監督選びの難しさ 前編
ここまでくれば、ウナイ・エメリの監督就任がアーセナルにとって間違った選択だったというのはあきらかだ。真相はわからないが、それでもアーセナルフロントはエメリが自分の価値を証明するための時間として、今季の残りをエメリに与えるつもりなのだという。
だが、もう今となってはエメリはタイタニックの船上のデッキチェアーで戦術をいじっているにすぎないことはとても明快だ。
個人的にはエメリがアーセナルでうまくやれなかったことに関してそこまで取り乱してはいない。クラブは監督主導ではない方法で前に進むための悪くない組織を構築することに成功しているからだ。
単に、トップレベルでの監督の任命というのはトライアルアンドエラーが必要なプロセスであるというだけだ。これは恐らく、エメリの後継者探しに奔走しているであろうアーセナルが最もよくわかっていることだろう。
何故なら、理想的な候補者というのは存在していないからだ。2018年にも存在しておらず、だからこそアーセナルはウナイ・エメリを任命することになった。
アーセナルはアルテタとエメリの間で揺れており、恐らくエメリがいつか去ったのちにも、同じように難しい選択を下さなくてはならないだろう。
私はエメリがいまだに解任されていない背景には、その裏側でフロントが色々と動いているからだと思っている。あるいはそう信じたい、と言った方が適切かもしれない。エメリを解任するのは簡単だ。だが、次の監督を見つけるのはより難しい。
2018年には有望な若手のアルテタというチョイスと、そこまでパッとはしないが経験豊富で堅実な実績を誇るエメリという二択だった。
このような状況で、クラブがエメリを選んだ理由はよく理解できる。ファンは責任をとる必要がないため、アルテタを見てみたかったという気持ちは個人的にはあったが、実際に責任をもって望む必要があるフロントがより安全な策を選びたい気持ちはわかる。
もし私が同じ立場に居たら、恐らく私も安全策を選んだだろう。結果としてこれはうまくいかなかったが、これは必ずしもそこまで悪いことではない。だが、アーセナルは再び同じようジレンマを抱えているのだ。
アーセナルと同じような立場にあったクラブもこのプロセスを経験している。リバプールはクロップにたどり着く前にホジソンやダルグリッシュを経由しているし、スパーズはポチェッティーノを見つけ出す前にシャーウッドやビラスボアスの時代を過ごしている。
レアルマドリードやバルセロナ、バイエルンミュンヘンといったクラブでさえも適任を見つけるのに苦戦しているし、ユナイテッドも未だにファーガソン後にこれといった監督を見つけ出せていない。
現在の監督交代の周期は早く、トップレベルの監督の数は限られれている。11月に監督探しをするとなればさらに条件は厳しくなる。本来なら候補者であったかもしれない監督たちがすでにクラブを率いているからだ。
例えば、テン・ハーグは既にアヤックスでのキャリアを全うしたいからとバイエルンミュンヘン監督就任のうわさを否定している。
(Source: https://arseblog.com/2019/11/mr-right/)
明日の後編に続きます
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テンハーグがベストですが、フェイエノールトで4,5年監督を務めたジオに戻ってきてもらうのもありかなと思ってます…