ミケル・アルテタ×ジェイミー・キャラガー インタビューまとめ
Skysportsでアルテタがキャラガーのインタビューに答え、色々と語っていましたので、個人的に興味深いと思った点などまとめました。
ペップ・グアルディオラと監督業に関して
・まだ現役時代、26,27歳の頃、ピッチに立った時に次のプレイの予測が出来ない時が自分の弱点だと感じていたため、サッカーをより理解する必要があると思い、28歳でコーチングのコースを受けることを決めた。
・コーチングのコースを受け始めた時点で、いつかは監督になりたいと思っていた。
・アーセン・ベンゲルはそれをサポートしてくれた。
・15歳の頃、バルセロナユース時代にペップは目指していた選手だった。
・その後交友は深まり、ペップはバルサとバイエルンの監督時代にプレミアリーグのチームと対戦がある際にはアルテタに電話をかけて意見を聞いた
・アルテタが30歳の時にペップから『イングランドに行くかもしれないんだが、そうなったら私のアシスタントを務めないか?』と聞かれたが『まだ私は現役選手だよ!』と断った。
・引退後、一旦アーセナルを去りシティのコーチになるのは難しい決断だったが、監督を始める前に経験を積む必要があり、世界トップのコーチング環境を経験できるのは素晴らしいチャンスだと感じた。
・審判やサッカー文化、イギリスでのメディアの姿勢などに関してもペップをサポートした。
アーセナルでの監督就任に関して
・最初は監督デビューがアーセナルのようなビッグクラブで、しかもシーズンの途中で就任というのには懸念も感じていた。
・面接後にオーナー、エドゥ、ヴィナイから『君はアーセナルの監督に相応しいと確信している』と告げられ自身が持てた。
・ただ、就任当初の時点で選手の特徴的に自身の理想とするスタイルを目指しても上手くいかないと思ったため、より現実的なアプローチをとる必要があった。
オーバメヤンの放出に関して
・オーバメヤンの放出はアルテタがプッシュしたものだが、クラブ全体で下したもの。
・彼一人というよりも、より全体的な方針。選手か、クラブスタッフかを問わず、我々は素早いスピードで進んでいる。これについてこれず、船の重しとなり、前進速度を遅めてしまうような人材の居場所はない。
その他
・若手育成は個人的には大好き
・オールオアナッシングはアルテタに拒否権はなかった。
・ファンはいつもパーティがボールを持つとシュート!と言っているので今季のミドルシュート少なめの戦術はイングランドの文化に反しているかもしれない。だが、ボックス外からゴールが決まる確率は低い。
・最近のアーセナルのキャプテンを巡る状況を考えると、新キャプテン任命は難しかった。だが、ウーデゴールは、現在のアーセナルの在り方と、価値観、我々が作り上げようとしているものを象徴していると感じた。彼は大声で引っ張るタイプではないかもしれないが、クラブの誰からもリスペクトされている。
今季のアーセナルの戦術に関して
ホワイトの右サイドバック
昨季の時点でホワイトの右サイドバックは機能するのではないか、と考えていた。だが、ホワイトは右サイドバックから動かせなかった。
だが、サリバがチームに帰還し、彼のマルセイユでのプレイを考慮すると、チームは変化の余地があると感じた。彼のおかげでホワイトを今のチームに最も合っていると感じられる位置である右サイドバックで起用することが出来た。
サリバとCBに関して
CBは個人というよりもパートナーシップの影響が大きいが、サリバとガブリエルの相性が良いのは1日目から明らかだった。彼はフィジカル、高いサッカーIQと落ち着きを備えている。
サリバはオープンなスペースを守ることを苦にしないし、特に中盤でボールロストが起きた際の状況判断力が素晴らしい。
サリバのおかげでより高い位置からプレスをかけられるようになっている。
現代のCBは非常に難しいポジション。CBがドリブルしなくてはならないような状況は好ましくない。だが、もしサリバがドリブルでボールを運ばなければならないような状況になったとしたら、それはその2秒前に誰かがミスをしているということだ。
だがサリバはリーチが長いし、ボールを奪われる可能性が低いような形でドリブルすることはできる。
ジンチェンコに関して
彼はウイングと中盤出身なので中央でのプレイを全く苦にしない一方で、外でもプレイできる。このようなユーティリティ性のおかげでチームは柔軟になる。彼のような選手が相手を引き付けてくれればよりスペースが空く。
ジャカのコンバートに関して
チームが必要としていたことだった。チームをもう一段上に引き上げるためには、より多くファイナルサードでプレイできて得点できる選手が必要だった。
昨季の終りにジャカと話をし、少し君の認識を変える必要があると告げた。君は中盤でのプレイに慣れ、自信を持ちすぎていて、実際に試合を勝利に導くのが何なのかを忘れているとね。試合はファイナルサードで決まるんだ。
チームはこのポジションでプレイできる選手を必要としており、君がそれになれないのであれば、私は何か手を打つ必要がある、と話した。
ジャカは賢い選手だからね、すぐに理解して、今季のプレシーズンに今までで最高のコンディションで合流してくれた。
ジャカが高いポジションを取るためにはサイドバックに中に入ってもらう必要があるが、ジャカが居ればトライアングルはさらによく機能する。
得点力という意味もあるが、このおかげでマルティネッリが大外の最前線でより多くプレイできるのも大きい。昨季はずっとこの位置でプレイするのはサイドバックだったが、これは今季チームが行わなくてはならない変革だった。
英語の文字起こし版はこちら:
ディスカッション
コメント一覧
活動に敬意を表します。大変興味深い内容。
個人的にギャラガー氏には好感を抱いていました。
ジャカの問題をサッカー的に解決しようとし、まずまず上手くいった事はアルテタの器量を示すエピソード。
翻訳ありがとうございます。
一つ気になったのですが、以下の箇所は誤訳ではないでしょうか?
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昨季の時点でホワイトの右サイドバックは機能するのではないか、と考えていた。だが、ホワイトは右サイドバックから動かせなかった。
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文脈的に以下が正しいように読めます。
だが、ホワイトは「右センターバック」から動かせなかった。
誤訳って笑
ただの間違いだろ。