マンチェスターシティ戦振り返り
シティ戦の前半はかなり勇気づけられるものだった。失点こそしたものの、この45分のパフォーマンスはプレミアリーグの王者であるマンチェスター・シティとアーセナルが互角に戦えるチームであると示していた。
昨季アーセナルが5-0でシティに敗北を喫した際、この差を埋めるのには時間がかかるに違いないと感じたが、その時の想定よりもかなり早くここまで来ることができたといっていいだろう。
だが、よく言われるように、希望こそが痛みの元でもある。後半でシティはハイプレスを仕掛け、シウバがより前の位置に現れる前からアーセナルにプレッシャーをかけてきていた。
VARによるオフサイド判定でなんとかガブリエルはハーランドへのファウルによりPKを逃れ、ジョルジーニョも一つぎりぎりでのクリアを見せたが、シティの圧力は高まり、結果的にガブリエルのパスミスから冨安のほんの少しのディフレクションにより失点する、という少しアンラッキーな形から勝ち越し弾を許してしまった。
恐らくだが、ディフレクションがなければラムズデールはこのシュートを止められる位置にいたように見えた。
今回の試合に関しては冨安の日ではなかった、というほかないだろう。彼のパスの威力が弱すぎ、先制点をデブライネに決められてしまった。
ただし、もちろん彼のミスに注目が集まるのは当然ではあるが、危険となりうるエリアにこのとき居たのはデブライネただ一人であり、ガブリエルのポジショニングも万が一の事態に備えてもう少し工夫の余地はあった。
シティの3点目に関しては、相手から主導権を取り戻そうと走り、疲れたチーム相手に良いパスから得点するというまさにグアルディオラのチームの典型的なゴールだった。
この試合に限らず、今季プレミアリーグの多くの試合であれほど背の高い輝く金髪の持ち主がなぜ誰にもマークされない状態で繰り返しゴール前ン位現れることができるのか、個人的には不思議ではならない。もちろんそれにはハーランドの動きが素晴らしいというのはあるのだろうが、だからといって、やはり相手のストライカーがボックス内でフリーになってしまったという事態は褒められるものではない。
アルテタは試合後、以下のようにコメントした
今日のような相手に勝利の可能性を作るだけでも大変だ。今回の試合でアーセナルはそれを成し遂げたと思う。何度か試合の勝利につながってもおかしくない瞬間があった。だが、このような形で相手に3点をプレゼントしてしまえば、それは相手に勝利をプレゼントするのと同じだ。一方その逆に、自分たちが生み出したチャンスを決めきれなければ、シティのような相手に勝利できる可能性はほぼゼロに近い。パフォーマンスとしては悪くなかっただけに、非常に残念だよ。
チームを鼓舞しようとしているという意図もあるだろうが、アルテタの指摘はある程度的を得ているように思える。アーセナルに訪れたチャンスのタイミングも考えるとなおさらだ。
エヴァートン戦でウーデゴールが一本絶好機を打ち上げてしまったが、その数分後にエヴァートンは得点した。シティ戦では22分にジンチェンコからエンケティアにフリーでのヘッドを演出するクロスが届いたが、タイミングを計り間違えてしまったためボールは肩に当たって外れてしまった。冨安のミスからシティのゴールが生まれたのはその2分後だ。
また、後半シティが勢いを増した後でさえも、冨安からエンケティアにあと一歩で得点という場面もあった。これは66分のことだが、シティの2点目が決まったのは72分だった。
また、その直後の75分ジャカがフリーになるチャンスがあったが、マルティネッリへとパスを出すか自分でシュートを打つかを決めきれない間にタックルでボールを奪われてしまった。これは今季の序盤にはジャカがまさに得意としていたような場面だった。
これは上の二つの場面とは違い、得点の可能性が非常に高かったとは言えないが、とはいえアーセナルがチャンスを生かしきれなかった場面の一つであるのは間違いない。そして、82分にアーセナルは3失点目を喫した。
