ブカヨ・サカは常に右サイドで起用し続けるべきである
アーセナルが再び成功を収めるうえで、最も重要な選手は誰かという問いに対して、ブカヨ・サカ以上に重要な選手を考えるのは難しい。
もしかすると、ベン・ホワイトやウーデゴールが活躍できないという事態になれば、よりクラブは苦しむことになる可能性はあるが、サカが今のアーセナルの顔であることは間違いない。
彼はゴールデンボーイ候補や、若手選手賞候補にノミネートされていて、これからさらに成長を続けてくれるだろう。
アーセナルファンがアーセナルのベストイレブンを選ぶ際に、そこにサカの名がないことは非常に珍しいはずだ。
実際に、カップ戦であったり、代表選の直後であったりしない限りはほぼ先発に名を連ねてきたが、興味深いのは、左右両サイドを行ったり来たりしているという点だ。
前線ではペペやマルティネッリ、スミスロウといった選手がおり、彼らもまた、クラブの長期的な将来において重要な選手だ。
このせいで、サカはある種のジレンマと言える状況に陥っているが、今回は、スタッツで見ながらサカの左右のプレイを比較してみようと思う。
まずスタート地点としてレーダーチャートを見てみよう。明確にポジションを分けるのは難しいのだが、試合中のポジションチェンジは考慮せず、プレミアリーグの試合に関して主に右サイドでプレイした約1300分と主に左でプレイした879分を比較してみた。
いくつか目立つ点がある。
ゴールスコアラーとしてのサカ
サカにどのような役割を求めたいか次第ではあるが、昨季と今季を合わせて、サカはプレミアリーグで6ゴールを上げており、このうち5ゴールは彼が右サイドで先発、あるいは主に右サイドでプレイした試合で生まれたものだった。
左サイドでプレイして得点を上げたのはホームのシェフィールド戦のみで、この時はアーセナルは4-3-3でサカは前線ではなく中盤の一人だった。
これはゴールあたりの分数で見ると、右サイドの場合270分当たり1点、左の場合は900分当たり1点ということになる。
270分あたり1点というのはそこまで素晴らしいものではないが、もしこの割合で30試合ずっと続けられれば10点ということになり、悪い数字ではない。
ペペが10点を挙げるのに1800分かかっていることを考えれば、そこまでウイングとして見劣りする得点数ではない。
ただし、サカが左で点を上げられないのは、チャンス数が少ないからというわけではない。両サイドでのサカのxGを比較してみると、左の90分当たり0.25という数字に対して右では0.28とそこまで変わらず、シュート数はむしろ左サイドの時の方が多い。
ただし、右サイドからのシュートは39.4%を枠内に飛ばしているのに対して、左サイドでプレイした時には28%し枠内シュート率がない。
クリエイターとしてのサカ
チャンス創出に関して言うと、サカは右でのプレイ時と左でのプレイ時で、得点力ほどの差はない。
右サイドでは90分当たり4.11回のシュート創出アクションを記録している一方で、左の場合は3.9回だ。これはプレミアリーグ全体で見てもかなり高い水準だと言える。
上のグラフが示している通り、左右どちらのサイドでプレイするかに関係なく、サカのチャンス創出は比較的波がある。
ただし、サカのシュート創出アクションが多かった(5度以上)だった試合は左が2試合だったのに対し、右は5試合ある。
さらに、アシスト期待値の数字はより非対称だ。
左サイドでプレイした時の合計のxAは1で90分当たり0.1だが、右サイドでは3.3、90分当たり0.23と大きく上回っている。
数は少ないもののアシスト数も傾向は同じで、プレミアリーグでの4つのアシストのうち3つは右サイドから生まれ、残りの一つは彼が左サイドバックとしてプレイしていた時のものだった。
サカの守備
さて、こちらの数字は今まであまり語られることがなかったものかもしれない。サカの守備のスタッツについてだ。
これらは総合的に見てあまりいいものだとは言えないが、それでも左右の違いは衝撃的だ。
左サイドでプレイした場合は90分あたり3.38回のプレス成功、インターセプトとタックル数は90分当たり1.43だ。
しかし、右サイドでは成功プレス数は5回となっており、タックルとインターセプトも2.67と倍近い。
かなり大きな違いで、もちろん、これはサカにメインで期待することではないかもしれないが、それでも左右でここまで大きな差があるというのは興味深い。
対戦相手による違いは?
これらのスタッツを見るにあたって、サカがそれぞれのサイドでプレイした際の対戦相手も考慮すべきだろう。もしかすると、単に強敵相手ではペペが右で起用されることが多く、格上の試合でサカが左でプレイすることが多かった、という可能性もあるからだ。
だが実際に見てみると、サカがプレイしたのは
左: シティ、チェルシー、レスター、ウルブズ、ウエストハム、ブライトン、ブレントフォード、バーンリー×2、リーズ、ノリッジ、クリスタル・パレス
右: シティ、チェルシー、スパーズ×2、ブライトン×2、ウルブズ、ヴィラ、リーズ、バーンリー、エヴァートン、ウエストブロム、クリスタル・パレス、ニューカッスル、フラム、サウサンプトン
対戦相手のクオリティに、特段の差があるようには見えない。
まとめ
サカが右サイドでプレイした時と左サイドでプレイした時のクオリティにはかなり差があるように見える。サカのクラブでの立場、そしてクラブの将来における重要性、左サイドにはほかにもオプションが揃っていることを考えると、サカはずっと右サイドで起用し続けるべきではないだろうか。
チームの鍵となる選手のベストポジションを認識し、それに合わせて起用すべきだ。
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コメント一覧
テロにあった選手に対し、あまりにもむごい。励ましなのかもしれないが。サッカーがゲームとして成立するかというときに。ケィヒルに殺されかけた人は引退した。コロナ感染者の増え方を見ても、何かが壊れてる様にしか見えない。此処が正念場。アーセナルファンは力を合わせ、英国に疑問を提示すべきと思います。