アーセナルの2022/23夏の移籍市場総括

移籍

デッドラインデーは待ち人来ず、ということになりましたが、今回はこの夏の移籍市場の獲得と放出を整理したうえで、振り返ってみたいと思います(移籍金はTransfermarktによる)。

獲得

ガブリエル・ジェズス(FW) 52m€
ファビオ・ビエイラ(MF/FW) 35m€
オレクサンドル・ジンチェンコ(MF/DF) 35m€
マット・ターナー(GK) 6m€
マルキーニョス(FW)
3.5m€

放出

トレイラ
レノ
ラカゼット
ベジェリン
パブロ・マリ
タヴァレス(ローン)
ルナルソン(ローン)
メイトランド=ナイルズ(ローン)
ペペ(ローン)

今季のスカッド

GK: ラムズデール、ターナー、ハイン
DF: 冨安、ホワイト、セドリック、サリバ、ホールディング、ガブリエル、ジンチェンコ、ティアニー
MF: パーティ、エルネニー、ロコンガ、ジャカ、ビエイラ、ウーデゴール、スミスロウ
FW: ジェズス、エンケティア、マルティネッリ、サカ、マルキーニョス(、ネルソン)

振り返り

ミケル・アルテタの監督就任以降のアーセナルはトーマス・パーティ、ラムズデール、ホワイト、冨安と中盤~守備陣の選手の補強がメインとなっていましたが、ついにオーバメヤンとラカゼットが退団、そしてペペもローンに出され、前線を刷新、てこ入れを行う夏となりました。

彼らの後継としてプレミアリーグとブラジル代表両方で実績抜群、これから選手としてのピークを迎える年齢でもあるガブリエル・ジェズスを獲得できたのはここ何年かでも一番の成功と言ってもいいでしょう。既に印象的な活躍を見せています。

また同時に、よりポテンシャル枠のマルキーニョス、ユーティリティ性の高いビエイラも加えました。ビエイラは怪我を抱えていたこともあり、まだプレイできていませんが、この夏結局アーセナルがウイングとティーレマンスのようなCMF獲得を行わなかったということは、これらのポジションでのプレイも想定されているのではないか、と思われます。

また、枚数的には足りていた左サイドバックですが、タヴァレスをローンに出してジェズスと同じくジンチェンコを獲得しました。これに関してもここまでのプレイを見る限り、監督の志向に合致した素晴らしい獲得だったと言えそうです。ホワイトの右SBコンバートとサリバの復帰もあり、バック4に関しては控え選手とスタメンの選手の能力両方が非常に高い、盤石な体制だと言えます。

放出に関しては相変わらずフリーやローンでの放出が多めで、トレイラのセリエAが破談になったことも含め、恐らく夏の前のフロントの想定よりも売却による資金ねん出が出来なかったのではないかと思います。もしかすると、これが獲得に少し影響を与えたかもしれません。

結果として、移籍市場最後にウイングの獲得にトライすると報じられていましたが、エルネニーの怪我を受けて方針転換、ドウグラス・ルイス獲得に動いたものの折り合いがつかずタイムアップ、中盤と前線に関しては+1の補強はなしとなりました。

ストライカーが2人しかおらず、恐らく第3ストライカーはマルティネッリあたりがサイドと兼任となる点、又左サイドはそのマルティネッリとスミスロウが居ますが、右サイドはサカ一人、これまたマルティネッリかスミスロウあたりを回すしかなく、前線3枚を5人で回す体制というのはかなり層が薄くは感じられます。

これに関してはまだビエイラの能力が未知数であるので彼に期待、そしてシーズン中にマルキーニョスがカップ戦要員として台頭してくれることに期待、といったところでしょうか。

そして、中盤に関しては枚数は本来足りているのですが、上で触れた通りエルネニーが長期離脱となる見込みであると報じられており、加えてパーティも以前と同じ所を再び怪我をしているようなので、これまでの経緯を考えると、どこまで稼働を期待できるか不透明です。

このため先日のアストン・ヴィラ戦ではサンビ・ロコンガがアンカーに抜擢されましたが、次の試合はアウェイでのマンチェスター・ユナイテッド戦であり、今後アンカーがロコンガ一人、という状態が長く続くようであればかなり不安ですね。今季はW杯の中断期間があるので、クリスマス頃までに万全の体制が揃っていれば、そこまでの利切れれば、といったところでしょうか。

こちらが押し込むことがメインの展開が予想される試合であれば、ジンチェンコの起用も視野に入るかもしれませんし、もしエルネニーやパーティの復帰前にロコンガに出場停止やけがなどがあった場合は、緊急的にホワイトや冨安をこのポジションで起用する必要が出てくるかもしれません。

スカッドの層の厚みという意味では若干の不安も残したこの夏でしたが、獲得した選手のクオリティは非常に高く、万全の状態で臨むことが出来れば、開幕からの連勝が既に示している通りここ何年かの最高のクオリティのチームを送り出せるアーセナルだと言っても過言ではないでしょう。

ただし、選手の入れ替えやローテーションにどう対応するか、アルテタはまだ欧州とプレミアリーグを両立して戦った経験が浅いため、その手腕が問われる一年となりそうです。

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Posted by gern3137