アルテタが越えなくてはならないハードル 後編

分析Tim Stillman,海外記事

前編はこちら:

お互いの相性があまり良くないにしても、アルテタは豪華な攻撃陣を抱えていることは事実だ。さらにここに若いマルティネッリとブカヨ・サカもいるのだから。

逆に中盤と守備陣はバランスを欠いているというよりも、単にエリートレベルのタレントが不足しており、だからこそアーセナルの夏の優先ターゲットだったわけだ。

アルテタのここまでのアーセナルでのイノベーションは主に選手たちの欠点を隠すことだった。私はパーティとガブリエルという二人とも現在のアーセナルの選手たちの内ではスペースをカバーすることに長けた二人の獲得により、アーセナルがより攻撃的な布陣を取れるようになることを願っている。

アーセナルがレスター戦でヴァーディのカウンターに沈んだ時に足りていなかったのは人数ではなく、ポジション面でのサッカーIQと、快速ストライカーに対応できるアスリート力のある選手だった。

アルテタがしっかりと補助輪をつけているのに、自分から勝手に転んでしまうような選手が多すぎるのだ。

アーセナルのDFは3つ星ホテルばかりだが、中盤に関しては、将来性なども考えると、そこまでクオリティ不足というわけではない。

だが、推進力とイマジネーションが足りないのは事実で、クリエイターの不在だけではなく、パスを引き出すような動きも足りない。

エジルがプレイしていた時でさえ、彼のアシスト数は極端に少なくなっており、これはエジルが選手として衰えたからというのだけが理由ではないだろう。前線が一貫性とクオリティを欠き、彼の前で動く選手がいなくなったことも影響している。

アーロン・ラムジーが時折ポジションを捨てて攻撃のサポートに駆けあがっていくのが気に入らないアーセナルファンも多かったかもしれないが、このような中盤からのランナーが今のアーセナルにはだれもいない。

後ろからサポートする選手が居なければ、アルテタがどのような攻撃を構築したとしても、それは一面的になってしまうだろう。

確かに、そろそろオーバメヤンを彼自身が得意としている中央に移しても良い頃合いではないかと思うが、それにより彼の後ろの何エーカーものぽっかり空いたスペースが埋まるわけではない。

ジャカ-セバージョスの起用はいくつか利点があるが、それらはファイナルサードにはない。ファイナルサードでのパスを出せるクオリティがなければ、仮に前線の選手が良い動きを見せたところで効果も薄いだろう。

まだ高額な前線の選手たち(移籍金はフリーとはいえ、給与を考えればここにウィリアンを含めても良いだろう)の間にケミストリーは存在しておらず、そしてそれが存在したとしても、その後ろのMF達は距離が空きすぎており、彼らを見つけるのに双眼鏡が必要だ。

これに関してはアルテタにも一端の責任があり、彼の、相手を攻略するために厳格な構造で縛るタイプのサッカーがあまりうまくいっているとは言い難い。

チームにデブライネやイニエスタ、あるいはトマス・ミュラーが攻撃をうまくつないでくれればグアルディオラ風のサッカーは機能するかもしれないが、そうでないチームには難しい。

だが同時に、シンプルに『ハンドブレーキをオフにすればよい』というわけでもなく、それもまたアーセナルの抱える守備陣の選手たちの弱点をさらすことになってしまうので危険を伴う。

それらの弱点については既に述べた通りだ。したがって、驚くべきことに、アーセナルの攻撃の改善はアルテタにとって最も最優先すべき課題でありながら、最も深刻ではない問題なのだ。

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Posted by gern3137