アーセナルのスカッドの刷新はまだ終わっていない 後編
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今季アーセナルは欧州コンペティション出場権がなく、ローンに出ている選手たちを除いて、これらの選手たちの出場機会は限られるに違いない。
これにより、来夏チェンバース、メイトランド=ナイルズ、そしてレノですらも売却の難易度が上がってしまうかもしれない。
COVIDの影響を受けた市場では、ホームグロウンのステータスを持つ選手ですら売却が難しい可能性があるというのが明らかになっているが、これに関しては、もはやそこまでアルテタの関心事ではない、というのも言える。
契約満了が濃厚なエルネニーやラカゼット、エンケティア、コラシナツといった選手たちに出場機会を与える事によって得られるメリットは特に何もない。
唯一心配しなくてはならない点としては、出場機会を得られた選手がチームの輪を乱すような行動に出ないようにだけはしなくてはならない、ということくらいだが、こういった行為は基本的に彼らが移籍を望む際に起こるものだ。
既にフリーでの放出が既定路線の選手が規律を乱すような行為に出て、自身の市場価値を下げるような真似に打って出る可能性はそこまでないだろう。
そういった意味では、アルテタはついに来夏以降、誰の機嫌を伺う必要はなく、本当に自身の起用したい選手だけを起用し、チームでの序列を明確にできるという意味では、ある種解放されたように感じているかもしれない。
もちろん、ほんの少しだけの例外はあり、その一人がガブリエル・マルティネッリだ。
彼は恐らくチャンスがあるのであればアルテタが出場機会を与えることを望んでいるものの、欧州コンペティション出場権がないことによりそれが難しくなっている数少ない若手の一人で、もしアーセナルが今季EL出場権を得ていれば、彼は予選で先発を果たしていたことだろう。
ロコンガも似た立場にいるが、彼はまだ今季クラブにやってきたばかりで、ジャカの後継者としての機会が訪れるのを待つだけの忍耐は備えているはずだ。
マルティネッリは今季アーセナル3シーズン目で、既にトップチームでプレイできるだけの実力があると感じさせながらも、より定期的に出場機会を得て粗削りな部分を改善しなくてはならないというステージにいる。
マルティネッリにとって障害となっているのは、サカとスミスロウという二人の若手が急速に台頭したことだけではなく、アーセナルの攻撃陣には既にオーバメヤンとペペがいることだ。
彼らは二人ともそこまでビルドアップに絡まないものの、フィニッシャー/プレイの最終局面で貢献するという点で似ており、このタイプの選手を、マルティネッリも含め一気に3人起用するのは無理だ。
現実的に考えてマルティネッリは、ペペあるいはオーバメヤンがチームを去る、あるいは怪我などで出場機会を得るまで待つ必要がある。
だが、マルティネッリを除けば、アルテタはローテーション要員の選手たちにそこまで気を使う必要はないだろう。
もちろんそれは彼らを完全にほったらかしでもいいという意味ではない。今季末までのどこかでアルテタがラカゼットやチェンバース、レノといった選手の力を借りなくてはならない場面は出現するはずで、彼らのコンディションとメンタル面をある程度は維持しなくてはならない。
とはいえ、彼らのメインのモチベーションはアルテタのプロジェクトの一員となることではなく、契約満了後に他クラブで良い条件での契約を勝ち取ることになるだろう。
この夏アーセナルの獲得は若手が多かったものの、その多くは今季のスタメンに食い込む選手たちだった。来夏はタヴァレスのように、スカッドに厚みをもたらせる選手の獲得がメインとなるのではないだろうか。
もしかすると、この1年の間に次世代のウィロックやナイルズ、ネルソンのような選手たちがユースアカデミーから現れ、ローテーション要員の座を勝ち取ってくれる可能性もある。
どちらにせよ、来夏もアーセナルのスカッドの大幅刷新は続くことだろう。
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