オーバメヤンがアーセナルに残っていたら、今季の結果は変わっていたものになっていただろうか?

分析crabstats,海外記事

今季も今日をもって終了となるが、アーセナルの今シーズンを振り返るうえで、避けては通れない問が、オーバメヤンを1月の移籍市場で放出したのが正しいことだったのかどうか、というものだろう。

もちろん、それを考えた所で今季の結果が変わるわけではないし、これを分析するのは痛みを伴うプロセスではある。だが、クラブの成績、うまくいかなかった点やうまくいった点を考えるにあたって、これは少なくとも、その構成要素の一つとして話題には上がるべきだ。

オーバメヤンの移籍が決まった時点で私は以下のように書いていた。

オーバメヤンが居ない方がアーセナルのチームのクオリティが高い、という人もいるが、私はこれには賛同できない。オーバメヤンが不調だったことに疑いの余地はないが、それでも、他のアーセナルのFのオプションと比べれば、一番優れていた選手だったのではないかと思う。そして、彼の抜けた穴を埋めるにはかなりの移籍金が必要となることは間違いない。

オーバメヤン以外のアーセナルのストライカーに関して見て見よう。

①ラカゼット
ラカゼットは現時点で50-60分程度しかプレイできない選手に見える。そして、彼のポストプレイへの貢献は過大評価されている。(xGビルドアップで見ると、彼とオーバメヤンの貢献は11%と全く同じだ。)

彼は悪くないパサーというだけであり、そしてボックス内で良いポジションに走り込むというプレイを最近はほとんどしない。シュート数も非常に少ない。
そして、夏には契約満了となってしまう。

②エンケティア
エディーは人格的には優れた若者に見えるし、出場機会あたりの得点数という点では悪くない数字を残している。だが彼がトップ6レベルのチームでメインストライカーに将来的になれる選手なのかは確信が持てない。ラカゼットと同じく、彼も夏にフリーエージェントとなる。

そこから数か月が経ったが、やはりこの二人のその後のパフォーマンスは概ね私が冬の時点で想定した通りだった。(エンケティアに関しては、ほんの少しだけ期待を上回ったと言ってもいいかもしれないが、)結果的に彼ら二人はアーセナルの攻撃に、多くのものをもたらしてはくれなかった。

オーバメヤンがアーセナルを去って以降、ラカゼットとエンケティアを合わせた貢献(90分当たり)は以下の通りだ。
・オープンプレイからの得点: 0.25
・アシスト: 0.31
・シュート数: 3.1
・枠内シュート数: 0.9
・プレス: 18回
・オープンプレイからのxG: 0.4
・xA: 0.12
・プログレッシブパス: 0.8
・プログレッシブキャリー: 3.2

ではこれを、バルセロナ移籍後にオーバメヤンが残した数字と比べてみよう。

・オープンプレイからのゴール: 0.96
・アシスト: 0.1
・シュート数: 3.2
・枠内シュート数: 1.8
・プレス: 16.5回
・オープンプレイからのxG: 0.6
・プログレッシブパス: 1.1
・プログレッシブキャリー: 1.9

もちろん、オーバメヤンがバルセロナで11ゴールを挙げたからと言って、これをそのままアーセナルに当てはめることなど出来ないというのは承知の上だが、それでも今季のトップ4争いは結果的に非常にタイトなものとなっており、ラカゼットやエンケティアに代わって彼が出場し、このうちの何得点かでもを彼がアーセナルで挙げていてくれれば、、と思わずにいるのは難しい。

アーセナルは今季ラカゼットとエンケティアをワントップに置いた状態で、前線の他の選手が得点で貢献できるということを示した時期はあった。

だが一方で、シーズン終盤彼らが得点不足になった時期もあった。この時に、キャリアを通して常に得点を決め続けてきたストライカーがいれば、事情は変わっていたかもしれない。

オーバメヤンをメンバー外とし、移籍を許可するのはクラブにとって大きなリスクだった。もしかすると、これは長期的に見ては正しい決断だったのかもしれない。だが、今季(と来季)という短期的な視点で見ると、高リスクなギャンブルであったことは否定できず、我々は、プレミアリーグの順位が非常に小さな差で決まることもある、というのを目の当たりにしている。

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Posted by gern3137