モハメド・エルネニーとの契約延長は正しい決断だ

分析arseblog,海外記事

アーセナルが一昨日モハメド・エルネニーとの1年間の契約延長に合意したと発表した。

怪我で離脱中であり、回復の経過次第で来季前半も出場できない可能性もある選手との契約に戸惑う声も上がった。

今季ほとんどプレイしておらず、怪我がなくてもベンチに座ることが多い選手は放出すべきだという意見もあるかもしれない。

だが、アルテタのチーム作りに対する姿勢と合わせて今回の件は考える必要があるだろう。

アルテタは自身がチームにフィットしないとみなせば、選手のステータスや給与に関わらず、スター選手もためらいもなくメンバーから外し、放出を行ってきた。

彼のポリシーは100%チームに尽くす姿勢を持った選手のみをクラブに残すことであり、今季の順位表を見ればそれが成果を上げているのはわかるだろう。

このような前提において、チームのために尽くす姿勢を見ている選手が練習で怪我をした際に、このまま契約切れで放出となった場合には新たな移籍先を探すことが難しいかもしれない、という夏を迎える見込みが高い場合、クラブとして正しい行いはどのようなものだろうか?

数週間前にアルテタは以下のように語っていた

我々はクラブのスタッフや選手に常に全力を尽くすことを求めている。だがらこそ、彼らが難しい状況に置かれた時には、逆にクラブ側も正しい行いをする必要があると考えているよ。

アーセナルでは、このような出来事の前例が既にある。サンティ・カソルラが大けがを負い引退の可能性もあった際に、クラブは彼との契約延長を行った。その後カソルラがキャリアを再生するにあたって、この契約延長が非常に重要な役割を果たしたのは間違いない。

結果的にアーセナルでプレイを続けることはならなかったが、カソルラはこの件を永遠に感謝を続けるだろう、と語った。

2015年にも、アルテタ自身に似た出来事は起きている。彼は前年ケガに見舞われ、12試合しか出場できなかったが、アーセン・ベンゲルは1年の契約延長を提示したのだ。

加えて言うのであれば、これは単にクラブの功労者への義理、という話ではない。これは現在クラブに所属する選手たちにクラブは彼らの味方だと示す意味もある。

クラブは毎週末選手に全力でクラブのために働くことを要求しており、これが一方通行ではないと示すという意味でも、エルネニーとの契約延長は正しい決断であるように思う。

エルネニーは今回の延長に際して減給を受け入れたと報じられており、これはエルネニー側がクラブの負担を少しでも減らし、今のチームの一因でありたいという気持ちを持っていることを示している。

彼はチーム内でも非常に人気の高い選手だし、このような怪我はどの選手に起きてもおかしくないのだ。

アーセナルの決定が人間的なレベルで選手たちにどのような影響を与えるのかも考慮する必要があるだろう。

プレミアリーグ屈指の有望な若手たちとの契約延長交渉を現在アーセナルは続けているが、エルネニーとの契約延長のような決定は、選手の忠誠心に対してクラブはそれに報いるつもりだと示すことになる。

もちろん、そのおかげでサカやサリバが契約延長を決める、というほどことはシンプルではないだろうが、一方でその逆の決断を下していたら、これはネガティブな影響があったかもしれない。

金銭的にも、特にエルネニーの一年の契約延長がアーセナルが狙う夏の中盤の大型補強に影響を与えるとは思えないし、スカッド強化の余裕はあるはずだ。来季プレミアリーグとCLを両立して回すことになった場合に、いざというときに居てくれると助かるローテーション要員を確保した、という結果になっただけだ。

契約延長に当たってエルネニーは

2016年からずっとアーセナルのようなクラブに居られることを誇りに思うよ。今のチームスピリットと一体感はとてもポジティブだし、契約延長はすごくうれしい。

と語った。

まさにエルネニー自身が語っている通り、一体感は重要なのだ。

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Posted by gern3137