ニューカッスル戦振り返り by arseblog

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シーズン開幕時の時点でリーグ5位が今季のアーセナルにとって悪くない結果と思えたかどうかに関係なく、この試合を終えて、大きな落胆を覚えずにいるのは難しい。

トップ4争いに残るためには勝利の必要があったが、アーセナルは勝ち点3を得ることが出来るようなパフォーマンスを見せられなかった。

具体的に何が間違っていたのかを指摘するのは難しい。怪我や不在選手の影響なのか、プレッシャーなのか、それとも監督の戦略なのか。それらすべてが合わさっていたのかもしれない。

試合後、アルテタは以下のようにコメントした。

ニューカッスルが我々より10倍優れていたことに非常に落胆している。彼らは勝つべくして勝利を収めた。我々のパフォーマンスはCLに出場するチームに相応しいものではなかった。

そして、『この試合の低調なパフォーマンスはチームに若手が多いのでプレッシャーに負けてしまったのが原因ではないか?』という問いかけをジャカは否定した。

もしこの試合に出る準備が出来ていない選手がいるのなら、ベンチに、あるいは家にいるべきだ。30歳、35歳、10歳、18歳だろうがそれは関係ないよ。

これを言うのは残念だが、もっとタフな精神力を持たなければならない。この試合が今季最も負けられない一戦となることはわかっていたはずで、このようなパフォーマンスは受け入れがたい。

確かに、これは厳しいコメントだが、私はジャカのこのコメントが自分自身を除外する意図のあるものだとは思わない。

彼とエルネニーはチームの中盤の中心であるとともに最も経験豊富な選手のうちの二人であり、試合を通して二人とも非常におとなしかった。それはジャカ自身もわかっていたはずだろう。

若さではないとすれば、では何が原因だったのだろうか?

それを知るのは難しい。ニューカッスルのパフォーマンスが高かったのはホーム最終戦であり、来季に向けて士気が高まっている状況であることを考えればサプライズだったというわけではないだろう。

だがこれにアーセナルは対処できず、対処するのに必要な落ち着きがなかった。

最終ラインではベン・ホワイトは100%のコンディションではないのは明らかで、ガブリエルも普段よりも低調に見えた。

さらに、アーセナルは試合途中で冨安を怪我で失い、代わりにセドリックを投入せざるを得なかった。これは、安心できるスニーカーを脱いで、不安定なスリッパに履き替えるようなものだ。

その前では、中盤は前にほとんどボールを進められなかった。ウーデゴールは完全に試合から消えていたが、彼にはエルネニーから2本、ジャカから4本しか試合を通してパスが届かなかった。

トーマス・パーティが居ればアーセナルは勝利していたかはわからないが、彼の離脱が非常に痛手となった試合だった。

スミスロウは全く本来の姿ではなかったし、サカとエンケティアも少しだけ見せ場もあったが、個人レベルで11人全員が、そしてチーム全体で見ても残念なパフォーマンスだった。

とはいえ、前半をなんとか0-0で乗り切ったことでチャンスが訪れる可能性はあった。ハーフタイムに修正を施し、後半にはより勢いを増し、一点取れていればその後はどうなっていたかわからない。

もちろん、言うは易く行うは難し、というやつだが。

その後の1失点目に関しては、そもそもタヴァレスのスローはプレミアリーグでは日常的にみられるもので、ファウルスローだったとは思えないし、それよりもその後の守備が問題だった。

セドリックはポジション外につり出され、もしホワイトが本調子であればより素早く対応していただろうが、ハムストリングに不安を抱えていたことが状況判断に影響したのかもしれない。彼は仲で待つことを選択し、最終的にギリギリのところで触れたボールがオウンゴールとなってしまった。

ニューカッスルに脳震盪の交代者が出たことで、アーセナルはこの試合で4人の交代枠を使うことが可能だった。

マルティネッリが登場したが、ヌノ・タヴァレスが下がっており、彼を活かせる位置で起用できなかった。ラカゼットは35分で9回しかボールに触れなかったし、ニコラ・ペペのパフォーマンスは非常に残念だった。

