アーセナルが獲得すべきはストライカーか、それともウイングか 後編
前編はこちら:
ムドリクが獲得できなかったことを受けて、アーセナルは資金をトロサール獲得とリース・ネルソンとの契約延長に割り当てることを決めたが、問題は今の所アルテタはネルソンのことをビッグゲームで起用できる、と考えるほど信頼を置いていない、という点だ。
このため、ネルソンはマルティネッリとサカの負担を軽減できていない。
ネルソンは今季ここまでの全試合分数のうち5.6%しかプレイしていないし、左サイドで以前プレイしていたスミスロウは現在は中盤の選手として計算されている。
したがって、実質的にアルテタがサイドで起用するのはサカ、マルティネッリ、トロサールのみで、ジェズスが彼らに次ぐサイドのオプションとなっており、これによりエンケティアがストライカーとしてプレイすることが増えている。
恐らくアーセナルにとって理想的な形は、リース・ネルソンを売却して、よりアルテタが信頼を置け、少々負担が大きいマルティネッリやサカとローテーションさせられるようなウイングを獲得することだろう。
アーセナルの攻撃の脅威となる選手がサカとマルティネッリの二人、と固定されてしまうことで対戦相手も対策が容易になってしまう、という側面もあるし、実際にこの二人は相手の激しいコンタクトにさらされて怪我に苦しむ場面も増えている。
昨季マンチェスター・シティはベルナルド・シルバとマフレズ、グリーリッシュとフォーデンをローテーションさせながらリーグ優勝を勝ち取った。
今季彼らはマフレズを放出したものの、代わりにジェレミー・ドクを加えており、先発させるのに不安のない4人のウイングを揃えた体制は変わっていない。
リバプールのサラーがそうであるように、ブカヨ・サカが素晴らしい選手すぎるが故に、仮にどのようなオプションがあったとしてもどちらにしろできる限り多くの試合を先発することになりそうだ、というのが若干事態を複雑にしてはいるが、いずれにせよアーセナルの前線には先発するに足るFWが一人足りないように思える。
エドゥとアルテタが考えなくてはならないのは、エディー・エンケティアを放出し、ストライカーをもう一人獲得し、ジェズスにトロサールのような、時折中央でプレイし、時折サイドでプレイする、といった役割を与えるか、それともエディーを信頼し、もう一人スピーディなサイドアタッカーを獲得し、ネルソンの放出に踏み切るかだろう。
マンチェスター・シティはユース育ちのコール・パーマーを放出し、ジェレミー・ドクを獲得するという決断を夏に下した。
恐らくだが、アーセナルは似たような決断を下す必要があるのだろう。今の所カイ・ハヴァーツが獲得当初に想定されていたほどの活躍を見せられていないことが、より状況を複雑にしてもいる。
アーセナルファンからはアイヴァン・トニー獲得を望む声も上がっており、確かにそれは理解できる。
彼は良い選手だし、ブライアン・ムベウモとのコンビネーションは素晴らしい。ラヤがロングボールをトニーに届け、トニーがそのボールをサカやマルティネッリに供給する場面は容易に想像できる。
だが一方で、トニーの年齢とブレントフォードが要求するであろう移籍金がアーセナルのプランにフィットするかどうかは微妙なところだ。
ブレントフォードはクラブのエースストライカーであり、キャリアのピークを迎える年齢のトニーに高額な移籍金を要求するだろうし、このようなステータスの選手が今のアーセナルに必要かどうかは自信が持てない。
イングランドにおいてはストライカーのプランBというのは時として『前線でボールを当てられる長身ストライカー』とほぼ同義で、体の大きいストライカーはファンを安心させる傾向にある。
だが恐らく、もしそのように空中戦に強い選手を最前線に置く必要があれば、アーセナルにはすでにカイ・ハヴァーツがいる。今のアーセナルにより必要なのは俊足ウイングだろう。
アーセナルは恐らく近々エディー・エンケティアあるいはリース・ネルソンどちらかの将来に関する決定を強いられることになり、そしてその結果が前線にストライカーを補強する必要があるのか、それともウイングを加える必要があるのかの行方を握ることになりそうだ。
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ディスカッション
コメント一覧
将来的には両方、ということになるのでは。現段階での得点者のチーム最多はエンケティアの5点だが、そこにはあのハットトリックが含まれ、ハーランドやサラーが何点取っているかを考えれば、我々のfantastic4(ハハ)が昨年皆二桁得点だったという事が最適解かは答えが出ているように思う。
現状サカネッリが万全ならば議論の余地はない。遜色ないウイングもまた対象である。
これまでの3引き分けはいずれも2-2。守備力が問題と見えるが、逆を言えば2失点した時はいずれも引き分けどまりである。いわゆる典型的な9番が最適かは別として、エンケティアが最適解ではないだろう。何れにしろ「取られたら取り返せる」だけのパーソナリティを見つけて連れて来る必要があるだろう。あるドイツ人とは真逆の。