更に重要性を増すカイ・ハヴァーツ

分析Tim Stillman,海外記事

トップレベルでは、どのチームも少しはローテーションを行う必要がある。代表戦、欧州コンペティション、は年々試合数が増え続けており、ベストな11人を固定して戦う、というのは現代では不可能だ。

ただしそれでも、多くのチームに絶対に外せない選手、というのは存在しており、そういった選手たちは怪我などがない限りほぼ常に出場を続ける。

アーセナルで言えばサリバ、ガブリエル、ライス、ウーデゴール、サカ、ハヴァーツあたりがそれにあたるだろう。

フィールドプレイヤーの半分以上というのはかなり多く思えるが、もしかすると、シーズンが進むにつれてティンバーとカラフィオーリがチームに溶け込めば、ホワイトとガブリエルの出場数は少し減少するかもしれない。

2年前ジェズスとジンチェンコもここに分類されていたが、彼らは今やハイレベルなローテーション要員となっている。そして、ミケル・メリーノの獲得もチームの誰かに影響を与えるだろう。

ジェズスとジンチェンコが少し序列を落とした裏で、逆に昨季絶対的な主力としての立場を勝ち取ったのがカイ・ハヴァーツだ。

シーズン前半は自信不足にも見え、チームで自分を取り戻し、慣れるための時期も必要だったが、11月のブレントフォード戦が転機となったことは間違いなく、この時ハヴァーツはベンチからの出場で12分しかプレイしなかったが、ヘディングで決勝点を挙げた。

シーズン前半の14試合でハヴァーツが先発したのは8試合だけで、フル出場は4試合のみだったが、その後の24試合では23試合に先発出場することとなった。

ジェズスのケガにより、フォレスト戦以降ハヴァーツはトップで起用されることになったが、これがハヴァーツにとってのこのシーズン2度目の転機だった。

ここから(フォレスト戦ではハヴァーツではなくスミスロウが8番として先発した)ハヴァーツはチームにとってまさに欠かせない存在となったのだ。

だが、ウーデゴールとメリーノが離脱となり、週末の試合に関してはライスも出場停止であることを考えると、アルテタはハヴァーツを再び中盤に戻すほかなさそうだ。

トロサール、そして復帰が間に合えばジェズスがセンターフォワードは務められるし、ハヴァーツの力はより中盤で必要となるだろう。

彼はストライカーとして絶対的な存在となったが、だからといって中盤でのプレイが悪かったわけではない(もちろんメリーノを獲得したということは、アルテタはハヴァーツをFWとして見ているということだろうが)。

日曜日の試合では、アルテタはより経験を重視してジョルジーニョとパーティ、ハヴァーツという中盤で試合に臨む可能性が高そうに思わわれる。

昨季ゼロトップのトロサールの後ろでハヴァーツがプレイするという形は成功した前例もある。6-0でのウエストハム相手の勝利と5-0でのバーンリー相手の勝利はどちらもこの形だった。

3月のブレントフォード戦でもストライカーとして先発したハヴァーツはアーセナルが決勝点を追い求める際に中盤に降り、かつそこからボックスに飛び込んでホワイトのクロスから得点を挙げた。

だが、ライスが復帰する来週以降はライスを左8番に置き、ハヴァーツを右8番に置くという今まで試していない形を用いる必要がアーセナルはあるかもしれない。

ハヴァーツはウーデゴールとタイプは大きく異なるが、守備への貢献は変わらないだろう。ウーデゴールとサカの連携は素晴らしく、それがなくなってしまうのは少し不安ではあるが、サカは非常に素晴らしい選手であり、ウーデゴールのおかげで輝けている、というわけでもない。

また、ハヴァーツをサカとより近い位置でプレイさせることによって生まれるメリットもあるだろう。サカのプレイから生まれるパスやこぼれ球に飛び込んでくれるはずだし、サカが近くにいれば、ハヴァーツのマークは少し手薄になるに違いない。

もちろん、ハヴァーツはサカのクロスに飛び込める選手なので、二人が同じサイドでプレイすることになると、それが失われてしまうという懸念はあるが。

少々入れ替わった前線の連携がどのような形になるにせよ、ウーデゴールの不在中、ハヴァーツはチームにとって更に重要な存在となるはずで、彼は普段と少し異なる形でもどのようなプレイが見せられるか、示す必要がある。

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Posted by gern3137