Orbinho氏の見るアルテタアーセナルの課題とその改善状況 後編
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失点期待値の多さ
直近の2シーズンでアーセナルの失点が減っていることに騙されてはいけない。失点期待値で見ると56と特によくなってはおらず、GKの奮闘と幸運が重なっただけかもしれないのだから。特にアルテタ監督就任後は失点期待値31.2に対して実失点21とかなりの乖離がある。
今季のアーセナルの失点期待値は9.4で、実際の失点は10なので特に幸運だったり不運だったり、というわけではない。最近のアーセナルはxGと比較して実際の結果が悪い試合が目立ち、例外はユナイテッド戦と開幕戦のフラム戦くらいだ。
失点数と併せて、まだまだ改善の余地はある。
セットプレイの守備の強化
アーセナルの昨季の失点のうちなんと45.8%がセットプレイだった。比較対象の例としては、エヴァートンはアーセナルより失点数が多いがセットプレイからの失点は34%だった。
アーセナルは今季ここまでまだセットプレイから1失点もしていない。これは理論上は良いことかもしれないが、逆に言えば10失点すべてがオープンプレイからのものである、ということだ。これはリーグワースト4位となっている。
とはいえ、現在プレミアリーグでセットプレイからまだ一失点もしていないのはアーセナルのみだ。これはポジティブな点だといえる。
ボール保持
よりボール保持率を高める必要がある。我々はゴールに迫ることに直結しないベンゲル時代のボール保持を嫌ったかもしれないが、昨季ガナーズのボール保持率は急落した。
ベンゲル時代は平均して60%程度を保てていたが、昨季の保持率は54%だった。
今季ここまでのアーセナルのボール保持率が52%だと聞くとまだまだ苦戦しているようだが、これはシティ戦、ユナイテッド戦、そして34%鹿ボールを保持できなかったリバプール戦の影響が大きい。
チームのボール保持時の落ち着きには改善がみられるが、そのボール保持をより攻撃的なポジションに移すことにはつなげられていない。
全体的には改善傾向だが、この点はまだまだ改善の余地がある。
特定選手の得点に依存しない
絶対的な人数で言うと昨季の17人の得点者というのは非常に多かったが、プレミアリーグで3点以上上げた選手はたったの4人のみでこれは93/94シーズン以来最低の記録だ。17/18シーズンは10人の選手が3得点以上を挙げたし、18/19人も8人の選手がいた。
今季アーセナルでは6人の異なる選手がプレミアリーグで得点している。だが問題は、そのうちの4人が1得点しかしていない、ということだ。
オーバメヤンが得点できないとアーセナルの攻撃が鈍らであるというのは変わっていない。ラカゼットは6試合で9本しかシュートを打てておらず、オーバメヤンは8試合で10本だ。
例えばケインは8試合で38本のシュートを放ており、今季オーバメヤン以上にシュートが多い選手は47人もいる。
アーセナルでシュートが最も多いサカですら12本で、これがアーセナルの攻撃面での迫力のなさの主要な要因だ。最重要課題の一つとなっている。
その他興味深い点
・過去の33試合でアーセナルは3試合しか引き分けがない。そのうちの2つはカップ戦でのPK戦なので、実質的には1試合しか引き分けがなかったということだ。アーセナルの直近の12試合は一点差で決着がついており非常にタイトな試合が多い。
今季アマゾンは我々の"All or Nothing"を撮影しているのだろうか?
・ハリー・マグワイア(11)がなんとオーバメヤン(10)とラカゼット(9)よりも多くのシュート数を記録している。
・ホームで二敗しているにもかかわらず、昨季の同じ対戦相手との試合と比較して2勝ち点が多い
・ミケル・アルテタのイングランド人監督相手の勝率は31%なのに対し、外国人監督相手の試合では60%の勝率を記録している。
・アーセナルの今季ここまでの自ペナルティエリア内で632タッチというのはプレミアリーグ最多
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