トライアルアンドエラー 後編

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(この記事は前編の続きとなっています)

先日、ダレン・バージェスが解雇されたと発表された。彼はプロフェッショナルスポーツ界でも有数のフィットネスに関するエキスパートだと評判の人物だ。

エメリは監督就任の際に、チームに激しくプレスをかけ、走り回ることを求めているとコメントしていた。このようなチームを作り上げるのに、ダレン・バージェスより適任の人物がいただろうか?公になっていないため何故かはわからないが、彼とアーセナルの関係性もうまくはいかなかった。

リバプールは今や、世界で最も運営がうまくいっているクラブの一つとみなされている。だが、彼らが今のレベルにたどり着くまでには何度もトライアルアンドエラーを繰り返さなければならなかった。

ダミアン・コモリのことをだれか覚えているだろうか?あるいは、散々な結果に終わった”マネーボール”アプローチを用いて高額でダウニングやチャーリー・アダム、アンディ・キャロルを獲得していたことは?

トッテナムも、マウリシオ・ポチェッティーノで金脈を引き当てたが、それ以前にはティム・シャーウッドやアンドレ・ビラス=ボアスの時代を耐え忍ばねばならなかった。

スペインやイタリアで評価を挙げたテクニカルディレクター型のクラブモデルは数年遅れてイングランドでも主流になった。かつては官僚的な制度はうまくいかず、実際に機能させるのは難しいと見向きもされなかったのにもかかわらずだ。

ディレクターはいわゆる”サッカー界の人物”ではないし、監督とディレクターの関係がうまくいかない場合どうするのだ、というのはよく聞かれる批評だった。また、監督側からもこのアイディアはあまり支持されなかった。アーセン・ベンゲルとハリー・レドナップはオープンにこのシステムに否定的だったし、それは理解できることだ。監督が公の場で管理されることを望むとは思えない。

例えば、恐らくユングベリのトップチーム承認はエメリ主導で行われたものではないだろう。クラブ側の意図がこのニュースの発表生声明から透けて見える。

若手の育成はエメリの最優先課題の一つだったはずだが、恐らくフロント陣はこの点においては、監督の今季のやり方に満足がいっていないのだろう。

ただ、実際のところこれは少しエメリに厳しい見方だということも出来る。エメリはきっとアーセナルでCL出場権獲得という結果を残すためにはあと一シーズンしかなく、この目標は、若手の育成という課題と両立させるのは非常に難しい。

多くの人が、エメリがスアレス獲得を望んだことで彼には見る目がないという結論を出しているが、私はこれがそこまで説得力のある意見だとは思えない。

そもそもスアレスは確かにエメリの下でプレイしたことはあるが、彼が特にスアレスに頼っていたり、気に入っていたりというわけではない。

どちらかといえば、むしろサンジェイがバルセロナの昔の仲間に誰か一人くらい貸してくれと頼んだ、という可能性のほうが高いように思える。

つまり、何が言いたいのかというと、もし上記のことが事実だとすれば、昔ながらの、”ディレクターにサッカーの何がわかるというんだ”という批判はあながち的外れでもないかもしれない、ということだ。

アーセナルが現在進行形で体験している通り、このような複雑なモデルを上手に機能させることは非常に難しい。

そのためには、何人かの野心的で有能な人材が上手く協力して働く必要がある。各人物は能力を備えていても、彼らがともにうまく機能するかどうかは実際に試してみければわからない。もしかすると、来年の今頃には我々はエドゥとユングベリが対立しているようだ、などといったうわさを耳にしている可能性さえある。

結局のところ、アーセナルは今トライアルアンドエラーを繰り返す時期なのだ。運が良ければ、来季以降のクラブの運営体制はもう整ったかもしれない。だがあるいは、こちらの方が可能性が高いと思うが、うまく機能する体制を見つけるまでに我々は何人かのコモリやロイ・ホジソンやフランコ・場ルディーニ、ティム・シャーウッドさえ経由しなくてはならないのかもしれない。

(Source:
https://arseblog.com/2019/06/trial-and-error/ )

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