コミュニティシールド振り返り
アーセナルがPK戦の末にマンチェスター・シティを破り、コミュニティシールド優勝を果たした。
試合終盤にレアンドロ・トロサールの放ったシュートがディフレクションでゴールとなり、PK戦に突入することとなった。アーセナルはプレシーズンで何度もPK戦を行っていたが、その練習の成果か、選手たちは皆良いPKを見せた。
シティ側のPKはそこまでハイクオリティだったとはいえず、ラムズデールがロドリのPKを止め、ビエイラが勝利を決めるPKを沈めた。
もちろん客観的に見れば、コミュニティシールドはそこまで意義の大きい試合とは言えないが、とはいえ試合が始まってしまえば全力で勝利を望むのもファンの心理だ。
前半はシティらしい非常に多くのパス回しをずっと続ける展開から始まった。彼らのサッカーを高く評価する人々がいるのは承知しているが、個人的にはこれがそこまで面白いサッカーだとは思えない。
とはいえ、前半の時間が進むにつれアーセナルは勢いを取り戻し、何度か良いチャンスがあった。ハヴァーツとマルティネッリのシュートがあり、その後ブカヨ・サカがハヴァーツに演出したチャンスは決まっていても全くおかしくなかった。
ミケル・アルテタがこの試合でワントップにハヴァーツを起用したのは興味深い。エディーとトロサールがこのポジションでどのようなプレイが見せられるかは既にアルテタはよく分かっているはずだし、シーズン開幕前にハヴァーツのこの位置でのプレイを見ておきたい、というのはあったのかもしれない。
いずれにせよ、これは少々意外な起用で、多くのサッカーファンを驚かせたが、彼は何度かより予測が難しいチームを目指すという旨を離しており、これもその一部なのかもしれない。
チーム全体を通して、ストライカーのオプションについての課題は感じられはするものの、ハヴァーツのプレイ自体は悪く無かった。
プレミアリーグ審判団の新ルールを導入しておきながら審判がそれを忘れてしまうという傾向は相変わらず今年も続いているようで、この試合でも判定は一貫性を大きく欠いていた。
失点場面のシティのシュートは素晴らしかったが、この時アーセナルが守備面で少々油断していたのは否めない。
最近のアーセナルの素早いトランジションへの対応は課題となっているが、この試合でもそれが現れていた。
ラムズデールに何かできたとは思えないし、その後彼は2度の好セーブで点差を保った。PK戦での活躍も合わせ、ダビド・ラーヤがアーセナルにやってきても彼から正GKの座を奪うのはそう簡単にはいかないだろう。
また、先週ジンチェンコはウィリアム・サリバを『ロールズ・ロイス』と評していたが、それ以上に優れた車の例はないのだろうか?なぜならウィリアム・サリバはもうそれ以上のDFだからだ。
今夏アーセナルは積極的な選手獲得も見せているが、チームにとっての重要度という意味ではサリバとの契約延長もそこに肩を並べるはずだ。
この試合でサリバがコバチッチがボックスに走り込んでくるのを見つけ、それを注視しながら最終的にフィジカルを使って彼を弾き飛ばし、ゴールキックを得た場面があった。一見シンプルだが、これ非常に素晴らしいプレイだった。
そして、アーセナルがこの夏新たに獲得した、右サイドバック/CBと思われていたティンバーはこの試合で左サイドバックとして先発し、素晴らしいパフォーマンスを見せた。
試合終盤にかけて疲れは見えたが、非常に積極的にビルドアップに関わっただけでなく守備の警戒も怠らず、まだ評価を下すには早いが素晴らしい獲得になる予感がある。
アーセナルに歴代最高額の移籍金でやってきたデクラン・ライスも良くやっていた。まだもう少しアーセナルのシステムに慣れるには時間がかかりそうだが、そこまで目立ったわけではなかったもののそれは必ずしも悪い事ではないだろう。
ウーデゴールもまた、絶好調とは言えなかったが随所にその素晴らしさの片鱗を見せ、まるで彼は手も足も触れなくても対戦相手を転ばせることが出来るかのようだった。
正直に行って、1-0のまま試合終盤に差し掛かった時には試合終了のホイッスルと共にTVを消す準備は出来ていたが、トロサールとPK戦のおかげで試合はアーセナルファンにとって遥かに好ましい形で終了を迎えた。
冒頭で述べた通り、コミュニティシールド優勝がどれくらいの意味を持つかは難しいが、それでも近年シティ相手に苦しみ続けたチームが彼ら相手に勝利を収める所を見られるのは良いものだ。
試合後、ラムズデールは以下のように語った。
我々にとって、シティ相手にビッグゲームで勝利を収められるということを示せたのは大きな意味を持つよ。もちろん、だからと言ってシーズン開幕後の試合がどうなるかはわからないけれど、苦手意識のようなものは取り払えたはずだ。ここから前に進んでいくつもりさ。
また、アルテタはこのように話した。
素晴らしい結果で、士気を上げてくれるだろう。我々はより良いパフォーマンスを見せ、試合を勝っていくだけさ。もちろん、トロフィーを勝ち取ったとしても、来週の試合に集中しなくてはならない。正しい準備をしてフォレスト戦に臨む必要がある。難しい試合になるだろう。
こうしてアーセナルのプレシーズンはポジティブな結果で終わり、新シーズンへと突入することとなった。ここからが本番だが、コミュニティシールドでの勝利は開幕のノッティンガム・フォレスト戦に向けてチームを勢いづけてくれるだろう。
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コメント一覧
完全にその通り
今季も選手採点楽しみにさせていただきます