ローテーションと控え選手の活用について

分析Tim Stillman,海外記事

アーセナルがヨーロッパリーグに出場していた時期、ほとんど完全にプレミアリーグとヨーロッパリーグのチームは分離してしまっていた。

アーセン・ベンゲル時代の終盤には、放出が濃厚となっている選手が木曜日にプレイすることも多く、ジルー、ウォルコット、コクラン、オスピナ、メルテザッカー、ウィルシャーといった選手はアーセナルのヨーロッパリーグ初年度にプレイしたが、翌年全員移籍していた。

その後、アーセナルは有望な若手を試し、育成する場としてヨーロッパリーグを使い始めた。

サカ、エンケティア、マルティネッリ、スミスロウはヨーロッパリーグでのプレイを経てトップチームに台頭した選手だし、ジョー・ウィロックのケースでは、結局クラブに留まることはなかったが、彼の移籍金の上昇にELでのプレイ機会は貢献したはずだ。

ある意味ではアーセナルはリーグ杯とおなじようにELを捉えていたと言える。

だが、ついに今季アーセナルは6年ぶりにチャンピオンズリーグの舞台に帰還する。ここまでの所は勝ち点を落とした試合もあったものの、プレミアリーグでアーセナルは比較的よくやっている。

だが、CLの試合では以前ELで行ったようにBチームの選手を送り出すことはアルテタは出来ない。仮に選手のクオリティが十分だったとしても、どちらにせよ、そのようなアプローチで臨むクラブはヨーロッパのトップにはほとんどない。

マンチェスター・シティはそこまで大きなスカッドがあるというわけではない。ただ、彼らにはトップレベルの引け選手が揃っているというだけだ。

例えば昨季彼らはベルナルド・シウバとマフレズを右サイドでローテーションし、ウォーカーが右サイドバックとしてプレイしたり、あ感じがプレイしたりしていた。

もちろんタイプは少し異なるかもしれないが、彼らの起用がチームのクオリティを大きく変えることはない。アーセナルが目指しているのもそのような形で、ジョルジーニョやトロサール、ラヤやティンバーといった選手はそれを目指して獲得されたのだろう。

今季のアーセナルのスカッドは昨季よりも流動的である必要がある。プレミアリーグとCLの両立を実現し、チームの予測を対戦相手にとって難しくするためだ。

デクラン・ライスとカイ・ハヴァーツといった選手たちはアルテタがプランAの質を更に高めるために獲得されたに違いないが、同時に監督は昨年そこまでプレイできなかった選手の力を引き出し、チームに組み込む必要がある。

エンケティアは今季好調でイングランド代表にも呼ばれているし、ファビオ・ビエイラのベンチからの貢献も素晴らしい。

昨季ビエイラは不安定な試合も多かったが、今季は3節目にベンチからチャンスをつかみ、PK獲得とアシストを記録する活躍を見せた。

ビエイラをハヴァーツに交代するという策が非常に効果的なのは、ハヴァーツと彼が全くタイプが異なるという側面もあるだろう。ハヴァーツは多くボール回しに絡むというよりも、ペナルティエリアに飛び込みボックス内で結果を残すことを期待されている。彼はどちらかというと少ないボールタッチの中で仕事をする選手だ。

一方ビエイラはその逆で、彼はボールを持つことを好み、他の選手にチャンスを演出する選手だ。フラム戦とユナイテッド戦ではこの二人のコントラストが非常に上手くいった。

恐らく近いうちにビエイラは先発出場を勝ち取ることになりそうだが、この場合は、アーセナルが激しく得点を追っているというわけではない、より落ち着いたテンポの試合でも結果を残せるか、示す必要があるだろう。

また、冨安は昨季は少々自信喪失気味に見えたこともあったが、今季は機会が与えられそうで、アーセナルは彼らのような選手をチームに再び組み込むことを進めているようだ。

ただ、冨安はエンケティアとビエイラとは少し立場が異なる。彼は元々は絶対的な先発メンバーだったが、そこからポジションを失ったという経緯があるからだ。そして、今季もティンバー獲得により立ち位置は少々不透明だったが、ティンバーが怪我をしたことにより、冨安に再び力を示すチャンスが訪れることとなった。

彼は最終ラインのどこでもプレイ出来、非常にチームにとって有用な選手だ。控えとしてだけではなく、レギュラーとしても活躍できるはずだ。

彼の代表ウィークでのドイツ戦での活躍は、冨安がキャリア序盤、どれだけ素晴らしいパフォーマンスをアーセナルで見せていたかをファンに思い出させた。

冨安は今季、以前の先発メンバー常連としてのステータスを取り戻す必要がある。そして、それはそこまで遠いものではないはずだ。次のステップはホワイト、サリバ、ガブリエル、ジンチェンコの誰かよりも序列が上に立つことで、少なくとも彼らの誰かが欠けた際にはチャンスを掴めるように遜色のないパフォーマンスをみせられなくてはならない。

リース・ネルソンは左サイドで一対一で勝負できる、というマルティネッリと似たクオリティを備えており、スーパーサブとして起用されているが、今季の彼の目標は試合終盤に登場するだけではなく、マルティネッリを休ませる必要がある際にその控えの役割が務められるとプレミアリーグやチャンピンズリーグで示すことだろう。

上に上げた選手たち(本当はスミスロウもここに加えてもいい必要だが、現時点では彼は他の選手よりもファーストチームから遠ざかっているように見える)は、より年長の先輩であるトロサールやジョルジーニョをお手本にしても良いだろう。

今季チームのローテーションをどうするかアルテタにとっての興味深い課題の一つであり、同時に選手個人にとっても興味深い挑戦となるはずだ。

アーセナルが今季複数の大会を同時進行で戦い結果を残すためにはベンチから登場した選手、あるいはローテーション要員として先発した選手が特に違いを感じさせないほどのスムーズさでチームに溶け込む必要がある。

source(当該サイトの許可を得て翻訳しています):

関連記事(広告含む)

Posted by gern3137