アーセナルへの愛とリスペクトを貫くミケル・アルテタ 後編

分析Tim Stillman,海外記事

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さて、では次に、アルテタの監督としての26か月間に目を移してみると、かなり波乱万丈なものだったと言っていいだろう。エメリ時代の時ほどに『解任すべきだ』という領域まではいかなかったものの、2020年の冬など、結果が出ず、かつ内容も不十分だった期間はそれに近いレベルにまで評価は落ち込んでいた。

だが、2021/22シーズン、今やアーセナルは正しい方向に進んでいるとほとんど確信をもって感じられるようになっている。

もちろん今季終了時点での順位に関して早合点するべきではないし、いくつかふがいない結果が続けばこの評判はまた覆って可能性はある。

だが、大量の補強でチームに多くのフレッシュな新顔を揃え、年齢も若い今のチームはスタジアムの観客席からは熱狂的な支持を受けている。

スタジアムに居て、このような選手とサポーター間の強いコネクションが存在すると感じられるのはここ10年以上なかったことだ。

一部にはパンデミックの影響で一時期スタジアムに足を運べなかったことも影響しているかもしれないが、プレミアリーグの他のチームもこのような熱狂的なサポートに迎えられているわけではない。

アーセナルファンが好意的に受け入れている新顔の選手たちは今のクラブの監督とテクニカルディレクターがチームに呼び寄せたわけだが、どちらかというと選手獲得のアプローチの転換はアルテタの意向がものを言ったように感じられる。

この状況下で、一つ興味深いのはアーセナルファンの間で、アルテタは未だに選手時代と同じようにある程度ニュートラルな存在であるということだ。

少しずつ、今のアーセナルのプロセスを信じよう、という感覚はファンの間で広がりつつあるが、アルテタはヒーローのように人気があるわけではないし、かといって反対運動が起きているわけでもない。

今季、アルテタは多くの不安を払しょくし、懐疑主義者の意見を変えさせることに成功した。ここで問いかけたいのは、どこまでプロジェクトが進めば、アルテタはファンの信頼の中心となるのだろうか?という点だ。

恐らく我々は未だに親愛から不信へと移ろってしまったアーセン・ベンゲル時代の監督との関係性をトラウマのように感じてしまっている。

また、ウナイ・エメリ時代に『我々のアーセナルが帰ってきた!』というチャントが歌われたこともあったが、実際にはそうではなかった。当初はサポーターもある程度エメリを評価していはずだが、彼はファンを一つにするのには失敗してしまった。

アルテタ体制のアーセナルも波があったとはいえ、FA杯の優勝を成し遂げており、今季のアーセナルは正しい道を歩んでいるように感じられる。

もしこの調子が続けば、彼こそが、長らくクラブに欠けていたアーセナルを前に進めてくれる人物だと楽観的になれる日が来るだろうか?

それとも生き馬の目を抜くサッカー界では、このままあまりに感情的にならず、ある程度の距離感を保って監督とは接しいくべきだろうか?リーズが渋々とも見える形で、謝罪と共にビエルサを解任したことからもわかる通り。

恐らく私が思うにまだファンは『もう少し様子を見てみよう』という状況であるように思われる。もしCL出場権を今季アーセナルが得ることが出来れば、アルテタは新契約が与えられ、ファンからの全面的なサポートが与えらえ始めるのではないだろうか。

彼は今季何度もファンとのコネクションの重要性を語っており、選手たちがそれを構築し始めていることに満足しているに違いない。

私と、そして他のアーセナルファンにとっての問いは、選手たちが得ているファンからの全面的な愛を、アルテタ自身が得られる日はいつになるのだろうか?というものだ。

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Posted by gern3137