試合でのほんの少しの違いについて語るのであれば、これらの瞬間が試合の分かれ目となったのは間違いない。
もちろんジェズスとスミスロウを欠いた状態でアーセナルがシティ相手に前半見せたパフォーマンスはポジティブな点ではあった。
だが、エンケティアは得点機に顔を出すプレイに関しては賞賛されるべきだとは思うが、この試合では両チームの2人のストライカーの明暗は明らかだった。
彼はPKを獲得したし、総合的なプレイに関しては良かったとは思うが、やはりこのようなビッグゲームではストライカーがチャンスを決めきれるかどうかが試合の決め手となってしまう。
一方で、アーセナルの後半のパフォーマンスはかなり心配だ。肉体あるいは精神の疲労によるものなのか、アーセナルの選手たちは疲れて見え、今季序盤に非常に好調だった選手たちの多くが調子を落としてしまっている。アーセナルがシティ戦で見せたようなミスをしてしまえば、シティのようなチームがそれを得点につなげるのは当然だ。
もちろん、そういう試合もある、この試合はアンラッキーだった、と考えることもできるだろうが、最近のアーセナルが3試合で勝ち点1しか獲得できていないことを考えると、この不調にはもう少ししっかりとした要因があるように思える
次の試合のアストン・ヴィラ戦は土曜の早い時間帯のキックオフであり、もうすぐだ。アルテタは今のチームに輝きを取り戻す方策を素早く見つけ出す必要がある。
タイトル戦を戦うというのがタフなものになることは最初から分かっており、何度か躓く試合もあるだろう、というのは予測できたことだ。今のところ、アーセナルはまだ消化試合数が1少ない状態でシティと勝ち点で並んでおり、この試合に勝利できればまだ首位をキープできる。
もちろん、これはアーセナルが調子を取り戻すことが出来れば、の話だ。
次戦からアーセナルの逆襲が始まることを期待しよう。
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ディスカッション
コメント一覧
チーム全体のシーズンを俯瞰して見れば、ジェズスが元気な時のエンケティアのプレータイムは少な過ぎたし、ホワイトがレギュラーであった時の冨安のプレータイムも少な過ぎました。
そういったスタメン固定や交代の遅さなどの「隠れたマネジメント面の問題」がここにきて少し影響しているということでしょう。
昨季はエンケティアと冨安の個人能力が監督やチームを助け、またそれが今季前半戦の良い結果に繋がったはずですが、アルテタはスカッド全体を強く大きくする決断力に欠けていたのではないでしょうか。
冬のマーケットでは良い動きをしたと思いますが、前半戦より厳しい後半戦でそれを活かすも殺すも監督次第だと思います。
ラムズデールに向かって弾丸(シュート)の様に蹴る。脇をかすめゴールに吸い込まれるかも知れない。それでも。ラムズデールは対応を誤らない、と信じて。
アーセナルはそういうチーム。で、なければアンリのパートタイムリターン、超常現象的ゴール等あり得ない。アーセナルファンが何十億か知らないが、皆それを。
超常現象…アルテタラストマッチ。真面目に生きていれば幸せになれる。そうしたメッセージをアーセナルは発していた。
ウチはシティとはコロナ中断明けウィロックゲンドゥジをキーマン二人につけたり
モーマリロブ突然先発させてマンマークで流動的にいったり
マリよりアジリティあるコラシナツで爆死したり
最近のFAでもマンツー気味に対応した
これが受け渡しのギャップ埋めるのかはわかりませんが
とかくシティ相手には何らかの対策を講じてきた
でも流石にゲーム途中から変更されたら対応できないです
シティに押し込まれ続けると4、5点取られる
FAでも今回もほとんど押し込まれずに中盤のせめぎ合い
アルテタ言うようにボックスで決するところまではきている
ペップもしてやったりでしょう
ムカつくがここから先のビッグゲームでの残酷なまでのシビアは避けて通れない