アーセナルの欧州コンペティション出場に関して

分析Tim Stillman,海外記事

来季、アーセナルは一年の空白期間を経て、欧州コンペティションに復帰する。

恐らく来季出場できるのはヨーロッパリーグになってしまいそうだが、どちらのコンペティションだろうとも、ガナーズは選手層を厚くする必要がある。

春にアーセナルが調子を落としてしまった大きな理由の一つが、控え選手に課された役割が少しだけ大きすぎたことだ。

本来アーセナルは今季欧州コンペティションへの出場権がないことはリーグ戦を戦う上で優位に働くはずだったが、実際の所、そのメリットはほとんど感じられなかった。

今季はここ数シーズンで最も戦う試合数が少なかったはずだが、それにも関わらず主力に筋肉系の怪我が相次いだし、シーズン最終盤を戦う選手たちは皆疲れ果てて見える。

さらに、欧州コンペティションの試合がなかったことで、控えやローテーション要員の選手たちのコンディションを整えることが出来ず、いざ彼らの力を借りなくてはならない場面になった際に、調子を上げるまで数試合が必要だった。

もしエンケティアにヨーロッパリーグのグループステージでの6試合の出場機会をシーズン前半に与えることが出来ていれば、もしかするとアルテタはより早くストライカーをラカゼットからエディーに切り替える決断を下していたかもしれない。

同様に、サンビ・ロコンガはトーマス・パーティの代役をもう少し生き生きとこなせたかもしれないし、20/21シーズン、ペペは前半戦の出場機会はほぼELのみだったが、それでもシーズン終盤を好調で終えることが出来た。

同じ年にジョー・ウィロックはヨーロッパリーグでチャンスを掴み、アーセナルでではなかったものの、ニューカッスルでシーズン後半に素晴らしい得点力を発揮した。

今季の4位争いは非常にタイトで、もしもこの二人のような、一時的とはいえ絶好調のアタッカーが一人でも現れていれば、アーセナルはCL出場権を獲得できていたかもしれない。

来季以降に関していえば、毎年のようにサカやスミスロウのような選手が台頭することを期待するのは現実的ではないかもしれないが、少なくとも欧州コンペティション出場権があることで、かつてのエンケティアやウィロックのような選手は機会を得やすくなるだろう。

ウィリアム・サリバも来季はアーセナルに帰還し、これらの試合をホワイトとガブリエルに挑戦するために役立ててくれることを願おう。もし即座にスタメン奪取とならなくても、今季のように、シーズンのどこかのタイミングで彼の力が必要となる可能性は高く、その際にある程度試合の出場を経験しているかどうかは大きな違いとなるはずだ。

また、アーセナルが今季から学ばなくてはならないもう一つの教訓は、プレッシャーのかかるシーズン終盤にどのように対処するかだ。私は個人的にはサッカーにおけるメンタル面の影響というのはしばしば過大評価されていると感じるが、それでも今季のアーセナルがスパーズとニューカッスル相手の試合で精神面での脆さを露呈したことは否めない。

もしも最終節でミラクルが起こり、トッテナムがノリッジに敗れ、アーセナルがエヴァートンに勝利したとしても、これはアーセナルがCL出場権をもぎ取ったというよりも、トッテナムが扉を開いてくれた、という言い方が適切だろう。

最近のアーセナルの勝負弱さがFA杯には何故か適用されないのは少々不思議ではあるが、18/19シーズン、アーセナルはCL出場権獲得まであと一試合まで迫ったところでEL決勝でチェルシーに敗れ、昨季はエメリ率いるビジャレアルに準決勝で敗北した。

今季もアーセナルは来季のクラブのカギを握る重要な試合で敗れてしまった。

スカッドの層に関しても言えることではあるが、アルテタは控え選手、自身がチームの中心であると考えていない選手のマネージメントに関してかなり改善の余地がある。

現実的に考えて、監督-選手間に相互に絶対的な信頼関係が存在しているような選手を25人スカッドに揃えるのは不可能だ。

サッカーチームに限らず、一般の企業と同じで、所属する団体と一蓮托生、というほどの志は持っておらず、出来る限り仕事を終えて帰りたい社員がいるのも自然なことだ。

こういった選手に関しては、いかにして彼らのモチベーションを一定レベルに保ち、9時から17時まで、全力を発揮させることが重要となってくる。

恐らく来季の欧州コンペティションはアルテタがそういった選手をよりチームと一体だと感じさせ、プレッシャーのかかる試合になれさせる上で有用なものとなってくれるだろう。

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Posted by gern3137