イーサン・ヌワネリの将来に関して
イーサン・ヌワネリの去就は、この夏、アーセナルファンの間で最も興味深い話題の一つになりそうだ。まだ19歳の選手であるにも関わらず、不思議なことに、今季のマックス・ダウマンの台頭や、シーズン終盤にマイルズ・ルイス=スケリーが見せた急成長のせいで、彼は「少し前に話題になった選手」のように感じられてしまう。
興味深い、あるいは少しもどかしいのは、アーセナルが近年、アカデミーからブカヨ・サカ、マイルズ・ルイス=スケリー、イーサン・ヌワネリ、マックス・ダウマンを輩出しているにもかかわらず、全員が左利きだということだ。
ヌワネリが2024-25シーズン、17歳でトップチームで残した成績は既に忘れられかけているが、彼は9ゴール2アシストを記録した。
プレミアリーグだけを見ても895分で4ゴール2アシスト、つまり149分に1回のペースでゴール関与していたことになる。これは決して悪くない数字だ。プレミアリーグの歴史上これと同じ水準の数字を残した17歳を見つけるのは簡単ではないはずだ。
アーセナルはプレミアリーグ王者でありながら、得点数はそこまで多くなく、このタイプの攻撃の最終局面で仕事ができるポテンシャルを秘めた選手に対して、早々に見切りをつけてしまうのは性急に感じられる。
しかし、昨夏のノニ・マドゥエケとエベレチ・エゼの獲得によって、彼のトップチームでの出場機会への道は塞がれてしまった。そして、アストン・ヴィラのモーガン・ロジャーズの獲得も本気で検討しているようだ。
シーズン後半をマルセイユへのローンで過ごしたヌワネリのために、アーセナルがファーストチームの席を空けているようにはあまり見えない。
ヌワネリのマルセイユでのローンは、加入直後にロベルト・デ・ゼルビが退任したことで様相が大きく変わり、彼の出場機会は制限された。もちろん、厳しい環境も成長の糧になり得る。
ベジェリンは2013-14シーズン、ワトフォードで左ウイングバックとして起用された際は期待外れのパフォーマンスを何度か見せ、ローンを早期に切り上げて戻ってきたことがあった。
トニー・ピューリス率いるウェスト・ブロムでのセルジュ・ニャブリの奇妙なローンも、長期的に彼のポテンシャルを損なうことはなかった。むしろ、そこで直面した困難を乗り越えたことが、彼の決意を固める助けになった可能性すらある。
同じように、ヨーロッパでも屈指の混沌としたクラブで、故郷を離れ、不安定な状況の中でプレーした経験は、長期的にはヌワネリにとって役立つかもしれない。
ただし、その長期的な未来は、現時点ではアーセナル以外の場所にある可能性はある。
フランスで得られた彼の人生における成長の恩恵を、ガナーズが受け取ることはないかもしれないのだ。マルセイユが彼に出場時間を与えることに関してアーセナルあh金銭的なインセンティブを設定しており、当初のプランではこのローンは主にピッチ上で彼の成長を助けてくれる、という想定だったのだろう。
だが、結果的にはそうはならなかった。
長期的に見れば、新加入選手を別にしても、そもそもサカ、ダウマン、ヌワネリが同時にアーセナルで活躍できると考えるのが現実的か、という問いを立てる必要があるだろう。
ダウマンの才能のレベルを考えると、アーセナルはダウマンとサカを何とか共存させる必要があるだろう。だがそこにヌワネリを加えるとなると、話はかなり複雑になる。
現代サッカーの財政事情により、選手を売ること、特にアカデミー育ちの選手を売ることは、かつてないほど重要になっている。我々は選手を売ることに慣れていかなければならない。そして良い額の移籍金を引き出したいのであれば、チームに居場所がないのか、確定する前のタイミングで売らなければならない。明らかにメンバー外の選手売却から得られる移籍金は非常に安くなる。それはこれまで我々が何度も見てきた通りだ。
マンチェスター・シティはコール・パーマーをチェルシーへ売却した。本音では残したかっただろうが、おそらくフォーデンとパーマーは共存が難しいと悟ったのだろう。
もちろん、こうした考慮が必要になるのは、アカデミー出身選手に限らない。チェルシーは2014年夏にケヴィン・デ・ブライネを売却した。振り返れば愚かな選択だったが、それでも彼らは2014-15シーズンにリーグ優勝を果たしている。
彼らは2016年夏にはモハメド・サラーも売却した。これも振り返れば誤りだったが、それでも2016-17シーズンにはリーグを制している。優れた選手を失うことは、最高レベルのスカッドを持つこととは切っても切り離せない関係にあるのだ。
有望な若手が活躍するのは、難しくなる。
ただ一方で、ヌワネリのアーセナルでのキャリアパスを塞ぐことになった獲得のいくつかが、本当にその価値のあるものだったのかを問うことには意味があるだろう、、
