ウエストハム戦の3つのポジティブな点
アルテタ体制になってからのアーセナルは非常にポジティブだ。パフォーマンスに結果がついてこないこともあったが、いくつか明確な改善がみられている。
だが、今回のウエストハム戦はその逆で、結果は得たもののパフォーマンスは単調だった。とはいえ、ポジティブが見つからなかったわけではなく、今日はこの試合の3つのポジティブな点を見ていこう。
サカの安定したパフォーマンス
この試合でサカはとりわけ目を引いたとはいえない。アシストも得点もなく、チャンスを2つ創出しただけだ。だが、ウエストハム戦でのパフォーマンスは、普段の煌めくようなパフォーマンスと比べても引けを取らず非常にポジティブだったと思う。
若手に最もつきものの弱みというのが、好不調の波が激しいというものだ。彼らは素晴らしい試合を見せたかと思うと、翌週には最悪だったりもする。
彼らは凄まじいパフォーマンスを見せるのにフォーカスしすぎるあまり、逆に調子を落としてしまうことがよくあるものだ。
だが、今回のサカはその逆で、ウエストハム戦では得点もなければ相手DFをぶち破るような場面もなかった。だが、90%以上のパス成功率を保ちながらボールをつなぎ続け、3回中2回のドリブル成功、ペナルティエリアに7本のクロスを入れ、そのほとんどすべては非常に危険なボールだった。
ボールロストは非常に少なく、堅実で丁寧なパフォーマンスだった。18歳にしてこのような大人なパフォーマンスが見せられるというのは非常に有望だ。
復活しつつあるラカゼットの自信
ラカゼットが今季苦しい時間を過ごしていることに疑いの余地はない。二か月以上ゴールがない時期を経験し、自信喪失、20歳の選手にスタメンの座を奪われた。
だが、ゆっくりとしかし着実に、回復のサインは見え始めている。ラカゼットはニューカッスル戦でゴールを決め、オリンピアコス相手にも得点した。
セカンドレグではそこまで目立ちはしなかったが、ウエストハム戦では途中出場から決勝点を挙げた。
得点は至近距離からの冷静なボレーだったが、それ以上に得点以外のプレイに期待が持てた。彼のタッチは良くコントロールされ、ウエストハム相手でもパワフルで力強かった。
パスはピンポイントで、チームメイトを使う動きも素晴らしい、これぞラカゼットだった。
これから彼が昨季の調子を取り戻すことができれば、アーセナルの攻撃陣は脅威となるはずだ。オーバメヤンがチームを引っ張らなくてはいけない時期が長かったが、ラカゼットが自信を取り戻せば、アーセナルはオーバメヤン依存から脱することができる。
何よりも大きい勝ち点3
もちろん試合は結果が全てではなく、勝ち点に関係なく、長期的な目線で見た場合にはパフォーマンスの内容の方がサッカークラブの良い指標になる。
結果は運に左右されることもあるが、何試合も重ねるうちに、結果的にはチームの勝ち点もパフォーマンスのクオリティと一致してくるものだからだ。
しかし、それでもシーズン後半のCL出場権争いも佳境に差し掛かるような時期には、最も重要なのはえてして結果なのだ。これが今のアーセナルにも当てはまる。
アーセナルはウエストハム戦で勝利に値するパフォーマンスは見せられなかったかもしれない。継続して勝ち続けることが期待できるような内容ではなかった。
だがそれでも、勝ち点3がアーセナルをトップ4、トップ5争いにとどめてくれた。ヨーロッパリーグ敗退の後では、これ以上に重要なことはないだろう。
アーセナルがCL出場権を得るにはシーズンの残りをほぼ完ぺきに終えねばならないだろうが、そのためには内容で勝てていなくても結果をもぎ取ることも重要になる。どんな勝ち取り方をしても勝ち点3は勝ち点3で、時にはそれが最も大切なのだ。
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