クロエンケに所有されている限りアーセナルはリーダーシップを欠き続けるだろう
先週私は、エメリがチームにもたらすメンタリティいかにアーセナルと相性が悪いかについて書いた。エメリは確かにコミュニケーション力は高くないが、それでも、良くない結果にもかかわらず、チームが彼の指示を遂行しており、プラン通りの試合を行っている、という点を一貫して主張してきた。
そして、今週もまた、レスター相手に枠内シュート一本い終わった試合に関しても『がっかりしているが、選手の姿勢は良かった。ゲームプランをきちんと遂行してくれた』と試合後にコメントしていた。
そして、 『レスターが一点目を決めた際に、我々が試合で何かを成し遂げるという機会はなくなってしまった』ともコメントし、 彼のゲームプランはヴァーディが得点を決めた瞬間に崩れてしまったと認めた。
エメリのもとチームの変革は望めず、それを証明するかのようにエメリ自身がそれを我々に教え続けてくれているのだ。エメリがこのままエメリらしくいるのであれば、彼にいつまでアーセナル監督の座を許し続けるのかは、ジョシュ・クロエンケ、ラウール・サンジェイ、そしてエドゥ・ギャスパーの責任だ。
多くのサポーターが、レスター戦の敗戦を受けてエメリの解任は早まっただろうと予測、あるいは願った。だが代わりに、ファンを迎えたのはオーンスティンが報じたクラブは100%エメリを信頼しているという報道だった。さらに悪いことに、クラブはサポーターの不満を"ノイズ"だととらえているのだという。
KSEがアーセナルの所有権を握って以降、常にアーセナルは口だけはうまかった。昨年ベンゲルとガジディスは去り、エドゥとサンジェイがアーセナルの未来を象徴するかのように、夏には素晴らしい取引もまとめ上げた。
だが、この一連の報道を見る限り、またしてもファンはうまく騙されていただけのようだ。それが、オーンスティンが報じた『クラブは現在のプロジェクトが健全で、"外部の空気感(訳注=ファンのこと)"が障害とならない限り、成功するだろうと信じている』一文に表れている。
ピッチ内でアーセナルにリーダーが欠けているのは今に始まったことだが、アーセナルファンにとっての悲しい事実は、ピッチ外でもクロエンケがアーセナルを所有している限り、リーダーシップを欠き続けるだろうということだ。
エメリは自身の瑕疵を若手を起用する方針のせいにして逃げ続けており、一方クラブの上層部はファンに真っ向から喧嘩を挑んできた。
ジャカがサポーターのフラストレーションの矛先になり、サンドバッグのような扱いを受けたのは非常に不幸な事件だったが、そもそも、アーセナルの一番の問題は(本来は単なる事務的な手続きで済ませられたはずなのにエメリが対処を間違えたせいで問題は悪化したとはいえ)、ピッチ上のキャプテンではない。ピッチ外でクラブを導く存在がいないことが問題なのだ。
私が思うに、ついにファンの間で、KSEは現状のアーセナルに満足しており、ファンのことを収益を上げるために面倒だが機嫌を取らなければならない存在ととらえている、という認識が広がりつつあるようだ。
この認識は、サポーターの間での楽観と希望を消し去り、怒りと無関心をもたらす。誰がどのような意図で上の情報をオーンスティンに流したのかは知らないが、完全なる悪手だった。ジャカの一件でアーセナルファンをつつけばどのような目に合うか、クラブ上層部は学習すべきだったはずなのだが。
究極的には、これが続いていけばクラブのコアな魅力であるはずのアーセナルの試合を見るという経験はその魅力を失っていき、 ‘スタジアムに空席が目立つようになるだろう。
競争力のないチームが退屈し、怒ったファンを前にしてサッカーをするところなど誰も見たくはないし、チケットは売れなくなるだろう。KSEが次に何か情報を流す際には、もう少し慎重に言葉遣いを考えるべきだ。
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