【アーセナルの新戦力】ガブリエル・マガリャンイス徹底分析
獲得したトロフィーの余韻もまだ冷めないうちに、アーセナル界隈は既に移籍の噂で持ち切りだ。
ナポリや他クラブとの競争を制して、アーセナルはガブリエル・マガリャンイスの獲得に成功したが、このブラジル人CBはいったいどのような選手で、なぜアーセナルが30m€を費やす価値があると判断したのか、みていきたいと思う。
まだシニアチームでの出場が21試合しかなかった状態でリールが3m€の移籍金で2017年にガブリエルを引き抜くと、その後彼はローンに武者修行へと出された。
しかしフランス二部のトロワACとディナモ・ザグレブではBチームでしか出場機会を得られないことが多く、それを考えると近年のブレイクは特筆すべき出来事だといえるだろう。
当然当初はリールでの適応に苦戦したものの、怪我をしたアダマ・スアモロの代役として起用されたのを機にチャンスをつかむとそれ以降はポジションを失うことはなかった。
まずその基本的なプロフィールだけでも彼はとんでもないDFだ。190cm越えの体躯を持ちながらスピードもあるので守備範囲も広く、タイトな場所でも戦えるフィジカルと敏捷性持ち合わせている。
ガルティエ監督の元リールの基本フォーメーションは4-2-3-1で、サイドからのチャンス創出のために両サイドバックは高い位置をとることが多かった。
これにより、もし見方がボールロストをした際には、CBには広いカバー範囲が求められることとなる。ガブリエルは、自身より俊敏性に欠けるジョゼ・フォンテの横でこのタスクを非常にうまくシーズン通してこなしていた。
だが、ガブリエルの強みが特に光るのは、相手選手とぶつかり合うような状況だ。スペースのカバーにも長けているが、それ以上に前に出て相手ストライカーに前を向かせないことが得意なのだ。
彼のフィジカルは素晴らしく、もちろんポジショニングも良いのだが、アグレッシブに飛び出していくべき場面や戦術的ファウルで相手を止めなくてはならない場面のバランスをうまくとることが出来る。 彼は昨季一試合当たり0.8しかファウルを記録しておらず、これはチーム内最小の数字だ。
アーセナルにとってさらに重要なのはガブリエルのタックル成功率が75%と非常に高いことだろう。これはリーグアンでもウィリアム・サリバ(79%)、デニス・ベイン(77%)に次いで第3位の記録で、彼がボール奪取に関しては、落ち着いて見極めてタックルに行っていることが現れている。
成功タックル数で言うと、リーグの違いはあるが一試合当たり1.8というのはガナーズの守備陣のどの選手よりもダントツで高い。
問題を解決するどころかわざわざ自分で問題を作り出してしまうDFを多く抱えているアーセナルにおいては、アルテタの救世主となってくれるだろう。
また、守備だけではなく、ボール保持にも彼は貢献できる。GKは他の守備陣の選手からボールを自信をもって受け取ると、攻撃のスイッチを入れようとするだけではなく、ハイプレスの間をかいくぐる縦へのロングスルーパスを放つことさえも出来るのだ。
昨季彼が昨季記録した1483本のパスのうち、58%が前へのパスで、90分当たり4.3本の前へのパスという数字はチームトップどころかダビド・アラバやラファエル・ヴァランらと肩を並べるヨーロッパトプクラスのレベルだ。
ガブリエルは二種類のロングパスを得意としており、この両方が相手のライン間を突くパスだ。まず一つ目、より多く使われるのは、縦に相手の右サイドバックとCBの間に放つパスで、このパスは最初は単なる外へのぱすに見えるが、急に内側に曲がりスルーパスとなる。
もう一つが、右ウイングへの斜めのパスで、これによりウイングと相手サイドバックの一対一を作り出す。面ペペがリールで素晴らしい成績を残した際にはこのパスが非常に効果的だった。
このような効果的なロングパスを放てる選手がパス成功率を83%にキープできているというのは彼のパスの上手さを表している。
もちろん、懸念点がないわけではなく、ガブリエルはヨーロッパの舞台でコンスタントに活躍したのはまだ一シーズンだけだ。フランス一部での試合出場は52試合で、そのうちの34試合が昨季のものだ。
したがって、即座にプレミアリーグに適応し、結果を出してくれるだろうと期待するのは少し酷かもしれない。
そして、欠点もないわけではなく、特に彼の左足への依存は顕著で、しばしば相手のハイプレスのターゲットにされることがある。
また、時折ラインを下げすぎて相手FWをオンサイドにしてしまう癖も改めなければならないだろう。このおかげで彼がギリギリでのシュートブロックを見せることもあったが、どちらかというと、このような直観的なプレイは排除し、それよりもチームとして方針を統一してオフサイドを取る方向にシフトしてほしい所だ。
より伝統的な目線で見ても、戦術的な目線で見ても、彼は優秀なCBとしての素質を多く備えている。フィジカル、ボール保持時の落ち着き、そしてさらなる改善が期待できるのも大きい。
アルテタは左利きのCBを熱望しているようで、5大リーグで昨季ガブリエル以上の成績を残した左利きのDFはアラバとラポルテくらいしかいない。
トップレベルので経験が少し不足していることは妥当な懸念ではあるが、これは時間とともに解決可能な問題だろう。.
アルテタのもとアーセナルの守備は大きく改善したが、それでもCBの質が不足しているのは見て取れた。現在アーセナルは8人のCBを抱えることになっており、何人かを放出しなくてはならないだろうが、サリバ獲得と同じように、ガブリエルの獲得はアーセナル守備陣に年齢・経験面でのバランスを整えることが出来、今季、そして将来を支える守備陣のパーツとなってくれることだろう。
souce(この記事は当該サイトの許可を得て翻訳したものです):
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