今季アーセナルのNEXTエルネニーになりうるのは? 後編
前編はこちら!
ヘクター・ベジェリン
報道を見る限りアルテタは冨安の控えにセドリック、という陣容に満足しているようなので、現状チームに不足しているポジション、というわけではないのかもしれないが、ファンからの復帰を望む声は根強いのがこのヘクター・ベジェリンだ。
確かに、最近のプレイは際立ってセドリックより秀でている、とまで言い切れるかどうかはわからないが、27歳とセドリックよりも年齢は若いし、10代の頃にアーセナルユースに移籍してきており、今では数少ないアーセン・ベンゲル時代を知る選手でもある。
社会的な活動や人間性などは典型的なサッカー選手とは一線を画するものもあり、プレミアリーグでのキャプテンミーティングが開催された際にはオーバメヤンに代わって出席したりしたこともあるなど、人格、そしてアーセナルの選手とはどうあるべきかを知る、などといった意味でプレイの面とは別にチームに帯同すれば多くのポジティブな点がありそうだ。実際に、先日は昨季後半は副キャプテンだったティアニーも同じピッチに居たにもかかわらず、キャプテンマークを着けて親善試合もプレイしていた。
ただし、ベジェリンは大幅な減給を受け入れてでもレアル・ベティスに今年も戻りたいと希望している、とも報じられており、スペイン帰国の意志は固いようだ。新しいチャレンジを求める彼がアーセナルでの控えの立場を良しとするイメージもあまり浮かばない。
ただ、以前はアルテタからの慰留を受けてクラブに1年残ったという経緯もあるし、ベティスがそこまで高額の移籍金を用意する見込みも高くなさそうなので、もしかするともしかする可能性もある、くらいだろうか。
エインズリー・メイトランド=ナイルズ
最近のアーセナルに関して言うと、ナイルズほど去就がどうなるかわからない、というのか、びっくり箱のように、ふたを開けてみるまでどうなるかわからない、という選手も珍しい。
ただの体感かもしれないが、最近のナイルズは毎年のように移籍するといいつつ結局移籍しない、であったり、気づけば先発していたり、ということが起きているような気がする。
昨季はSNS上で移籍を直訴したにもかかわらず慰留、しかもこういった行為をいかにもアルテタは嫌がりそうだが、特にプラン外となったわけでもなく、その直後は普通に出場していたが、11月ごろにかけて再びメンバー外、冬にはついにローン移籍を勝ち取ったものの、ローマでも中央でのプレイ機会はもらえないどころかサイドバックとサイドのMFを左右たらい回しになった挙句に突然プラン外、シーズン最終盤に2試合出場、リーグ戦計8試合の出場にとどまった。
そういった意味では、チェンバレンのように、色々な所でプレイできるがゆえに、どこか一つのポジションで超一流に向けて成長する機会を得られない、というアーセナルの悲しい便利屋の系譜を継ぐ選手である。
アルテタのコメントを見る限り、なんとなく態度面などが評価されていないような感じはするが、そもそもアルテタがアーセナル監督就任当初右サイドバックとして重用したのがこのナイルズでもあり、なんならトリッキーなドリブラー相手に割と強いので左サイドバックもこなせ、本人希望の中盤(若干技術面で不安はあるかもしれないが)の控えもアーセナルは必要としている、とプロフィール的にはチームには居場所はありそうだ。
ただ、ネルソンと同じく、プレミア経験豊富なイングランド人の若手、契約残り一年なので今年が移籍金を得るなら最後のチャンス、ということで売却となる可能性が高そうだが、ナイルズに関しては何があっても驚かないというか、9/1に平然とチームに居てもそれはそれで驚きではないかもしれない。
ニコラ・ペペ
報道を見る限り、アーセナルは売りたい、ペペは移籍したい、と双方の意向は一致しているにもかかわらず、高額の給与がネックとなって放出がかなり難航しそう、という悲しい状況にあるのがニコラ・ペペだ。
ペペ自身は好不調の波はあるとはいえ悪くない選手だとは思うが、こうなってしまうと流石に残留の可能性は非常に低いと言わざるを得ない。欧州のいくつかのクラブは興味を示しているようだ。
セビージャの地元メディアによると、セビージャに加えてリーズ、マルセイユ、リヨンが二コラ・ペペ獲得に興味を示しているとか。 https://t.co/PKi2YxiswC
— Takuma Yamanaka(山中拓磨) (@gern3137) July 14, 2022
昨季のプレイ機会の状況、そしてこの夏アーセナルがラフィーニャ獲得に動いていたことを鑑みるとどうやら完全にプラン外のようだし、そもそもペペはアルテタ監督就任当初からいつだって100%監督の信頼を得ている、という状況になったことは一度もなかった、と言ってもいいように思う。
移籍が既定路線で、もしかすると買い手の事情次第ではアーセナルはローンでの放出など、金銭面で妥協する必要すら出てくるかもしれない。
無理やり残留に向けての材料になる可能性がなくはない要素を探すとすれば、ペペはプレイ面だけではなく、文化面での適応や英語でのコミュニケーションにかなり苦戦している様子があるので、今季フランス人のサリバが帰ってきたのはもしかするとプラスには働くかもしれない。
ディスカッション
コメント一覧
このような記事は良い企画と思います。
ナイルズについてのみ、コメントします。
彼は出られるならどこでもいい、という態度で常に臨み、貢献してきた。MFしかやりたくない、という言説が出回ったことがあった。後にやんわりと否定した。私が思うに、質問に正直に答えたら、曲解(多分意図的に)されたように見える。彼はチームプレイヤー。誰か知らないが、不当に扱っている人間が内部にいる。
おっしゃるようにツアーに若手が少ないのには驚きました、ローン組の力も借りたい
それだけアルテタにとって勝負の年なのだと実感しました
日程的にもスタートダッシュは十分可能、早めの調整も見えてきます
現時点クラブで戦う意思がないものについても
契約がある以上ゴネ得はムダだとそろそろはっきりさせる必要がある
自分たちの選手なんだという対外的なアピール、それが交渉の第一歩でしょう
それで妥協できなくてもプロとして少なくとも競争はしましょう
そのほうが自分の為にもなる
それこそモーの姿勢そのものです
そういうコミュニケーションの意味合いもあるのでは
唯一ネルソンはジャック同様アカデミーのアイコン
後輩のためにも延長含めて本人が納得いくまで付き合ってあげてもいいのでは