今年中にアーセナルが解決する必要がある3つの課題
タイトル争いをするチームにとって、大体の場合、シーズンの前半と後半は大きく異なり、前半のうちに色々なことを試す場合もある。
欧州コンペティションのグループステージ、リーグ杯、頻繁に訪れる代表ウィークと、年内と年明け後ではかなり試合のリズムが異なる。また、移籍直後の選手は適応までに時間がかかることも多い。
去年の今頃アーセナルファンはまだラヤとハヴァーツの獲得が成功だったのか自信を持てていなかったはずだ。ファンが納得するにはここからさらに数か月を要した。
今季のアーセナルは主力の怪我と退場が相次いだ影響もあり、既に3試合で勝ち点を落としている。レッドカードが出た段階ではアーセナルはブライトンとシティ相手にはリードしていたし、ボーンマス戦でも0-0だった。
今季のアーセナルはここまでの所順調とは言えないが、リーグ優勝を収めるシーズンの多くはそこまで順調には始まらないものだ。2001年の秋にはアーセナルはホームでボルトン都やブラックバーンと引き分け、クリスマス前に既にリーズとニューカッスル相手に敗北を喫していた。
2003年のクリスマスにはアーセナルは3位だったが、この年アーセナルは2位に勝ち点10の差をつけて優勝を果たした。1997年のクリスマスはなんと6位だったが、この年もリーグを優勝している。
もちろん、今のサッカー界にはマンチェスター・シティがいるため事情は少し異なる。ただ、そのシティもシーズン前半は課題に直面し、それにグアルディオラがシーズン後半に答えを出す、ということは多い。
プレミアリーグのシーズン前半に重要なのはチームの弱みをきちんと消していきながら、首位のチームに話されすぎないようにすることなのだ。
それを念頭に置いて、今季のアーセナルの前半戦において答えを出したい問いをいくつか見ていこう。
ウーデゴール、メリーノ、ライスの中盤は機能するか?
ウーデゴール、メリーノ、ライスの3人が中盤に揃わない、というのが恐らく今期のアーセナルの不調の一因でもあるだろう。 シーズンの早い時期にメリーノとウーデゴールが怪我をしてしまったためまだ見られないが、アルテタは今季新たな中盤のトライアングルを形成することを考えていたはずだ。
個人的には、特にウーデゴールがいない場合において、ライスを前で起用するのは最適な形ではないと思う。ボーンマス戦ではライスとメリーノがダブル8番のような形で起用されたが、少し二人とも重たく感じられた。
この二人が流動的にポジションを入れ替えながらプレイするのか、あるいはライスがより低い位置に下がるのかはまだ少し不透明だが、いずれにせよもう少しこの二人は連携を磨く必要があるし、それには少し時間がかかるだろう。
この記事で分析されている通り、ライスのパス能力が少し過小評価されがちだが、実際にはジョルジーニョやパーティと比べてそこまで劣るわけではない。恐らく、スムーズにパスを出せるようにもう少しボールを受ける際の体勢は改善の余地があるが、これはコーチングで解消できる課題だ。もちろん、そこまで時間はないので、素早くライスに学んでもらう必要はあるが。
ミケル・メリーノの獲得は、アルテタが8番の選手に何を求めているかをかなり明確に示しているように感じられる。
もともとアルテタはこのポジションにジャカを起用しており、ジャカの後継として獲得したのはカイ・ハヴァーツだった。
ハヴァーツがストライカーとして花開いたため次に獲得したのがまたしても長身のデュエルモンスターであるミケル・メリーノだった。ファビオ・ビエイラやエミール・スミスロウといったより体格が小さくスマートなタイプの選手がこの位置であまり起用されなかったのも象徴的だ。
中盤においてウーデゴールが怪我からの復帰後に何を担うのかは明確で、彼がもたらすファンタジーと献身性の融合は今のアーセナルが必要としているものだ。
彼の不在の間アーセナルの中盤は少し無機質になってしまい、特にサカ不在時にそれが堅調に現れている。ウーデゴール-ライス-メリーノの中盤をいかに早く機能させられるかは、今季のアーセナルの命運のカギを握るだろう。
ジェズスとスターリングの力をより引き出す
10月の代表期間で招集がなかったにもかかわらず、ジェズスはボーンマス戦の先発メンバーに食い込むことができなかった。ウーデゴールとサカが不在で、マルティネッリもベンチだったことを考えると、これはジェズスの陥っている苦境を表している。
ジェズスはスコアが2-0になるまで登場することはなかった。
レスター戦でもロスタイムまで出場機会がなく、シャフタール戦では先発したものの68分で交代となった。出場機会の少なさを考えると、彼が休養を必要としているということはないだろう。ジェズスはアーセナルでのキャリアを再生させる何かしらのきっかけを必要としているように見える。
また、ラヒーム・スターリングも同様に前線のローテーション要員に留まっている。ただ、そもそもスターリングはジェズスと異なりアーセナルでの過去の実績があるわけでもない。
獲得が発表された当初はアーセナルはかなり交渉をうまく進めたかのようにも見えたが、シーズンが進むにつれて、単に他に何もオプションがなかっただけではないか、と思われ始めている
ローン終了後にアーセナルに残る可能性はほとんどないように見えるが、それでもスターリングは次の契約を見つけるためにプレイする必要はあるだろう。
正直、スターリングは散発的に先発し、リーグ杯で得点を挙げる、以上のオプションとなってくれることを期待していた。彼はデニス・スアレスよりヨッシ・ベナユンに近いことを願っているが、そのためにはもう何段かギアを挙げてもらう必要があり、アーセナルも彼の貢献がもう少し必要だ。
マルティネッリを軌道に乗せる
Embed from Getty Images一方で、スランプ期間を乗り越え、上の二人よりはより良い方向に向かっているように見えるアタッカーがマルティネッリだ。彼の得点やアシストは少しずつ以前の水準に戻りつつあるようだ。
だがもちろんまだまだ改善の余地はあるし、彼はかつての水準に戻るだけでなく、それを越えるレベルに達することを狙っているだろう。
逆サイドのブカヨ・サカと比較され続けることは彼の宿命と言ってもいいだろうが、まだマルティネッリは23歳で、キャリアのピークはこれからのはずだ。
スランプの期間を抜け出し、これから彼が『マルティネッリがついに復活した』から『世界屈指のウイングの一人だ』へと飛躍してくれることを願おう。
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