サカとアーセナルはリズムを取り戻せるか?

分析Tim Stillman,海外記事

ブカヨ・サカのアーセナルとの契約延長が今週公式発表された。

これは腹に重い一撃を食らったかのように感じているに違いない今のアーセナルファンにとってこれは素晴らしいニュースだが、この件はずっと信憑性の高いメディアで報じられ続けていたことで、少しスビメンディ獲得の時のような雰囲気がある。

スビメンディ獲得はアーセナルファンにとって早めに開けてしまったクリスマスプレゼントのようなもので、発表があった時点で既にその情報を何週間、何か月も前からファンは知っていたので、この獲得の重要性が覆い隠されてしまった。

感情に関しては、結果だけでなく、順番も重要だ。例えば、同じ2-2の結果の試合でも2-0のビハインドからの2-2と、2-0でリードしている場合-恐らくこの話題は今は避けたほうが良さそうだ。

サリバとガブリエルに続くサカの契約延長は彼らが今のアーセナルのプロジェクトを信じていることを示しており、彼らがアーセナルに将来をコミットしてくれたことの価値に思いを巡らす意味はある。

ただし、今季のサカが想定よりも数字を残せていないのもまた事実だ。サカだけでなく、アーセナルのアタッカーほぼ全員の数字が低迷しており、これには単なる個人のパフォーマンス以上の理由があると思われるが、サカに関して言えば、怪我がかなり影響を与えている。

昨季のハムストリングの怪我の影がちらつき、これは彼の起用法にも影響を与えているように見える。

今季アーセナルはウォームアップ中に怪我をし先発を外れる、という選手のケースが何度かあるが、これはどちらかというと、監督とコーチ陣が選手の健康管理に非常に慎重である、というのを表しているのではないかと思う。

選手層が厚くなったことに伴って、チームは筋肉の状態に少しでも懸念がある選手をリスクを冒して起用する必要がなくなり、彼らをメンバーから外すことが出来るようになった。

また、8月のアンフィールドでのサリバの4分での交代も影響している可能性がある。彼はウォームアップ中に違和感を感じ、プレイできると思ったものの、結果的に序盤に交代することとなった。その後サリバは3週間離脱することとなった。

昨季の後半戦にガブリエル、ハヴァーツ、サカ3人がハムストリングの怪我を負ったこともあり、今季は慎重な方針を採っているのだろう。

結果として、今季サカは出場38試合のうち90分プレイしたのは16試合しかなく、うち10度は交代による出場だった。一試合当たりの出場分数は65分と昨季の72分より減少している。

さらに一年前の23-24シーズンは平均出場分数は79分で、22-23シーズンは74分だった(これはイングランド代表での数字も含む)。

アーセナルは昨夏50m£を費やして早い段階でマドゥエケを獲得しており、サカの負担の軽減を課題と考えていたのだろう。

サカはエランドロードでウォームアップ中に離脱したが、以前までであれば、多少無理をしてでも出場していたかもしれない。だが、控えにマドゥエケがおり、アルテタがリスクを冒す必要性は減少した。

もちろんこの方針はサカだけでなく、チーム全体に適用されているが、監督はシーズン終盤のクライマックスの時期にベストコンディションのサカを起用できるようにしたいと考えているのだろう。

ただ、短期的にはこの方針がサカのリズムに影響を与えているように見える。もちろん、長期的に見ればこれがサカにとってプラスに働く可能性は大きいが、サカはこれまでと違い、より散発的な負荷に適応する必要があった。

アスリートの体は与えられた負荷に応じて慣れていくもので、ロナウドやメッシ、サラーやハーランドのような選手はインテンシティの高い環境でずっと負荷がかけられてもそれが怪我につながるということはあまりなかった。

もちろん、このような負荷は、ブラジルのロナウドやファンバステン、ネイマールのように、トップレベルでのキャリアを短くしてしまうリスクもはらむが。

また、今季のアーセナルはそもそも攻撃陣全体がリズムを欠いている、という問題もある。どの試合でもサリバ、ガブリエル、ティンバー、ライス、スビメンディ、ラヤといったチームの守備陣は安定してプレイしているが、前線はより選択肢が多く、また、今季の現時点においてもまだアルテタはベストな組み合わせを見つけだえていないようだ。

ウーデゴールは怪我と不調の影響で、サカが先発した試合のうち7試合でしか右8番としてプレイしておらず、しかもそのうちの2回はハーフタイムより前に怪我で交代となった。

その他の試合では右8番でエゼが10度プレイしたが、彼は右サイドが最も適正な位置ではなさそうだ。加えて、エゼはウーデゴールと比べると遥かにボールに触る回数が少ない。

また、最近はサカ自らがこの右の中盤で起用されているが、ウルブズ戦での起用はどちらかというと他に選択肢がないことが理由であるように見えた。

基本的にはチームの攻撃の中心であるスターを本来のポジションと異なる位置で起用するというのは、リーグ優勝を果たすチームが行う起用法ではない。ウーデゴールとメリーノ、ハヴァーツの不在という事情はあったが、基本的にはこういった起用は不調のチームが行うものだろう(そして、だとすれば、エゼの獲得に少々疑問が残る)

かつてのサカ-ウーデゴール-ホワイトの黄金のトライアングルは、右サイドバックのポジションをティンバーがものにしたことで再現できなくなった。

そして、ストライカーのポジションも安定していない。最近はギョケレシュとジェズスがプレイ時間をわけあっているが、彼らは全く異なるタイプの選手だ。

サカは自身のプレイ時間が安定しないだけでなく、彼の周囲も全く一貫していないのだ。

サカが今季、以前よりも散発的に起用されていることが、今季全体を通してみた際にはプラスに働くと願うしかなく、またアーセナルの攻撃陣のローテーションが出たとこ勝負ではなく、より機能する形となってくれることも願いたい。

アーセナルには多くの良いアタッカーがいるが、恐らく真にワールドクラスのプレイでチームを引っ張ってくれる可能性を秘めていそうなのはサカだけだ。

アーセナルとサカがそのポテンシャルを限界まで引き出すには、シーズン最終盤でなんとか安定したリズムを取り戻す必要がある。

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Posted by gern3137