アーセナルの今季を四分割して振り返る② クロスに頼るしかなかった7戦勝ちなしのクリスマス前
その1はこちら:
シーズン序盤は、確かにアーセナルはチャンスをあまり作れていなかったとはいえ、少ないチャンスの中多少の幸運も手伝って試合をリードすることも出来ていたし、それなりの成績を収めていた。
だが、この後アーセナルにとってすべては上手くいかなくなる隔週でレッドカードをもらい、対戦相手が悪くないチャンスを決めはじめ、そしてアーセナルは自分たちのチャンスを外し始める。
この1か月間以上の期間に渡って、アーセナルはリーグワースト2位の成績で、この時期得た勝ち点がアーセナルより少なかったのはシェフィールドユナイテッド1チームのみだった。
アーセナルはたった3得点しかできず、レッドカードは3枚、5敗を喫し獲得した勝ち点は2、一勝も出来なかった。
確かに、バーンリー戦でのオウンゴールや、タイミングの悪いセインツ戦のレッドカード、スパーズが最初の枠内シュート2本で2得点を挙げたことなど、多少の不運はあったが、それらがいいわけになるようなパフォーマンスではなかった。
アーセナルは全く持ってハイクオリティなチャンスを作ることが出来ず、チームは硬直しすぎていた。
相手チームを引き延ばし、DFを動かすために必要な中央でプレイする選手がこの頃のアーセナルに全くおらず、これは0-0の時点でも問題だが、アーセナルがビハインドで過ごす時間が長いことによってさらに顕在化した。
このような状況では、相手チームは単に中央に人数をかけてしまえば簡単に守ることが出来、アーセナルはそれはがすような流動的な動きが全くなかった。
相手チームが判断を間ような場面は生まれず、ただ守備の配置に立って動かないでいるだけで安心して守って居られた。
アーセナルに対して守備をするのは非常に簡単になってしまい、ガナーズは頻繁にフラストレーションがたまった様子を見せるようになった。
前線は確かに幅は取っていたが、完全に動きがなく、裏への走りなどで相手守備陣を引き延ばそうとする選手がいなかった。相手DFを引き連れて後ろに下がるようなプレイもなかったし、相手の間のスペースに立って、どちらがマークにつくのか迷わせる、などといったプレイも見られなかった。
これがアーセナルの当たり前になってしまった。
アーセナルのCMFはサイドが開くことが多く、これにより、サイドで数的有利を作ろうという狙いだったのだろう。だが、これが成功したとしても、到着点はクロスにはあまり良くない場所に過ぎず、ここから相手のDF達が多く待ち構えるエリアにボールを放り込むことくらいしかできなかった。
オーバメヤンが中央で良い走りを見せた時でさえも(実際のところ、彼はかなり頻繁にこういった走りを見せていた)誰も彼にパスを出せなかった。
オーバメヤンの得点欠乏症はアーセナルの攻撃の不調の原因ではなく、アーセナルの攻撃の不調の結果だった。彼の動きは全盛期と大きく変わっていない。ただ、そこにボールが出なかったのだ。
この期間中にアーセナルのクロス数が大幅に増えたのは驚きではない。
中央での創造性を欠くチームというのはクロスを上げるしかなくなるもので、まさにこれがアーセナルで起こっていたことだった。中央に存在感がないアーセナルはサイドに簡単に追いやられ、そして、チームに備えたFWに合わないタイプのクロスを放り込まされ続けた。相手DFにとって非常に対処が簡単なボールだった。
今季アーセナルがプレミアリーグ1試合で20本以上のクロスを上げたのは6試合だけだが、このうちの4試合はこの7戦無勝期間中のものだった。
さらに悪いことに、攻撃の不調により、勝ち点を落とせない試合が増えたことで選手たちが焦ってしまったのか、チームは何度も単純なミスを繰り返し、それが試合結果に悪影響を及ぼした。
リーズ戦でペペは冷静さを失い、ジャカもバーンリー戦で同じことをした。オーバメヤンもオウンゴールを献上し、その3日後にガブリエルは2枚のイエローカードをもらった。
これがアーセナルとアルテタにとって最悪の時期だったかはもちろんまだわからないが、このような状況でアルテタは解任されていたとしても文句は言えなかっただろう。
クリスマスの時点で順位は15位、降格圏から勝ち点4しか差はなかったのだから。
ファンは真剣に1976年以来12位より低い順位でシーズンを終えたことがない自分たちのクラブの降格争いの可能性について話し始め、監督はギリギリのところでしがみついてた。
(③若手の台頭に続きます)
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