アーセナルの攻撃が機能しない理由
私はもう考えうる限りあらゆる言い方でアーセナルの守備がいかにクソであるかについての文章を書くのには飽き飽きしてしまった。チェンバースのアスリート力の不足や、ソクラティスの技術の欠如や、ルイスの判断力の悪さ、そしてなぜムスタフィがほんの少しでも守備力が要求される状況でテンパってしまうのかについての分析はもううんざりだ。
というわけで、今回は、たまにはアーセナルの攻撃がなぜうまくいっていないのかについて書いてみようと思う。こちらの方が少しは読む気がするだろうか?もしそうであれば素晴らしい。
とはいえ、アーセナルの攻撃があまり良くないというのは一見奇妙に思える。なぜなら、選手たち一人ひとりを見るに、彼らは素晴らしいアタッカーたちだからだ。
アーセナルの選手層は攻撃陣にひどく偏っており、アーセナルのトレーニンググラウンドが傾いていないのが不思議なくらいだ。エジル、ペペ、ラカゼットにオーバメヤンはプレミアリーグのどのクラブにとっても妬みの的だろう。
問題は、普通のやり方では彼らを一緒に起用することが出来ないことだ。ラカゼットとオーバメヤンは仲が良いが、ピッチ上での連携に関しては、コールとヨークや、ベルカンプとアンリのようなレベルにない。だが、それにもかかわらず、アーセナルはこの両者をそれぞれ異なる理由で必要としているのだ。
オーバメヤンはずば抜けた得点力があり、この4人の中では絶対に欠かせない存在だ。彼をメンバーから外すのは考えられない。彼は本来のポジションではないサイドで起用されても、得点を稼ぐことが出来る。
だが、彼のクオリティの多くはピッチ上の最後の20ヤードに凝縮されており、ラカゼットがいないときには、彼は常に孤立してしまうリスクがある。
オーバメヤンはサイドでボールを運んでくれる二人の選手、あるいは(それにプラスしてであれば申し分ないが)サポートしてくれるトップ下の選手が必要なのだ。
一方でラカゼットはトップ下とストライカーの間くらいの9.5番タイプの選手で、中盤と攻撃をつなぐことが出来る。だが、その代わり、特にアウェイでは、彼の得点力はほとんどない。
ペペに関しては、実際はファンの評価に反して、私は個人的に彼はそれなりによくやっていると思う。今以上の活躍が出来るだけの才能を有しているのは確かだが、今季もすでに何度も良いポジションでよいアイディアを持っているところを見せている。単に最後の一歩で躓いているだけだ。
だが、ついに本領発揮かと思われたところで恐らくピッチ外での問題だと思われるが、ベンチ続きとなってしまっている。
これにより、クラブは複雑な状況に置かれている。アーセナルは72M支払って競争を制し獲得した選手がベンチで市場価値を下げていくのを見守る余裕はない。ポーカーで言えば、所持金を全額賭けて勝負しているようなものなのだ。
クラブは昨夏の終わりにかけて、パニックのようにイウォビとモンレアルを売却し、その資金をねん出しなくてはならなかった。
既にラムジー、ウェルベックをフリーで放出しており、エジルの契約管理には失敗し、4年連続CL出場権を逃すのが濃厚で、アーセナルの信用度は既に大幅に下がっているのだ。ペペの獲得はクレジットカード限度額ぎりぎりまでの前借りのようなもので、エジルとラカゼット、オーバメヤンの契約切れが2021年に迫る中、ペペには少なくとも中期的なガナーズの攻撃陣の中心くらいにはなってもらわなくてはならない。
(後編に続きます)
(Source: https://arseblog.com/2019/12/attack-is-the-best-form-of-doh/ )
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