ノニ・マドゥエケは現在、ブカヨ・サカのアキレス腱にかかる負担を軽減する役割を果たしながら、クラブと代表でまずまずのキャリアを築いているが、ヌワネリが残留していれば、その役割を同じくらい効果的に担えた可能性はあるだろうか?もしかしたらあるかもしれない。
ただし、マドゥエケは、ヌワネリにはない、彼を魅力的なオプションとする要素もいくつか備えている。
9月にイングランド代表監督のトゥヘルは、彼を評価する理由を尋ねられて非常に簡潔に「彼はスピードがあり、縦に仕掛けられ、ドリブルを好む。それが我々が彼に求めているものだ」と答えた。
マドゥエケはヌワネリとはあまりにもタイプが異なり、彼をオプションに加えることは、一定理に適っていると言えるだろう。監督たちは、マドゥエケがもたらすものを評価しているようだ。
ヌワネリに関して言えば、より大きな疑問となりうるのはエベレチ・エゼの獲得だ。
やや雑な論理であることを承知で言えば、昨季のノースロンドンダービーでの貢献を除けば、残りの試合でのエゼの成績はプレミアリーグで2ゴール2アシスト、チャンピオンズリーグで1ゴール1アシストだ。
スパーズ相手に5ゴールを決めれば、サポーターの愛情を得られるのは非常によく理解できる。しかし、より冷静かつ分析的に見れば、中央のポジションでヌワネリに同じだけの出場時間を与えていれば、エゼ以上の遠く店とアシストを上げられていた可能性はないか?というのは十分に正当な問いだと思う。
今季絶対にリーグ優勝を狙うプレッシャーが、エゼ獲得という比較的短期的な将来を見据えった決断をクラブに促したのだと思う。そしてもちろん、実際にアーセナルはリーグを制した。
ただし、長い目で見れば、エゼによってヌワネリの道を塞いだことが正しい判断だったのか、という問いは残る。その答えは、いつものように時間が教えてくれるだろう。そしてもちろん、我々がアカデミー選手を見限ったあと、彼らが突然道を切り開いた例も数多くある。
例えば、エクトル・ベジェリン、フランシス・コクラン、アレックス・イウォビは、突然トップチームで結果を残した。
もっとも、彼らが入ってきたアーセナルのチームは、現在のチームよりもはるかに充実していなかったことは考慮する必要はあるが。
一方で、8週間前マイルズ・ルイス=スケリーのアーセナルでのキャリアは終わりに近づいているように見えた。しかし今では、彼のおかげでこの夏、アーセナルはより実績のあるCMFを獲得する必要がなくなったのではないか、とすら感じられる、
状況は急速に変わり得るのだ。
もしヌワネリがプレシーズン前に売却されないのであれば、メリーノ、エゼ、ウーデゴール、サカ、マドゥエケらがW杯に参加している間に、アピールのチャンスを得ることになる。
ジャック・ウィルシャーは2010年夏、ファブレガス、ナスリ、ソング、ディアビが南アフリカW杯で不在だった中、素晴らしいプレシーズンを過ごし、アーセナルの先発メンバーへとステップアップした。
もしこの夏、彼に対して良いオファーが届けば、アーセナルはそれを真剣に検討するだろう。
クラブにヌワネリのための居場所を作るつもりがあるのであれば、ロジャーズへの興味を取り下げるか、サプライズの売却を行う必要があるだろう。
大型アタッカーの獲得とヌワネリの残留は現実的には思えないし、クラブにそのつもりがあるようにも感じられもしない。
もしヌワネリがこの夏に売却されれば、我々は巨大な才能を失ったことを後悔する可能性がかなり高い。それでもなお、それが完全に間違った選択だったとは必ずしも言えないのだ。
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コメント一覧
非常に深く考察の幅を感じる内容ですがやや表面的ですね。短期的に切り取るのでなくもう少し長期的に見ればシティもチェルシーも失ったものは大きい。
シティで言えばデブライネベルナルドは当然去り、代わりになるはずだった人材まで売りに出されているしフォーデンは不調もあり、付け焼刃で凌ぎつつ世代交代に苦労した末にペップの最後の優勝を逃し、静かに迷走している。
そもそもサカは2列目どこでも出来てトロサールマルティネッリもトップが出来るわけで、問題はジェズスやウーデゴールや、LWGでのマルティネッリなのでは?と思います。
過去の補強や頑なな方針に問題があったことを指摘せず正当化したところで有益ではなく、今後に活かせる論評ではないようにも思える。
要するに感情を抜きにして考えれば、残念ながら高サラリー低パフォの8.9.11の移籍を促し世代交代を図るしかないわけで、ヌワネリに限らず今年の移籍市場については話を始められないです。