冨安健洋の代役に最適なのはベン・ホワイトである

分析海外記事

この数年間、ヘクター・ベジェリンがACLの怪我で離脱して以来、右サイドバックのポジションはずっとアーセナルの補強ポイントとなっていた。

その後クラブはチェンバースやセドリックといった選手でその穴を埋めようと試みた。この二人は散発的に良いプレイを見せることはあったものの、いくつか欠点を抱えており、チェンバースは攻撃面での攻撃が少なく、逆にセドリックは守備面で苦戦することが多かった。

ベジェリンが怪我から復帰した後は、彼がかつての姿に戻ってくれるのではないかという期待もあった。ACLから完全に復帰するには時間がかかるものだが、18か月以上たっても、彼のスピードは戻ることがなく、かつてのように危機をその持ち前のスピードで回避することは出来なくなっていた。

昨季の終盤の時点でベジェリンはメンバーを外れることが増え、退団が濃厚になっていった。

だがそこに現れたのが冨安健洋で、アーセナルは移籍市場最終盤で彼の獲得に動いた。彼はボローニャ時代に右サイドバックとCB両方を務め、日本代表としてもCBでプレイしたユーティリティ性のある選手だ。また、若いながらも代表経験も豊富で、彼のリーダーシップとメンタリティのすばらしさを示していた。

さらに、彼は逆足も遜色なく用いることができ、このおかげで多彩なポジションでプレイ可能なだけではなく、ビルドアップへの貢献も大きい選手だ。

イングランドではそこまでよく知られていた選手というわけではなかったが、新たな右サイドバックということもあってかなりファンからの期待は大きかったが、彼は獲得時のファンの期待を遥かに上回る活躍を見せている。

彼は冷静で、信頼でき、リーダーシップと高い技術を併せ持っており、右サイドを安定させることに成功した。何物にも突破を許さず、ニューカッスル戦ではサン=マクシマンを逆サイドに追いやったことはあった。

しかし、ここで問題となるのは、冨安が不動のスタメンとなったことでインテンシティの高いプレミアリーグで出場分数が非常に多くなっていることだ。

彼は最近何試合か欠場があり、今のチームには彼の控えを安心して任せられる人材がいないように見えるが、解決策は冨安が最初に欠場したノリッジ戦で示されたように思える。

この試合でミケル・アルテタはホールディングを右CBとして起用し、右サイドバックにはベン・ホワイトを起用した。

ホワイトは過去に右サイドバックや右ウイングバックとしてプレイをした経験があるし、このポジションを全く問題なく務めて見せた。

これはCBでプレイしているときも見られるが、ボールをもって前へと上がるのもお手の物だし、攻撃時のパスの受け手となることもできる。過小評価されがちだが彼はスピードもあるし、右サイドの守備に穴を開けることもなかった。

ノリッジが相手だったとはいえ、この試合のベン・ホワイトのパフォーマンスは素晴らしいものだったし、ホールディングとのコミュニケーションも良くとれいてた。

もちろんホールディングの右CB起用というのは長期的な解決策にはならないかもしれないが、来季ウィリアム・サリバがクラブに考えってくることを考慮に入れると、これは非常に興味深い案になる。

サリバが来季いきなりCBとして先発の座を勝ち取るかはわからないが、このままアーセナルが欧州コンペティションの出場権を手に入れれば、試合数は増え、ある程度ローテーションの必要性も生まれるだろう。

何らかの理由で冨安を欠く、あるいは休ませる必要がある場合は、サリバを右CB、ホワイトを右サイドバックで起用するというのは解決策となるかもしれない。

ベン・ホワイトがこれまで非常に怪我が少ない選手であるというのも頼もしい。アーセナルは今すぐベテラン右サイドバックに高額の給与を払って獲得せずとも、より将来を見据えた若い右サイドバックを狙うという手もあるかもしれない。その間にユースから誰かが出てくるという可能性もある。

冨安の代役としてホワイトを起用する形はアルテタに既存のプレイのスタイルを維持することを可能にするだろうし、また、冨安へのプレッシャーの緩和にもなるだろう。

ベン・ホワイトはこのような点から見ても、大いにその移籍金を支払う価値がある獲得だったと言えそうだ。

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Posted by gern3137