュートを打つよりも、
より良い形を作ることを強いて中盤主体のパスの繋ぎを優先させ
潰れ役など自己犠牲を強いる形にもなるし、
なんだかんだで点取り屋は不調になっていくんですよね。
アーセナル時代のジルーやラカゼットは比較的その役回りで、
オバメヤンも徐々にそうなって不調に落ちて去っていきましたよね。
点取り屋はある程度自由に気持ちよくプレーさせないと取れるものも取れなくなる。
試合の中で打ちたい時にシュートを打って外しつつも、
徐々に調子を上げて後半に点を決めたり時にはスーパーゴールを決める。
xGなんてデータは気にするべきものじゃないと思いますね。
パス成功率と同じくこれもあくまでも結果で、
参考データに過ぎず、
これを重視することは本末転倒に陥ると思うんですよね。
サッカーは良い形を多く作れば勝ちの競技ではなく
点を多く入れたら勝ちの競技なので。
補足ですが
平均xGの特にAgainstと、Differenceはチームのデータとして意味があるように思います。
相手がたまたま外してくれたから失点少なめでOKということはありませんので。
基本的に中盤の質と守備の質(Against)を押し測るデータという印象です。
逆に個人データとしてxGに対してゴール数が多い選手ほど、「こじ開けてくれる」または「針の穴を通す」ような決定力の高い選手の可能性がありますよね。