アーセナルユースチームの2021/22シーズン総括

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戦術的変革を経験したアーセナルのU-23

昨年のちょうど今頃、アーセナルのU-23チームはかなり不安定な状況にあった。去年スティーブ・ボールドが解雇となったが、彼の後継を誰が務めるのかわかっておらず、イングランド代表のユースコーチのケヴィン・ベッツィーがアーセナル入りするという発表があるまでには少し間があった。

昨季はボールドの元アーセナルU-23は降格圏をさまよっており、何らかのテコ入れが必要だったのは明らかだった。

そして、結果としてよりモダンなコーチが招聘されることとなったが、選手たちが彼のやり方に適応するのには少し時間がかかり、ベッツィーの初戦となったウエストハム戦では若きアーセナルは6-1での敗戦を喫してしまった。

ベッツィーを新監督に迎えたアーセナルのU-23チームが展開しているのは、後ろから繋いでいくことを志向し、サイドバックが中に入ることもあり、多くのポジションチェンジを含むかなり複雑なサッカーだ。

さらに彼は試合に応じて3バックと4バックを使い分ける。

もちろんベッツィーのシステム全てがうまくいったわけはないが、今季アーセナルU-23はリーグ3位でシーズンを終え、これは昨季と比べると大きな進歩だ。

チェルシーユース相手の6-1の勝利もあったし、マンチェスター・ユナイテッドにも勝利を収めた。

アーセナルユースで際立った活躍を見せた選手たち

特に目立った選手に関して言うと、バログンが冬にミドルズブラへとローンに出る前に記録した13ゴール11アシストという数字ももちろん素晴らしいのだが、やはり今季のスターは何と言ってもオマリ・ハッチンソンだろう。

この若いウイングはU-18からU23への適応をものともせず華やかなプレイを見せ、今季は6ゴール6アシストを挙げた。

マルセロ・フローレスがU-23にステップアップしたのは今季後半だったが、彼もまた軽々と適応して見せた。

フラムユースから移籍後今季がアーセナルゆーでの初のフルシーズンとなったミカ・ビエレスもまた11得点を挙げ良いパフォーマンスを見せた。チャーリー・パティーノとミゲル・アズィーズもオールラウンドに成長を遂げられたと言っていいだろう。

守備陣ではCBのマズィード・オグングボは今季のアーセナルユースで最も安定感のある選手だったし、ザック・オーも怪我で離脱する前には印象的なプレイを見せていた。

怪我で思うようなシーズンを送れなかったという意味では、キド・テイラー=ハートも怪我の前までは好調に見えた。

また、最近はファーストチームに安定してベンチ入りしているザック・スワンソンはU-23では様々なポジションをこなしており、そのユーティリティ性は褒められるべきだろう。

アキノラやアレビオス、ノートン=カフィといった後半ローンに出た選手たちもそれ以前はアーセナルユースで素晴らしいパフォーマンスを見せていたし、ヘンリー=フランシスとサラー=エディンはその才能の片りんを見せた。成長スピードという意味では、ウォルターズも今季がU-23初挑戦ながら既に16試合出場と急速にステップアップをはしている。

そして、U-23の正GKの座にはグラツィクがどうやら近づきつつあるようだ。

U-18の注目選手

また、今季の終盤戦ではリノ・ソウザやブラッドリー・イブラヒムといったU-18の選手もU-23で出場機会を得た。彼らに加えて、ケイオン・エドワーズ、テイラー・フォラン、サゴエジュニア、コジエル=デュバリー、マテウス・ロバーツらは来季はU-23でより多くのチャンスを得るのではないだろうか。

これらの選手はもっと早くU-23に挙げるべきだったのではないか、という意見もちらほら聞かれ、確かに特にコジエル=デュバリーは既に十分U-23のレベルにあるように見えた。

出場機会が思ったほど得られなかった選手

もちろん、ステップアップを果たした有望株の裏側には残念なシーズンを送ってしまった若手もいた。カタリン・シルジャンは怪我でフルシーズンを通して全くプレイできず、同じく嘗て大きく期待されていたベン・コトレルもほとんど試合出場がなかった。

オイェデジとジョエル・イデホは恐らく本人が望んでいたほどの出場機会が得られなかったはずだが、これは来季は改善されるだろう。ジョージ・ルイスはほとんどメンバー入りをせず、恐らくこのまま退団の可能性が高そうだ。

まとめ

U-23の選手はかなり夏に入れ替わりがあるものだが、監督のベッツィーがアーセナルU-23の監督として1年経験を積んだことで、よりチームに必要なものも見えているだろうし、ファーストチームに引き上げられる選手を育て上げる体制も整うはずだ。

アーセナルU-23選手の今季の出場試合数ランキングトップ5:
ミカ・ビエレス: 21
マズィード・オグングボ: 20
ジョエル・ロペス: 18
オマリ・ハッチンソン: 17
サラー=エディン / ロイヤル・ウォルターズ: 16

アーセナルU-23選手の今季の得点ランキングトップ5:
バログン 13
ビエレス: 11
ハッチンソン: 6
サラー=エディン: 5
フローレス: 4

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Posted by gern3137