【将来のエースストライカー!?】フォラリン・バロガンのこれまでと今後について 後編
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今季のバロガン
今季のアーセナルU-23は散々なシーズンを送っているが、その中でもバロガンは安定して得点を続けている。今季彼は19試合で10ゴール3アシストを挙げ、今月のブレントフォードBチームとの練習試合でも特典した。
昨年の10月からU-23チームのキャプテンを務めているし、12月と1月にはユースリーグの月間MVP候補にもノミネートされた。
もちろん、全てが上手く行ったわけではなく、11月にはエヴァートン相手に退場したり、2月には怪我の再発もあった。そして、彼の不在時にアーセナルのU-23は特にビッグゲームで苦戦することが多かった。
今季のアーセナルユースチームはバロガンに加えてニコライ・モラーという有望なストライカーを抱えているが、今のシステムでは1人しかトップに起用できず、もう一人がウイングとしてプレイしなくてはならないため、2人のうちどちらかにはチャンスがあまり訪れない。
これは、ボールドの戦略もあるが、1月まで多くの選手がファーストチームに昇格してしまっていたり、ローンに出ていたり、怪我があり、そもそも起用できるウイングの選手がいなかったという事情がある。
だが、これに関しては最近は事情が変わり、コイルがローンから復帰、ルイスが怪我から復帰し、テイラー=ハートがステップアップを果たしウイングの人員が揃った。
とはいえ、ここまでのところバロガンとモラーは全ての試合で同時に先発することが多く、まるでファーストチームのオーバメヤンとラカゼットを再現しているかのようだ。
バロガンの強みと弱みは?
バロガンの最大の強みが得点機への裏抜けであることは疑いの余地がない。
彼の得点の多くは、ボックス内で合わせたり、ポストプレイからではなく、この走り込みの形から生まれている。
これを可能にしているのが彼の素晴らしい加速とバランスの取れたフィジカルそしてボールを持った時の敏捷さだ。
ユースレベルでは彼と1対1でスピードで勝てる選手は多くないし、シュート技術も素晴らしく、非常にシュートのバリエーションは豊かだ。
右利きだが左足でのシュートも必要があればできるし、ヘディングも悪くない。ただし、競り合いに勝ってヘディングで得点するような場面はこれまで多くない。
バロガンに関する懸念は、恐らくプレミアリーグでは彼がフィジカルで圧倒することはより難しい、という点だろう。前アカデミー監督のヨンカーは昨夏ブカヨ・サカがトップレベルでどこまでやれるか予測するのは難しい、何故ならすでにユースレベルで彼のスピードとフィジカルに適う相手がいないからだ、といった旨のコメントを出していたが、同じことがバロガンにも言えるだろう。
ユースレベルでは現状少しくらいのミスもそのフィジカルで帳消しにできてしまう。
サカは実際にはファーストチームでもユース時代と同じくらい圧倒的な結果を残せることを証明したが、同じように容易くバロガンがトップレベルでも活躍できるかはわからない
また、バロガンはかなりの自信家でこれはポジティブでもあるが欠点にもなりうる。どんな状況でもボールを要求するし、どんな状況でも自分が得点できると信じて疑わない。だからこそ、ユースレベルでここまでの得点数を積み重ねることが出来た。
一方で、彼のチームメイトがパスを出してくれないと、目に見えて苛立つ様子を見せる場面もあり、これは必ずしもチームにとってプラスとは言えないケースもある。
特にチームが上手くいっていない時には、チームメイトが自分でシュートを打ったからと言って彼に叫び声を浴びせても、余計なプレッシャーになるだけだ。
とはいえ、もちろんバロガンが利己的な選手というわけではなく、基本的には自分でシュートを狙いに行くが、より良いポジションのチームメイトにはきちんとパスも出す。
バロガンの今後
私個人の意見としては、バロガンは既に来季ファーストチームでプレイする準備が整っていると思う。だが同時に、良い候補があるのであればローンも悪くないはずだ。
彼に興味を示すクラブは多いはずだし、それが彼の能力の何よりの証明だろう。
シェフィールドやブレントフォード、エヴァートンやクリスタルパレスが興味を示していたことを考えると、彼はプレミアリーグあるいはチャンピオンシップで毎試合先発できるだけの素質を持っている。
理想を言えば、1月まではアーセナルに留め、カップ戦で出場機会を与えるのが良いように感じる。これによりファーストチームに溶け込ませる機会を与えながら、もし冬の時点でトップチームで出場機会を得るのが難しそうだという事になればローンに出すことも出来る。
ストライカーという意味では2021/2022シーズンはアーセナルにとって転換点になりそうだ。ラカゼットとエンケティアが契約最終年となるので移籍の可能性がある。そうなればバロガンのチャンスは思ったよりも早く訪れるかもしれない。
そうでなければ、1年ローンに出し、2022年にファーストチームに呼び戻すのも手だろう。
まずは、契約延長の発表を楽しみに待ちたいと思う。
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