アーセナルはニコラ・ペペのゼロトップ起用を試すべきか?
コートジボワール代表のAFCON開幕戦では先発を外れたニコラ・ペペだが、それ以降ここまで2得点2アシストと母国を決勝トーナメント進出に導く目覚ましい活躍を見せている。
アルジェリア戦でのケシエへのアシストと個人技での得点は素晴らしく、このトーナメントでのパフォーマンスにファンも注目している。
ラカゼットには疲れが見えるし、オーバメヤンは監督の構想外、エンケティアも力不足で、ヴラホヴィッチも獲得ならずとなれば前線不足のアーセナルファンであればなおさらだ。
新年早々に素晴らしいパフォーマンスを見せたアルテタのアーセナルだが、最近は得点力不足に苦しんでおり、特にバーンリー戦が無得点に終わったのが象徴的だった。
私は試合から家に帰る途中の道で、ペペに思いをはせずにはいられなかった。彼は好調を維持しており、チームに帰ってくれば攻撃面のスパークをもたらしてくれるかもしれない。
復活を遂げたマルティネッリがその座を不動のものにしており、ペペは最近クラブではほとんど出場機会を得られていないが、彼は今の所それに不満を言う様子などは見せていない。
もしかすると、アルテタはペペをゼロトップとして起用することを考慮する余地があるかもしれない。
まずこちらのCoaches Voiceの素晴らしい記事から、そもそも偽9番(ゼロトップ)とはどういったコンセプトで、どのような素質が必要なのかをおさらいしてみよう。
偽9番(ゼロトップ)とは?
偽9番(ゼロトップ)とは、高い位置からボールに向かって繰り返し下りてくるようなプレイを見せるセンターフォワードだ。これの目的は、相手のCBから離れた所でボールを受ける事、そして相手をポジション外につり出して守備を乱すことだ。
もちろんこの役割にはその他に様々な面があるが、ボールを受け取りに低い位置に降りることが主要な要素で、ラカゼットはこれに非常に秀でている。しかし、これ以外の点では、ラカゼットはゼロトップに本当に適している選手ではないかもしれない。
また、ゼロトップを務める選手はユーティリティ性と素早いターン、ドリブル能力、そしてスルーパスを出す能力といったボール保持時のスキルが重要となる。もちろん、相手DFからプレッシャーをかけられた状態での決定力も重要な点の一つだ。低い位置に降りてから再び前線でボールに追いつくプレイが必要になる場面も多いため、ペナルティエリア内に素早いランで走り込み、ダイレクトで得点を上げられるような能力も大切だ。
私にペペがこの役割に適しているのではないかと感じさせたのはこの部分だ。そして、これはラカゼットの弱みでもある。ペペはプレッシャー下での得点力があるし、プレイに追いつくだけのスピードとスタミナもある。
バーンリー戦では、我々のストライカーがボールを受けに降りた際に、ミーあるいはタルコフスキはラカゼットについていこうとはしなかった。ラカゼットには低い位置からシュートやパスでゴールを脅かすすべはないと踏んでいたのだ。
そして、この時マルティネッリはサイドに居て、脅威となれる位置にはいないことが多かった。
もしボールを受けたのがペペで、隙あらばドリブルで仕掛けようとしていたとしたら、バーンリーのCB達は彼についてポジションを離れていただろう。彼らはペナルティエリア外からでもペペがドリブルやシュートで危険を生み出す存在だと知っているからだ。
もしアーセナルがこの冬ストライカーを獲得できず、かつアルテタにオーバメヤンをチームに戻隙がないのであれば、ニコラ・ペペの中央で機の起用は試してみる価値はあるだろう。
ペペはもうアーセナルに将来がないことが濃厚なラカゼットとエンケティアよりも長く契約が残っており、自身の価値を示す必要もある。
ゼロトップが上手く機能するためには、トップがスペースを空けた所にサイドの選手が中央にタイミングよく侵入し、ボールを受けて前を向く必要があるが、マルティネッリ、サカ、スミスロウといった選手たちはいい位置に入れれば、この役割をこなせると証明されている。
もしエドゥとアルテタがこの冬4-2-31にフィットするような本格派のストライカーを獲得できなければ、ゼロトップ起用も考慮するかもしれない。
以前アルテタはこれをウィリアンで試したことがあるが、より自信を持ち、活力もあるペペの方がこれに適した候補者だろう。
確かにペペは大外でボールを持った際にはファンをいらだたせるようなプレイを見せることもあったが、中央で、ドリブルを仕掛けられる、あるいはシュートを打てるような位置でボールを持った際は話は別だ。
もしかすると、アルテタはこれを彼のフルタイムの仕事として与えることを考えてもいいかもしれない。
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コメント一覧
はじめコメントさせていただきます。ゼロトップに必要なことは、ここに書かれていることもそうですが、狭いエリアで顔を上げながらボールをキープし、適切にパスを散らせることだと思います。ぺぺの場合はスペースがあるエリアでパワーでドリブルしていくタイプなので、あまり向いているように思えません。単に降りてくるだけではなく、そのタイミングが重要だけれど、ぺぺにそこまでの知性を求めるのも酷な気もする。AFCONでのプレーは特にアーセナルのときと変わらず、一貫性はないけどポイントで輝くといいった感じでした。昨シーズン終盤に点は取っているけど、はたして彼がいることで逆に苦労してないか?、というのと同じ。ゼロトップをやらせるのならサカやスミス郎の方がうまくこなせる気がします。ちなみに個人的には、ラカゼットは世界でも指折りの質でゼロトップを務めている選手だと思います。もっと評価されていい。
上の方が言ってる通り。ぺぺをCFで、とは誰もが一度は考えたことがあるだろうが、フォルス9で、なんて考える人は正気を疑うだろう。ぺぺは良くも悪くハイリスクハイリターンなドリブラー。オナドリ大好きぺぺが下がってボール受けて低い位置で奪われてショートカウンターなんて嫌でも想像できる。
なんでまたこんな記事を……
ぺぺはゼロトップというより、アンリやファン・ペルシーみたいな「プレーエリアの広いセンターフォワード」の方が向いているように感じます。
問題はあのスタイルが現代サッカーに通用するのか、という点ですが…。