エミール・スミス=ロウはエジルの後継者となりうるか 後編
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スミス=ロウのアーセナルでのキャリアの初期
もちろん多くの方がスミス=ロウがどのような選手なのかは既に知っていると思うが、彼のことをよりよく知るために、アーセナルの若手のエキスパートジョージ・バードに彼のかつての評判についてのコメントをもらった。
ユース時代からスミス=ロウは高い評価を受けており、実際より上の年代でプレイすることも多かった。バルセロナをはじめとしたクラブが興味を示していたが、彼はより若手が活躍できる可能性が高いと感じたアーセナルに留まることを選んだ。ユースレベルでは左サイドで使われることが多かったが、素晴らしいパスから試合を支配した。
Jeorge Bird
ロウはイングランドの世代別代表にも選出され続けており、特にU-17ではハドソン=オドイやフィル・フォーデンらと共にユースW杯を優勝している。
もとからその才能は明らかだったが、2018年についにエメリ体制でヨーロッパリーグの試合でファーストチームデビューを果たし、リーグカップにも出場した。
しかし、エジル、ラムジー、ムヒタリアンが揃っていたこともあり、冬にレンタルに出ることとなった。
2019: 停滞の一年
ヨーロッパ1部リーグの多くのクラブが興味を示していたが、競争に勝ったのはライプツィヒだった。だが残念なことに、入団前の怪我から完全に回復することが出来ず、ドイツでは3試合の出場にとどまってしまった。
それでも、ライプツィヒの心を動かすには十分だったようで、その後ライプツィヒはスミス=ロウを20m£程度で完全移籍で獲得しようとした。また、ローンの一年延長というオプションも考慮していたようだ。
したがって、プレイ時間が限られていたにもかかわらず、ヨーロッパでも有数の若手を多く輩出することで知られるライプツィヒもロウの才能をみとめていたということになる。
ハダスフィールドでの復活
19/20シーズンの前半の多くをロウはケガからの回復に費やした。3試合に出場があったものの、アルテタがアーセナルにやってくる頃にはより多くのファーストチームの出場機会が必要なのは明らかだった。
その結果、またしても多くのクラブが獲得に乗り出したが、結果的に2部のハダスフィールドへのローンが決まった。これに関してはお互い満足しているに違いない。ロウは、ハダスフィールドの復活のきっかけとなったといっても大げさではないくらいだ。
彼はここまで8先発で1ゴール3アシストを記録、常にここまでトップ下としてプレイしている。監督のカウリーも、スミス=ロウがもたらしたインパクトを称えていた。
ハダスフィールドのファンは彼を、同じように8試合レンタルでプレイした、レスターの左サイドバックチウウェルと比べている。
オプタのアナリストであるデイビッド・ハートリックもまた、"彼が来季アーセナルに戻ることは間違いない"ため、今季のうちに"素晴らしい"スミス=ロウの姿をハダスフィールドファンは楽しむべきだと述べている。
ロウはハダスフィールドの攻撃を完全に変えてしまった。リーグが再開すれば我々はもっと多く彼の融資を見ることになるだろう。彼がイングランド代表に選ばれるような選手に間違いなく、ハダスフィールドファンは我々はかつてスミス=ロウが自分たちのチームを着ていてプレイしたところを見たことがある、といえるように一度は彼の姿を観に行くことをおすすめするよ。
Opta Analyst David Hartrick
スミス=ロウがアルテタのプランにフィットする理由
スミス=ロウのプレイを見ていて、最も印象深いのはそのプレーのスピードだ。彼は瞬発力を備えており、そのおかげでユース時代はサイドでプレイすることが多かった。
彼はいつもドリブルあるいはパスを駆使してボールを前に運ぶことを考えており、この迷いのなさが彼をチャンピオンシップで際立たせている。彼は今後アーセナルで何年にもわたって活躍できる可能性がある。
監督のカウリーも以下のようなコメントをロウに関して残していた。
スミス=ロウはとてもステキでトップレベルのプレイヤーだ?スペースを見つけるのが得意だ。彼なら電話ボックス内でもスペースを見つけられると思うよ。彼はプレイのスピードを上げられる。
Huddersfield Town manager Danny Cowley
彼はプレミアリーグレベルの選手だ。だからその分ハイレベルな要求をしているよ。トレーニングでも試合でもね。
また、彼の身体能力もアルテタにとっての魅力だろう。今のチームには中盤から駆け上がっていけるような選手がいない。
また、我々は監督が中盤の選手に献身的にプレスをかけることを望むというのも知っている。このため、本来はボックストゥボックス型のウィロックがトップ下のようなポジションで起用されることもあった。
エヴァートン戦ではゲンドゥージを前目の位置で使ったことすらある。ロウのパワーとスピードは適切に起用されれば大きな脅威となるだろう。
オーンスティンが指摘している通り、エジルが契約切れまでチームに留まるのだとすれば、アルテタは来季をフルに使ってスミス=ロウにプレッシャーをかけすぎることなくトップチームに溶け込ませることが出来る。
結論
アルテタは現代型の攻撃的MFに何が必要なのか良く知っているはずだ。彼はシティでデブライネを指導しているのだから。
デブライネもまた、ヘンク時代にはサイドでプレイしており、試合のペースを変える能力と、高い身体能力を備えている。
もしアルテタがデブライネを指導することで得た知識を、スミス=ロウを育てるのに生かすことが出来れば、アーセナルは既にエジルの完璧な後継者を手にしているかもしれない。
10歳からアーセナルアカデミーに在籍しており、才能豊かなこの若者が、そのポテンシャルを実現できることを願おうではないか。
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コメント一覧
まずスピード、衰えてる。何があったか知らないが、プレイのスピードも、走る速さも。もう一つ疑問点。なぜアルテタ就任と同時に出たのか。
エジルの後継者などいない。彼はサッカーより大きな存在になりつつある。矮小化し、分断をあおるか、それとも…。現在アメリカで起きてることがその答えになる。