アーセナルコーチ陣紹介 2021/2022

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以前ミケル・アルテタの監督就任に伴って新たなコーチ陣の体制の紹介記事を書いたことがあったと思ったが、それから時間が経ち、ある程度クラブ内の立ち位置がわかってきたのと、メンバーの入れ替えもあったので、再び改めて紹介してみたいと思う。

アルベルト・スタイフェンベルフ

もちろんアルテタの心のうちまではわからないが、立ち振る舞いやアルテタとの会話の頻度的に恐らく現状のアーセナルのコーチ陣でアルテタからの信頼が最も厚いであろう副官がアシスタントのスタイフェンベルフだ。

オランダ出身で、キャリアの初期はフェイエノールトのユースチームのコーチを務めていた。そこからファンハールのアシスタントとして見いだされ、オランダU-21代表やマンチェスター・ユナイテッド、そしてギグズ率いるウェールズ代表を経て今に至る。

短い期間だがベルギーのヘンクでは監督の経験もある、ベテランコーチだ。

恐らくクラブの分析官たちを統括するような立場にあるようで、試合中にも常に彼らと連絡を取るためにイヤホンを装着、タブレットを操作する姿がたびたび見られる。

スティーブ・ラウンド

経験豊富という意味では、スティーブ・ラウンドもスタイフェンベルフに負けてはいない。

もともとは選手時代に在籍していたダービー・カウンティでキャリアをはじめ、スティーブ・マクラーレンやサム・アラダイス、ケビン・キーガンといった英国人監督の下でコーチを務めた。監督になりたてのガレス・サウスゲートのアシスタントもミドルズブラ時代に任されていたことがある。

その後はデイビッド・モイーズの副官としてエヴァートンに在籍し、この時期にアルテタとは出会ったのだと思われる。

経歴的には少々意外さもあるが、アルテタとしてはやはり彼のような英国サッカーを全て知り尽くした男がコーチ陣に必要だと感じていたということなのだろう。

特筆すべきは、ラウンドはコーチだけではなくアストン・ヴィラでフットボールディレクターも務めており、またシティフットボールグループでコンサルタントとして働いた経験があったり、マンチェスターメトロポリタン大学でスポーツクラブ運営の修士号を取得していたりと、クラブ運営に関する知識も豊富だという点だ。

現状のアーセナルではクラブ運営にもある程度監督が携わることになっているため、そちらの知識も買われ、アルテタのスタッフ入りとなったのかもしれない。

ニコラス・ジョヴェル

今回紹介する中でもっとも最近アーセナルに加わったのがニコラス・ジョヴェルだ。

セットプレイコーチ自体が比較的最近登用されるようになったポストなのだが、もともとアーセナルでセットプレイコーチを務めていたゲオルグソンが故郷のマルメでディレクター職に就くために退職となったため、後任のセットプレイコーチとして今季白羽の矢が立ったのがジョヴェルだった。

フランス出身で、モンペリエでコーチを務めていたが、その後ブレントフォードを経てマンチェスター・シティ初のセットプレイコーチに就任、この時アルテタの目に留まったのだろう。

ブレントフォード出身のコーチが去ってまたブレントフォード出身のコーチが来るという、最近のトップレベルのコーチは非常にブレントフォード出身者が多いのも興味深い所だ。

昨季はアーセナルはセットプレイの守備は明らかに改善が見られたものの攻撃に関しては微妙なところだったが、今季は逆にアーセナルのセットプレイからの得点が増えているのはもしかするとこのジョヴェルのおかげなのかもしれない。

もちろん、単純にガブリエルがヘディングが強い、サカやスミスロウがキッカーとして台頭してきた、などといった要素もあるとは思うので一概には言えないが。

ミゲル・モリーナ&カルロス・クエスタ

アルテタ監督就任時から引き続き、20代後半で選手と同世代の若手スペイン人コーチ二人もアルテタのもとコーチングスタッフを務めている。

カルロス・クエスタは26-7歳ながら既にUEFAプロライセンスを取得しており、学生時代にひたすら世界中のコーチに手紙を書いたりメッセージを送りまくったりと物凄い行動力の持ち主なので将来が楽しみでもある。

モリーナはメンタル面とフィジカル面を両方トレーニングできるような練習メソッドが専門、またクエスタに関しては個人トレーニングを得意とするようなので、どちらかというと現時点ではチーム全体の戦術などをコーチングするというよりも、各選手ごとに練習メニューを考えたりなどといった役割を担っているのではないかと推察される。

こうしてみると、アルテタは直属のアシスタントにはスタイフェンベルフ(蘭)やラウンド(英)、そしてセットプレイコーチのジョヴェル(仏)と比較的国際色豊かなメンツを揃えている一方で、練習を直接指導するポジションのコーチには選手と同世代かつ同郷のスペイン出身の二人を揃えているのは興味深い。

イナキ・カナ

アーセナルでGKコーチを務めるのがスペイン出身のイナキ・カナで、彼もまたブレントフォード在籍経験があるコーチだ。。

近年のアーセナルのGKはかなりうまくいっているという印象だし、アーセナルで成長を遂げているという選手もいるので恐らく良いコーチなのだろうとは思うが、報道を見るに、隙あらば自身が指導したことのあるGKの獲得を進言しているっぽく、かつその見る目が若干怪しいようなのが玉に瑕。

ラムズデールに関しては、GKコーチによる推薦ではなく、アルテタ自身が望んだ獲得だったとされているが、レノの移籍の可能性が高まっているアーセナルは第二GKが近々必要になると思われ、いったい誰を獲得するのか目が離せない。

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Posted by gern3137