冨安健洋に花束を
昨日のポッドキャスト内でも話したことだが、冨安健洋のセビージャ戦のパフォーマンスが認められ、称賛されているのは素晴らしい。
私個人としては、以前から彼は当初から最高の選手だと思っていたし、ジンチェンコの左サイドバック起用には少しばかり不安があると感じていたからだ。
冨安のけが歴は少々懸念点ではあるが、彼は筋肉系のけがを繰り返し再発させるような選手ではない。昨季の膝の怪我は突発的なもので、アンラッキーだったし、トーマス・パーティのように、明らかにアーセナルに来て以降継続して筋肉系の怪我に悩まされている選手とは異なる。
冨安は昨季怪我で離脱してしまったことで、それまでアーセナルにおいていかに重要な存在であったかを少しファンから忘れられてしまったように思える。
確かに彼は絶対的なスタメンといった選手ではなかったかもしれないが、それでも昨季13試合に先発している(これにはサラーを完全に封じたリバプール戦も含まれる)し、合計で31試合に出場した。
昨季のアーセナルの転換点としてサリバのけがはよく挙げられるが、同時期に冨安が怪我したことで、この二人の離脱がアーセナルにとって対応しきれないものとなってしまった。もしサリバが離脱しても冨安がいれば彼を右サイドバック、あるいは右CBとして起用でき、状況は遥かに楽だっただろう。
そして、だからこそティンバーの獲得にクラブは踏み切ったに違いない。彼はもともと右CB、右サイドバックとしてプレイできるとみられていたが、左サイドバックとしてもプレイ出来た。
そして、冨安も備えているこの素質は少し過小評価されているように感じられる。DFはどちらかというとスペシャリストの方が多く、サリバは素晴らしい選手だが、彼をサイドバックとして起用しようとは思わないだろうし、ジンチェンコのCB起用は不可能だ。
冨安が両サイドバックどころか両CBとして4つのポジションのプレイでできるというのはもちろん彼の秀でたフィジカルがあるからこそできることなのだが、同時にサッカーIQの高さの証明でもある。
彼のDFの直感とでもいう能力は本当に素晴らしく、常に相手を止めるためにはどのポジションに居なくてはならないか、そして、どうやって止めるかを意識している冨安のプレイを見るのは非常に楽しい。
それだけではなく、彼はボール保持時にも非常に落ち着いており、パスレンジも広い。何度か言っているが、彼は非常に万能で、セビージャ戦の終盤では『もう一人ベンチから投入できる冨安がいれば』と感じられたほどだった。
🏆 Our Player of the Match against Sevilla…
— Arsenal (@Arsenal) October 25, 2023
⭐️ Takehiro Tomiyasu ⭐️ pic.twitter.com/tYQFZMW8vJ
ファンが怪我で離脱していたり、試合に出場していなかった選手のことを忘れがちであるのはある程度自然なことではあるが、昨季怪我の多い冨安は戦力として計算できないのではないか、といった議論が生まれていたが、それが今季全くなくなったのは喜ばしいことだ。
彼は来月25歳になり、最近活発に選手との契約延長を行っているアーセナルだが、トミへの新契約も早めに準備する必要があるだろう。
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