成長を続けるエミール・スミスロウ 前編
サッカーファンの一番の喜びの一つは、クラブのアカデミーから若手が台頭し、ファーストチームでスターになるのを見守ることだろう。
移籍による選手獲得というのは現代のサッカーファンを最も喜ばせるものではあるが、高額の選手獲得と同じくらい、ユース卒の選手の台頭というのにもファンは興奮するものだ。
高額の選手獲得とユースからの選手の昇格というのは、ファン心理の同じところを刺激する部分がある。より良い将来への期待だ。だが、ユース選手はそれをよりロマンチックな形で行う。
最近のアーセナルにはガブリエル、パーティ、ベン・ホワイト、ウーデゴール、ロコンガ、ラムズデール、冨安健洋といった選手たちが加わり、大きな変革を遂げているが、アーセナルに最も大きな変化をもたらしたのはブカヨ・サカとエミール・スミスロウのヘイル・エンド卒の二人だ。
彼らがそれぞれ7番と10番をつけているというのは非常に大きな意味を持つ。
サカは2019/20シーズンに台頭し、新契約と新しい背番号を2020年の夏に勝ち取った。その一年後に全く同じよう流れでスミスロウも新たな背番号を勝ち取っている。
実際にはスミスロウがトップチームデビューを果たしたのは18/19シーズンで、ヨーロッパリーグでゴールを決めたりもしているのだが、その後のライプツィヒへのローンは怪我の影響でうまくいかなかった。
そこからスミスロウは去年のクリスマスのチェルシー戦での3-1の勝利に貢献し、アーセナルの運命を変え、そこから成長を続けている。
新契約と共に象徴的な番号である10番をつけることになったわけだが、これに関してアルテタは『我々はこれについて議論をしたがエミールはこの番号をつけることの重みを知っているよ。彼はその準備が出来ていると感じているし、そうなのであれば、私は彼の望みをできるだけ優先し、応援してあげようと思ったのさ』と語った。
新契約を結んでからアルテタがスミスロウについて話をするときのトーンはあふれるような賞賛から、どうやってよりよくなり、自分自身に高い要求を課すかにシフトしているように見える。
スミスロウが得点を挙げ、マンオブザマッチに選ばれたアストン・ヴィラ戦後にアルテタは『これは継続していくべきで、スミスロウにはそれをできるだけの能力があるのだから、常にこの水準を自分に要求していかなくてはならない。彼が得点力に磨きをかけていることを私は喜んでいる。もちろん他にもまだまだ成長の余地はあるね。最近は彼は少し習慣を変えて、ライフスタイルも変わっている。』
アルテタはスミスロウに対して飴だけではなく鞭も使っていくことにしたようだが、今の所このアプローチはうまくいっている。
スミスロウは今季選手としての階段を一歩上がり、それはプレイを見ていれば明らかだ。2021/22シーズン分のサンプル数はまだ少ないものの、彼のプレイの重要な違いはデータ(以下のデータはプレミアリーグに限る)にも表れている。特にファイナルサードでそれは顕著だ。
(後編へ続きます):
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