ブカヨ・サカとプレミアリーグの判定に関して

語ってみたTim Stillman,海外記事

『サカは問題ない。彼は今日もまた何度か蹴られていたが、これは彼が対処法を見つけなければいけない問題だ。彼のスタイルを相手チームもわかっているし、彼らはサカを止めようとするだろうからね。練習中にだってこのようなことは時々起こりうる。』

とアストン・ヴィラ戦の後の会見でアルテタが語ったが、この試合を通してサカは痛みを抱えているように見えた。

アルテタのコメントはサカに寄り添う温かな言葉とは言えず、これはアーセナルファンが抱えるフラストレーションとは少し対照的だった。我々は過去に何度も才能のある若手が怪我で苦しむところを見ており、サカに対する荒いプレーに関する判定には、多かれ少なかれ不満を持っているだろう。

もちろん、恐らくアルテタ自身も裏では同じようなフラストレーションを溜めているのではないかと思うが、公の場でそのような不満を口にしないのは、恐らくサカに被害者意識をあまり強く持ってほしくない、というのがあるのではないだろうか。

彼はサカに恐れず何度でも一対一に挑んでほしいと思っており、サカは不当に多くファウルを受けている、といった旨のことをコメントしてしまえば、サカ自身もそのような意識をもってしまうかもしれない、と考えている可能性はある。

今季の前半にアルテタはサカをヨーロッパリーグで休ませないことに関して『世界のトップの選手は毎シーズン70試合をプレイし、数日ごとに違いを見せているよ。もしトップ選手になりたいなら、それが出来なくてはならない。それとは異なるメッセージを若手に送るべきではないよ。彼らに今日はプレイしたくない、人工芝ではプレイしたくない、のように考えてほしくない。彼らには3日ごとに試合があっても毎試合プレイしたい、毎試合勝利したい、と思いながら結果を残してほしい。どんなフィットネスコーチに聞いてもそれが不可能だとは言わないはずだ。実際にそのようにプレイして70試合で50ゴールを挙げる選手は存在するんだからね。シーズン通して38試合しかプレイしなかったら50点を挙げるのは無理だ。』ともコメントしていた。

サカに関して言えば、同じようなことをアルテタは考えている節がある。

恐らく監督はサカにメッシのような、世界でもトップの選手になってほしいと思っているのだろう。

確かに、キャリアを通してメッシやロナウドは対戦相手にターゲットにされることに関して不満を言うことはなく、常に被害者であるというイメージを拒み続けてきた。結果的に対戦相手はフィジカルな意味で彼らを狙うことは諦めることになった。

一方で、ネイマールは才能という意味ではこの二人に引けを取らなかったと思うが、キャリアを通して悪質なタックルに対するリアクションは上の二人とは全く異なるものだった。

もちろんそれでも彼は素晴らしい選手だが、今30代を迎えた彼は、かなり怪我がちになっている。

アルテタの中でも、サカへのファウルに対する不満と、彼にそれをはねのけられるアタッカーに成長して欲しいという気持ちの葛藤があるのではないだろうか。

実際の被ファウル数でみると、90分当たりに換算するとジェズスの方がはるかに多い。だが、このスタッツには問題があり、それはファウルと判定されなかったケースはカウントされず、かつ一つ一つのファウルがどれほど深刻なタックルだったかを考慮できない、という点だ。

アーセナルファンの感覚としては、サカは非常に厳しいタックルに晒され、あまりファウルを撮ってもらえていないように感じられる。

ただし、恐らく彼がアカデミー卒の若手であることもあって、ジェズスがファウルを受けたときよりもより我々が彼を守ってやらなければ、と感じられることが多い、という可能性は考慮すべきだろう。

我々はジャック・ウィルシャーに関しても同様に感じていたし、そして実際に彼は30歳での引退に追い込まれてしまった。

加えて、同じイングランド代表のスターであるハリー・ケインはかなりファウルを多くとってもらえるように感じられるのも影響しているだろう。

ただし、ケインとサカのスタイルの違いは考慮する必要はある。

ケインはセンターフォワードであり、ある程度意図的にチームのためにセットプレイを獲得しようとしている。そして、彼はそれが非常にうまい。

一方で、それはサカのプレースタイルではなく、彼の一番の目的は相手にファウルする隙を許さず突破居sてしまうことだ。

そして、サカが受けるタックルは基本的には1970年代のイングランドでよく見られたような選手生命を脅かすようなタイプのものというより、どちらかという頻度の問題だ。

上で述べたアストン・ヴィラ戦でサカが抱えていた痛みも、どちらかというとレッドカードに値するようなタックルがあったわけではなく、執拗に何度もタックルを受けた結果であったはずだ。

確かにこのようなファウルは主審にとっても対処するのが難しいだろう(もちろん、あまり対処する気がない、というのもあるが)

また、審判のサカを巡る扱いに関しては、プレミアリーグの判定において、ある程度の人種差別的なバイアスが存在している、という意見を表明しているアーセナルファンも多くいる。

実際に同であるにせよ、PGMOLはこのような議論を内部で行い、常にそのような不公正さが存在しないかモニタリングを行うべきではあるだろう。

特にプレミアリーグではこの20年の間に一人も白人以外の審判を輩出できていない、ということを考えると、そのようなバイアスがないように徹底するのは重要なことだ。

ただし、これは特にマジョリティ側の白人男性にとっては非常に微妙な話題でもあり、明確な証拠なしに人種差別を主張するのは難しい。

人種差別はサッカーのファン意識よりも重大な問題であり、個人的には実際にプレミアリーグの判定において人種差別的なバイアスが存在しているのか、それともアーセナルファンであるため過敏になってしまっているのか確信をもって判別はできないため、判定を批判するために、このような問題を持ち出すのは難しい。

このような問題は、特定の選手への判定とは独立した形で、より真剣に議論され、調査が行われるべきだろう。

マイク・ライリー体制下のPGMOLは非常に不透明な組織であり、これをハワード・ウェブが変えてくれることを願うしかない。

サカがタックルを受けてもファウルとなっていないように感じられる、といったアーセナルファンとしての感情とはまた別に、PGMOLは人種差別的なバイアスが存在する可能性についての指摘を真摯に受け止めるべきだ。

その間、アルテタのアプローチが実を結んでくれることを願おうではないか。ファンとして声を上げ続ければ、もしかすると審判も少しは意識を変えるかもしれないが、恐らくそれは非常にゆっくりとしたプロセスになるだろう。

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Posted by gern3137