アーセナルがティーレマンスではなくラフィーニャとリサンドロ・マルティネスの獲得を目指している理由?

分析

これまでのアーセナルでは考えられないほど、迅速な夏の移籍市場での立ち回りを見せている今年のアーセナルフロントだが、ファビオ・ビエイラに続いてガブリエル・ジェズスは移籍成立間近、また来週からラフィーニャとリサンドロ・マルティネス獲得に向けて2度目のオファーを用意する、といった流れで動いていくようだ。

一方で、The Athleticがティーレマンスへの興味は一旦保留、ジャカが移籍となる場合は獲得に再び動くかもしれない、と報じていたりなどするなど、ジェズスと並んでこの夏のメインターゲットの一人と目されていたティーレマンスへの興味は少々トーンダウンしているようだ。

これに関して、先日のArsecast Extra内で、The Athleticのアーセナル専門ライターでもあるマクニコラス記者が、クラブからの情報も含め、少し興味深い考察を披露していたので、紹介しようと思う。

まず、マクニコラス記者によると、アーセナルはリサンドロ・マルティネスを左CBの控えとして見ているだけではなく、左サイドバックとして高く評価しているのだそうだ。イメージとしては逆サイドの冨安健洋で、彼と同じように、中央に入って第3のCB、あるいは守備的MFのようにもプレイできる資質が買われているらしい。

当初はリサンドロ・マルティネスの想定ポジションは判然としなかったが、確かに噂されている30-40m€といった移籍金は、絶対的なスタメンのガブリエルが左CBにいる以上、控えに払う金額としては高すぎる(そもそもホールディングもサリバも左CBとしてもプレイできるはずだ)し、その他のポジションでのプレイも想定されているとすればより理解できる。

また、最近はヌーノ・タヴァレスのローン移籍の噂が多く出ており、彼を放出するのであれば、ティアニーの怪我歴を考えればもう一人左サイドバックが必要になるのは間違いないので、アーセナル側がリサンドロ・マルティネスを左サイドバックを務められる選手と見ている可能性はかなり高そうだ。

ここからが興味深い点、かつ、これはクラブからの情報などではなく、マクニコラス記者の推測なのだが、現状パーティ、ジャカ、ウーデゴールという中盤が定番となっているが、もし左サイドバックにより守備力が高く、中央のスペースを埋めてカバーが出来るような選手が居れば、中盤の左側にはジャカに代えて、より攻撃的な選手を起用することが出来るようになるのではないか、アルテタはそれも含めたシステムの変更を考慮しているのではないか、という話だった。

これがラフィーニャ獲得の話と繋がってくるのだが、確かに、ラフィーニャはキャリアを通して右サイドでのプレイが主で、このポジションにはアーセナルの絶対的な主力であるサカが君臨している。ラフィーニャよりはるかに若いにもかかわらず、昨季の11ゴール7アシストという数字はラフィーニャのものを上回っているし、いくら健全な競争がサカにも必要で、スカッドの層を強化する必要があるとはいえ、サカの控えとなることが想定される選手に50m£のような移籍金を支払うのも少々奇妙な話だ。

明確にサカの控え、という立場の選手が必要なのであれば、もう少し若く、ポテンシャルにあふれた若手、といったプロフィールの選手獲得が自然に思われるし、現在サカは契約延長に向けて少々微妙な時期でもあり、逆にラフィーニャ加入の影響で出場機会が減少したりなどすれば、この契約延長交渉に悪影響を与える可能性もある。

したがって、もしかすると、アルテタはサカ、あるいは最近は左サイドでのプレイが主となっているスミスロウあたりの中盤起用も考えているという推測はあながち的外れではないかもしれない。そのために必要なピースとして、ジャカを中盤から外した時でも、中に入って落ち着いて構えられるようなタイプのサイドバックとして起用できそうな、リサンドロ・マルティネスの獲得を検討している可能性がある。

サカは非常に万能な選手で、そのチャンス創出力は中盤でも活きるはずだし、スミスロウの持ち味の前のスペースへの飛び込みも、ラムジーのように、中盤からも発揮できるはずだ。

中盤はラフィーニャ獲得によってウイングに余裕が出来る分、サイドの現有戦力の中盤起用を考慮する、というプランなのであれば一時期あれほど熱烈に獲得に動いていたティーレマンスへの興味がトーンダウンしたのも頷ける。

アーセナルには既に中盤から前線まで幅広くポジションがこなせるファビオ・ビエイラが加わっており、ここにバックラインでユーティリティ性の高いマルティネス、本格派ウイングのラフィーニャが加われば、恐らくフォーメーションの変更も視野に入れつつ、前線は非常に流動的に、様々な組み合わせでアルテタはメンバーをピッチに送り出すことが出来そうだ。

もちろんまだマルティネスとラフィーニャの獲得は決定したわけではないし、来季のフォーメーションや選手起用なども、ふたを開けてみないことにはどうなrかはわからないが、いずれにせよ、来季はワンランクアップしたアーセナルの攻撃が見られることは間違いなさそうだ。どういった形になるにせよ、楽しみに見守りたい。

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Posted by gern3137