彼が今季ほとんどプレイ機会を得ておらず、コンディションを維持するのが難しいのは承知の上だが、それでももう少しは出来るはずだ。

2失点目に関しては、守備陣の疲れが見えた。セドリックが居たのでウィルソンはオフサイドにならず、ギマランイスが試合を決める得点を挙げた。

正直な所、この試合でアーセナルからは全く得点の可能性が感じられなかった。

私の意見としては、前線で存在感を放てるストライカーの不在が非常に大きなチームの問題だ。

もちろん、パーティとティアニーの離脱、そして冨安の不在も痛手であり、選手層が薄く、主力選手が怪我の不安を抱えた状態でプレイしなくてはならないのもチームには悪影響だ。

だが、なによりも試合に勝つにはゴールが必要で、今のアーセナルにはそれが十分にあるとは言えない。

それは、今年に入って以降のアーセナルの主力アタッカーの得点数を見れば明らかだ。

マルティネッリ: 19試合1得点
スミスロウ: 18試合2得点
ラカゼット: 18試合1得点(PK)
サカ: 20試合6得点
エンケティア: 20試合4得点
ウーデゴール: 22試合3得点

ウーデゴールに関してはFWというよりも中盤の選手という色合いが強いかもしれないが、どちらにせよ、前線の選手がここまで得点が少ないのにアーセナルがトップ4争いに絡めていたのは非常にラッキーだというべきだろう。

この議論をあまり蒸し返したくはないが、やはりオーバメヤンの離脱と退団に伴った穴を1月に埋めなかったのは大きなリスクであり、そしてクラブはこのギャンブルに負けたということになる。

アーセナルが冬の時点でヴラホヴィッチ獲得に動いていたのは、クラブがストライカー獲得の必要性を認識していたことを示している。

確かに、100%確信が持てない選手に大金を費やすべきではない、というのは筋が通っているし、これに関してアーセナルは過去に何度か痛い目も見ている。

だが、補強どころかスカッドの層を薄くしただけで冬の移籍市場を終えてしまったのは残念だった。

オーバメヤンのあけた穴がチームにとって非常に大きな影響を与えたのは間違いない(私個人としては、オーバメヤンを何らかの形で残せていれば自体は変わっていたように思うが、これに関しては違う意見を抱く人もいるだろう)

アルテタ、エドゥ、経営陣は1月に誰も獲得しないというのがギャンブルだとはわかっていたはずで、もちろんそれが失敗に終わった場合の結果を受け入れる覚悟も出来ているだろう(何らかの奇跡が起きなければ、恐らくアーセナルは来季ヨーロッパリーグに出場することになりそうだ)。

確かにアーセナルには改善の兆しが見えており、今季終盤の結果をもって全てを否定するべきではないと思うが、それでもこれは納得のいく結果ではないと感じるファンがいるのも理解できるし、今季がCL出場権を獲得する非常に大きなチャンスだったのは間違いない。

そして、今回の試合の結果ではなく、パフォーマンスを見て疑念がわき、古傷がうずいたアーセナルファンもいるだろう。そこにはあと一歩のところで偉業に迫った英雄たちの姿はなかった。

アーセナルがシーズン最終盤に4位争いに加われるところまで来たことはよくやったとは思うが、我々にはこの戦いを戦い切るだけの力がなかった。精神面だけでなく、スカッドの層の厚さや、選手のクオリティ全体で見てだ。

そして、これこそが来季以降のアルテタとエドゥにとっての課題となるだろう。

今年をアーセナルに訪れた何年かに一度のCL出場の絶好のチャンスととらえる者もいるだろうし、確かにそれはその通りだろう。

だが、今年が唯一のチャンスとは限らないと私は思う。

今のチームとスカッドを夏に強化できれば、来季のヨーロッパリーグでの経験はLに備えるための貴重な機会になるだろうし、今季から若い選手たちは多くを学ぶだろう。

ここまで敗戦が堪えるのは、この試合が重要だったからこそである、というのは留意すべきだろう。もちろん、今日に関してはそれはそこまで大きな慰めにはなってくれないが。

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Posted by gern3137