【インタビュー】ルイス=スケリー: ピッチ内外でのマルチタレントとヌワネリとの絆
マイルズ・ルイス=スケリーは、平凡なサッカー選手ではない。それは、彼がどれほど早く、そしてスムーズにプレミアリーグに適応しているかを見れば明らかだ。
それはピッチ外での振る舞いに関しても現れており、ヘイルエンドアカデミー出身の彼は、すでに次世代の若手選手たちの模範となる存在へと成長している。
アカデミーマネージャーのペア・メルテザッカーは、今月の初めに彼に「若手模範選手賞」を授与した。クラブ内の若手選手たちに彼が与えている良い影響を称えるためだ。これは、18歳の彼の今シーズンの目覚ましい活躍の中の一章に過ぎず、昨年9月にマンチェスター・シティ戦でトップチームデビューして以来、彼は前進し続けている。
サッカーと学業の両立
特筆すべきは、彼がサッカー選手としてのキャリアを歩みながら、同時に学業にも取り組んできたことだ。
アーセナルのトップチームで活躍する傍ら、ルイス=スケリーは現在もASレベル(大学入試相当)の試験に向けて勉強中だ。以前には、イングランド代表として国際大会に参加しながらGCSE(高校入試相当)試験を受けたこともある。
Our School House and garden back in 1935!
— Aldenham School (@AldenhamSchool) January 9, 2024
Can you spot any differences? pic.twitter.com/8W3OYlKwOh
(ルイス=スケリーの母校、アルデナムスクール)
しかし、学業とフットボールの両立は、アルデナムスクールに通いながらアーセナルでプレーしていた頃から慣れているという。
「大変なこともあったけど、先生や周りの人たちのおかげで、学業とサッカーの両立がずっと楽になった」とルイス=スケリーは語る。
「重要だったのはコミュニケーションだね。先生たちは予定を前もって教えてくれたし、僕自身も時間の使い方をしっかり計画していた。サッカー選手の予定はよく変わるから、それを先生たちに理解してもらうことが必要だった。
説明することがすごく大事だったんだ。理解してもらうのが難しい時もあるけど、だからこそコミュニケーションが重要なんだと思う。ほとんどの先生が僕をサポートしてくれたよ。一人くらいはわかってくれなかった先生もいたけどね!笑 でも、僕は学校が好きだったし、サッカーも勉強もどっちもやりたかったから、学業を疎かにしたことはなかったよ。
『マイルズ、勉強はしなさい。好きか嫌いかに関係なく!』っていうのが、両親とのいつもの会話だったよ。でも僕は『OK』って言って、できる限り頑張った。だから、子供の頃はほとんど勉強とサッカーしかしていないよ。『学校、サッカー、寝る』を繰り返す、っていう4年間だった。 友達と遊んだり、パーティに行けないこともあったけど、何かを成し遂げるためには犠牲を払わなきゃいけないからね。
いずれにせよ、学校はとても楽しかった。特にスペイン語と国語さ。小論文を書くのが好きなんだ。自分を言葉で表現するのが好きで、今も日記をつけている。これは僕の大事な習慣の一つさ。」
ルイス=スケリーは、先生や、友人たちの支えも大きかったと語る。
「友達も皆本当に素晴らしかったよ。僕の事情を理解してくれて、サポートしてくれたし、一緒に頑張ろうと後押ししてくれた。
時には犠牲を払うことも必要だけど、すべては目標のためだった。大変な時期もあったよ。でも、どんなことも努力なしでは成し遂げられないから、乗り越えなきゃいけない。その時に周りの支えが必要なんだ。母、父、先生、友達、アーセナルの人たち―みんなが助けてくれたよ。
学校にはほかにもサッカー選手が何人かいたけど、彼らはサッカーを優先しすぎて、バランスが取れていなかったのかもしれないように見えた。母さんから常に学業が優先、と教わってきたからね、そうやって僕は育ったんだ。」
ルイス=スケリーの母、マーシャ・ルイスさんは現在、『No1Fan.club』という団体を立ち上げ、若手サッカー選手の親を支援する活動を行っている。
「自分はまだ関わっていないけど、近いうちに手伝うことになるかもしれない。もうすぐイベントを開催する予定だから、必要ならサポートするつもりだよ。でも、母さんは完璧に準備しているから、僕の助けなんて必要ないかもね!
