冨安の獲得はアーセナルのシステム変更を意味するか? 前編
右サイドバックの獲得はアーセナルの継続課題とはなっていたが、ベジェリンのベティス移籍が決まったと同時に動きは加速し、冨安の獲得が移籍市場最終日に発表された。
冨安健洋とは?
22歳の冨安はセリエAのボローニャから移籍し、そのユーティリティ性でよく知られている。特に戦術理解の高さ、両利き性、デュエルの強さに秀でている。
体格やスタッツ的には若干カラム・チェンバースと似ているといえなくもないが、冨安とチェンバースが似ているというのはあまりフェアではないだろう。
共通点としてはCBとサイドバック両方でプレイできるという点と、サイドバックとしては長身であるという点くらいで、それ以外はこの二人は全く異なる。
冨安の方がより敏捷で狭いスペースでもプレイできるし、一対一での突破も得意だ。深い位置からのプログレッシブパスもチェンバースよりも多く、一対一の守備にも強い。
一方で、ファイナルサードでのクロスからのチャンス創出という点ではチェンバースの方が得意だ。
冨安のアーセナルでのポジションは?
ボローニャでの60試合のセリエAでの出場で冨安は4バックのすべてのポジションでプレイ経験があるは、右CBと右サイドバックが中心だった。
2019/20シーズンは右サイドバックを主に務めたが、この際はかなり中寄りでプレイすることが多かった。
2020/21シーズンは当初は左CBとしてプレイしていたものの、その後年明けとともに右サイドバックとして再びプレイすることになった。
恐らくアルテタは冨安を現システムの理想的な右サイドバックと見ているのではないだろうか。ボール保持時には3バックになってビルドアップを行い、非ボール保持時には4バックになる形だ。
ベン・ホワイトへの影響は?
ベン・ホワイトはグレアム・ポッターのブライトンでほぼ常に3バックの右CBとしてプレイしていた。したがって、アルテタが何らかの形で3バックを含むようなシステムを採用する場合、この右CBのポジションをホワイトが務めるのではないかと思うのが普通だが、そうとも限らないかもしれない。
19/20シーズンにビエルサのリーズ時代は、4バックでクーパーとコンビを組んでより深い位置からのボール配給を行うプレイを見せていた。
この時代のホワイトはロングボール成功数と成功率両方でブライトン時代を上回っていた。
ホワイトよりも長身の冨安とガブリエルという二人の選手を両脇におけば、ホワイトが空中戦で孤立するような状況を防ぐのは容易になるし、中央からスリーバックの最終ラインを離れて上がっていき、彼のドリブルとパスレンジを活かすような形を作れるかもしれない。
イメージとしては2016/17シーズンのチェルシーのコンテの3バックでダビド・ルイスが中央を務めたような形だろうか。
(後半に続きます)
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