アーセナルは明確な戦略をもってジョー・ウィロックの去就を決定しなくてはならない 後編
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すべてはアルテタのチーム作りのビジョン次第だと言えるだろう。選手のタイプの違いがチームにとって障害となることもある。
例えばだが、トーマス・パーティが怪我をして彼の代わりにウィロックを投入したとしよう。この二人は全くタイプが異なるMFであり、ウィロックがパーティと同じ戦術上の役割を果たすことはできないだろう。
だが、バリエーションに富んだ選手をそろえることにはポジティブな点もある、特にベンチに関してはそうだ。ローン先で決めた得点のうち3得点は途中出場で挙げたものだし、アーセナルで一番最近上げたセントメリーズでの得点も途中出場からのものだった。そういう意味では、ウィロックは非常に面白い選手だ。
アルテタが試合途中でフォーメーションを変えるのを好まないことを我々は知っているが、フォーメーションを変えずとも選手を変えてチームの意図を変えることが出来る。
例えばアーセナルが1点ビハインドの状態で、中盤にはパーティとエルネニーがいるとしよう。ここでエルネニーに変えてウィロックを投入すればアーセナルは前線で得点を決めることが出来る選手を一人増やすことが出来る。
もちろん、とはいえニューカッスルでのウィロックの好調がアーセナルでも継続するとは限らない。アーセナルでウィロックはプレミアリーグで満足な活躍を見せたことはほとんどなく、ニューカッスルが興味を抱いているうちに売却するべきだという意見にも一理ある。
ローンシステムは若手を育てて自チームに迎え入れるためだけではなく、他のクラブの目に留まるショッピングウインドウのような意味合いも兼ねているのだ、という理屈だ。
恐らく今であればニューカッスルは一月の時点では支払うつもりがなかったような額の移籍金も払う用意があるだろう。
ウィロックの得点も手伝って彼らはプレミアリーグに残留できたため、より使える資金もあるはずで、ウィロックを完全移籍で獲得を目指すことも出来るだろう。
ウィロックの残り契約は二年となっており、アーセナルがもしウィロックをチームに残すつもりがあるのであれば、そろそろ契約延長交渉を始めなくてはならない。
個人的には、アーセナルは現時点でウィロックとの契約延長に乗り出すべきだとは思わない。となると、自然な筋書きは、夏にいったん呼び戻し、年末までにファーストチームで出番を定期的に与えられるべきだと証明できなければ、冬の放出を考慮する、という形だろうか。
だが、ヨーロッパリーグがないことで、ウィロックにとってはセーフティーネットがない状態だ。グループステージの6試合がなければ、アルテタがウィロックの将来を判断する材料はそこまで多くないかもしれない。
もしアーセナルが欧州コンペティションの出場権なしでウィロックを留めることを決めるのであれば(金銭上の制約から、獲得できる選手と放出できる選手の兼ね合いによっては致し方なく留めるしかなくなる、というケースもあるかもしれない)、クラブは本気でウィロックにプレミアリーグで出場機会を与えるためのプランを練らなくてはならない。
アーセナルにそこまでするつもりがあるだろうか?そして、ウィロックにはその準備が整っているだろうか?
私自身としては、どちらかというとウィロックを売却し、その資金を投資に回し、アズィースといったほかの若手たちをトップチームにあげて使うのは面白いのではないかと思う。
確かに短期的に見てアーセナルの中盤は懸念だが、いずれどこかのタイミングでアーセナルは短期的なことを考えて、このその場しのぎの高価なサイクルから抜け出す必要があるだろう。それが、何か月間一部のポジションで人数に不安を抱えることを意味したとしてもだ。
アーセナルが欧州コンペティション出場権を獲得できないのであれば、試合数が減るのでチームのスリム化が必須だ。彼がテクニカルな安定性を欠くことを考えると、彼がペペやマルティネッリといった同じようにボックス内では有効だがボール保持に長けているとは言えない選手たちと共存しているところを想像するのは難しい。
だが、最近アーセナルはスミスロウとウーデゴールを2人の8番として起用するようなそぶりを見せており、私が思うにウーデゴールよりスミスロウがこの役割に適応しているように見えるが、このポジションであればスミスロウと並んでウィロックを起用することはできるかもしれない。
実際のところ、ボール保持力が高いスミスロウとボールを縦に運べてエリア内でオフザボールのランが得意なウィロックのコンビというのはなかなか補完性がありそうだ。
アルテタはウィロックの将来を考えるうえで、チームの現状と将来の方向性両方を考える必要がある。
恐らく最終的にニューカッスルあるいは他のウィロック獲得を望むクラブのオファーの額次第、ということになるだろう。
もしアーセナルが受け入れられるような額のオファーがなければ、クラブはウィロックのためのプランを用意しなくてはならない。
単に彼を手元に置き、ぼんやりと成長してくれないかと願うだけではダメなのだ。彼の成長にはガイダンスが必要だ。これは売却するか残すかの問題ではない。ウィロックを売却するか、ウィロックにコミットするかの問題なのだ。
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