若手選手にとって家族からのサポートは本当に大事なんだ。勉強とサッカーの両立は難しくて、どんなサポートでもありがたい。実は先週母さんとヘイルエンドに行ってきたんだけど、母さんの仕事がいかに若い選手たちや両親を助けられているのかを見られてよかった。少しは僕も選手たちの役に立とうと、僕の経験についても話したよ。
ペア(・メルテザッカー)から『若手模範選手賞』のメダルももらえたしね。ユース選手たちと話して、彼らを手助けしたことに対しての賞だと、といっていたよ。」
ユース選手たちに与えた良い影響を称え、『模範若手選手賞』をメルテザッカーから授与されるルイス=スケリー https://t.co/ucyGfCvW0v
— 山中拓磨(Takuma Yamanaka) (@gern3137) February 7, 2025
サッカー選手としてのキャリアと将来のポジション
とはいってもやはり、何より他の選手たちの目標となっているのは、8歳でアーセナルに加入したルイス=スケリのそのピッチ上でのパフォーマンスだろう。
既にアカデミー時代から落ち着きがあり、試合を支配できるMFとして注目を集めていたが、現在は左サイドバックとしてプレーしている。そのユーティリティ性も彼の強みの一つだ。
「子供の頃は、アーセナルと学校のチームの両方でプレーしていて、学校のチームでのポジションは良く変わったけど、CBをやることが多かったかな。鉄壁だったよ!
ボールを深い位置で受けて、上がって行ってFWまで届けるのも得意だった。学校にはもう一人アーセナルユースの選手がいて、彼がストライカーだったから、いつもロングボールを彼に届けていたよ。良い連携だったと思う。」
ルイス=スケリー自身は、彼のベストポジションをどこだと考えているのだろうか?
「将来的にどこでプレーしたいかは、自分の中ではもう決まっている。でも今は、チームのために自分がどこで貢献できるかを考えているよ。もちろんまだまだしっかりポジションを掴まないといけないけど、左サイドバックでプレーするのも楽しいよ。分析も好きで、向かい合うウイングとのバトル、様々なアプローチや何をすべきかを考えるのは楽しいよ。それに、今のチームや現代サッカーでは左サイドバックとMFの役割はかなり似ているしね。ユース時代の中盤の経験が今に生きていると思う。」
デビュー戦とイーサン・ヌワネリとの絆
マンチェスター・シティ戦の最終盤にルイス=スケリーがトップチームデビューを果たした時にはまだ彼は17歳で、しかもチームは数的不利という状況だった。
ユース選手のデビューには最高の状況とは言えないが、ルイス=スケリーは特に慌てたりはしなかったようだ。
「準備はできていたよ。ずっとこの瞬間を待っていたから、驚きはなかった。でも、交代でピッチに入る前にすでにイエローカードをもらっていたから気をつける必要はあったね!
アーセナルのトップチームの一員としてプレーすることをずっと夢見ていたし、今は継続してチャンスを得て、更なる高みにたどり着くことに挑戦したいと思っている。」
そして、ルイス=スケリーはこの夢を親友のイーサン・ヌワネリと、共有してきた。
「この瞬間をイーサンと分かち合えたのは本当に特別だね。僕たちはもう何年も前からずっとこの話をしていたけど、ついに実現したね。子供のころからお互いに、僕らにはその素質があると知っていたし、だからこそずっとお互いを高め合ってきた。もちろんまだまだ先は長いけどね。」
The kids are alright. pic.twitter.com/WC0K8rtkev
— Arsenal (@Arsenal) February 2, 2025
サッカーキャリアをずっとともに過ごしてきたマイルズとイーサンの二人だが、学年が一緒ということもあり、この二人は2023年のGCSE(高校受験相当)も一緒に受けたのだそうだ。
「実はGCSEがちょうどU-17の世界選手権と被っていて、イングランド代表としてハンガリーに居たんだ。だから、チームのホテルで毎晩復習して、早朝にも起きて勉強していた。クレイジーだったよ。
試合の合間に試験を受けるから、そのたびに携帯とかを預けなくてはいけなかったし、両立するのは大変だったよ。 でも、何年もこのために勉強してきたんだ、絶対に良い成績を収めてやると思っていたよ。最後に台無しにするわけにはいかないからね。
イーサンも一緒にいたし、一緒に復習するのはまあまあ楽しかったよ。今となっては良い思い出だね。」
ルイス=スケリーは現在も勉強を続け、スペイン語とビジネス学のASレベル(大学入試相当)を学んでいるが、なぜこの2つの科目を選んだのだろうか?
「違う言葉をしゃべれるようになりたいんだ。これは大事だと思うし、例えばスペイン語が話せれば、次の言語習得もより楽になると思う。チームのスペイン語が話せる選手たちとも話して練習しているよ。結構訂正されるね!
スペイン語の先生のマルタは今も練習場まで来て、練習の合間に教えてくれている。去年は週4で授業があったんだけど、今年はサッカーの都合で2-3に少し減ってしまったけどね。でも代わりに沢山宿題をして埋め合わせているよ。
ビジネスに関しては、この知識は大人になるためには絶対に必要だと思うよ。ビジネスの仕組みや世界がどのように動いているかを知っておくのは大切だ。」
そんな学習意欲豊富な18歳のルイス=スケリーだが、既にサッカー選手の後のキャリアのことなども考えているのだろうか?
「いや、将来についてはまだ考えていないよ。いろいろなことに興味はあるけどね。ゆっくり旅行をしたり、家族と過ごしたりはしたいと考えているけど、それ以上のことは、まだわからない。また何か思いついたら教えるよ!」
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