スーパーリーグの崩壊とクロエンケが焼け野原にした北ロンドン 後編

語ってみたarseblog,海外記事

前編はこちら

ここまで続いてきたファンとオーナーの友好的とは言えない関係が、今回の件で完全に壊れてしまったのは明らかだ。

確かに、最近はもう少し上層部とファンとのコミュニケーションを増やそうという意図が見えたのは認める。それに少し心動かされたファンもいたかもしれない。

だが今はどうだろう今回のこの背信と自滅の後で我々はどこに向かうのだろう?

金曜日のエヴァートン戦の前には抗議デモが予定されているし、#kroenkeoutのハッシュタグはトレンドとなっている。

我々ファンと同じくアーセナルを愛しているイアン・ライトもこの姿勢を明確に表明した。このせいでもしかすると今後、彼をアーセナル公式のメディアで見かけることはもうなくなってしまうかもしれない。

正直に言おう、私は心配だ。

特にアーセナルの声明の中の『スーパーリーグはクラブを守るための試みだった』という部分が気にかかる。

まるでこれは、アーセナルが上手くいかなくても、ほらな、だから言っただろう?と言い訳できるように、と言わんばかりだ。

我々はオーナーがファンのことをいかに気にかけていないか目撃した。今回は、さすがの彼らも世界中のアーセナルファンとサッカーファンを無視することはできなかったが、より小規模な(彼らにとっては、ということだが)問題に関してはどうだろう。もしかすると、ある種の仕返しに出ることすら考えられる。

夏にアーセナルには補強が必要だ。だが、KSEはどうするだろうか?彼らは何を望んでいるだろうか?

もちろん、これまでだって彼らがアーセナルの成績をそこまで気にしていたとは思わないが、このような形で民衆にしっぺ返しを食らった億万長者がこのことをすぐに忘れるとは思えない。

もちろんこれは私のただの杞憂かもしれないが、スーパーリーグはファンとクラブ/オーナーの間に修復可能な亀裂を入れ、もしかすると、今後長くに渡ってオーナーとファンの闘争のようなものが続いていく事態になってしまうかもしれない。

大きな問題は、私はまだその段階には至っていないと思うが、もしクロエンケがアーセナルを売却しようとしたとしても、クラブの市場価値が高すぎ、どちらにしろ国家がバックについている会社か、独裁者的な社長、あるいはそうでないとしても何らかの形での億万長者にしか買い取れないという点だ。

このような候補者の中から、アーセナルが人格的にまともな人物、あるいはサッカークラブに好意的で善意を持つような人物を引き当てる可能性は非常に低い。

もちろん、これはプレミアリーグのほとんどのクラブにとっての現実ではあるのだが。

もしかして、そもそもクラブのオーナーシップに関する制度を変えることを考え始めるべきだろうか?

答えは恐らくイエスだ。

このような事態が選手と監督に与える影響も心配だ。

もちろん彼らのプロフェッショナルな姿勢に疑いはないが、今アーセナルにとって最も重要なのはヨーロッパリーグ、という状態で、欧州コンペティションの行方がかかった騒動が彼らに影響を与えないはずがない。

選手と監督もまた、このことを知らされておらず、オーナーから全く持って軽んじられていたのだから。

KSEの臆病者たちがアメリカでサッカーを破壊する計画を練る間に選手と監督や他のスタッフが事態が不透明な中矢面に立たされることとなってしまった。

恐らく、スーパーリーグ構想に関して重要なのは以下の点だ。

確かに、我々はこの酷いプランを回避することに成功した。だが、このような事態に陥ったのには理由があるのだ。

そろそろサッカーに関わる全員が、どのようにこのスポーツを運営していくべきか考えなくてはならない。現状のサッカー界の統治体制は時代遅れどころか腐敗している。

彼らとTV局は『スーパーリーグが実現したらファンはどうなる?』と叫んでいたが、彼らが心配していたのはファンではないだろう。

彼らはサッカークラブと観衆から甘い蜜を搾り取れなくなることを心配しただけだ。もちろん、TV番組などに登場し今週意見を発表した人物たちが嘘をついていたとは思えないが、彼らもまた、自分達が内部で何を変えることが出来るかも考えるべきだろう。

ここからサッカー界がどこに向かうのか、私にはわからない。

これは序章に過ぎないのか?単にどこまで踏み込めるのか観測気球を上げてみただけなのだろうか?

今後これをベースにプランを練り、違うフォーマットで実現が目指されるのだろうか?

だが、これが初めてではないが、今回の騒動で、サッカーファンが一つに団結すれば、その力は自分たちで思っているよりも大きいものだという事が示された。

本当に重要な件に関して、我々が仲間割れをやめ、協力すれば、流れを変えることが出来るのだ。

サポーターグループなどに加入するのは一つの手だ。加入しなくとももちろんファンのコミュニティの一員ではあるが、手を取り合えばもっと大きなことが出来る。

イングランドの貪欲なオーナーたちはヨーロッパの同類たちと結託して、我々にサッカーのためだと嘘をつき、白昼堂々と我々から愛するスポーツを奪い取ろうとしたのだ。

彼らは全ての叱責と批判に値する。かれらが表舞台に顔を出せば侮蔑の視線を浴びせられるべきだ。

だが、我々はここでただ座って勝利したと喜んでいるわけにはいかない。まだまだ小競り合いにかっただけだ。

このような事態に至った背景を我々は忘れてはいけない。これに対処しなければ、同じようなことが将来股起こるだろう。

『誰であり、何であり、何を代表しているのかを忘れるな』

アーセナルファンはまさしくこの通りに行動してみせたのだ。皆、よくやった。

一方で、サッカークラブのオーナー達もまた彼らが誰であり、何であり、何を代表するのかを示した。そして、それは絶対に我々が本当に愛してやまないこのクラブとは相反する小野だった。

彼らは我々の心に決して消えないかもしれない傷を残したのだ。

クロエンケアウト。

source(当該サイトの許可を得て翻訳しています):

関連記事(広告含む)

Posted by gern3137