アーセナルはストライカーではなくウイングを獲得すべきだ
マンチェスター・シティ対チェルシーの試合結果はアーセナルファンにとって好ましいというわけではないが、特にサプライズでもないものだった。
アーリン・ハーランドはいつもと同じことをした(得点)が、彼のスタッツは驚異的だ。
100試合91得点、15アシスト、9度のハットトリック。非の打ち所がない数字。にもかかわらず、後半の序盤時点で何とハーランドは5回しかボールタッチを記録していなかった。
後半が進むにつれて、ハーランドはもう少し試合に入っていったが、それでも合計17タッチ、これはハーフタイムで交代となったサビーニョよりも6少ない数字で、パス成功率はなんと37.5%だった。
これは現代のプロサッカー選手としては信じられないくらい低い、ほとんど見たことのないような数字だ。ポゼッション率が非常に高いグアルディオラのチームでプレイする選手としてはなおさらだ。
だがこれは、アーセナルには新たなストライカーが必要なのか、という問いを考える上では興味深い材料だ。ハーランドとハヴァーツを比較すると、ウルブズ戦で彼はボールタッチ44、パス成功率78%を記録(試合終盤彼はMFとしてプレイしたことを考慮する必要があるが)し、そしてゴールとアシストを挙げた。
果たしてアーセナルは新たなストライカーをチームに加える必要があるのだろうか?
『ハーランド型』のストライカー(そのような選手が見つかるのであれば、という話だが)は今のアルテタのスタイルには合わないのではないか、と考えるファンもいるだろう。そして、それは理解できることだ。
もちろん、ハーランドのように得点を量産できる選手がいるのであれば、その選手を活かせる形でチームを組むべきだ、というのも一理ある。まさにグアルディオラが実践して見せたように。
ハーランドはペップらしいプレイヤーでは全くないが、その才能とクオリティは凄まじく、他の誰よりもサッカーのプレイ原則を重要視する世界トップの監督ですらも、チームの勝率を高めるために妥協することになった。
ただ、現代においてハーランドは非常にユニークな存在であり、シティがそれを行っているからといって同じことをすればいい、というわけではないだろう。
アーセナルは夏の早い段階でベンジャミン・シェシュコ獲得に動いており、フィジカル面の素質という意味では、確かに彼はハーランドにより近いタイプのFWだった。
だが実際にはこの移籍は実現せず、また、アーセナルにはすでに開幕戦で得点とアシストを記録した193cmの長身FWがいる。
昨季ストライカーとして起用され始めてからハヴァーツが残した数字は素晴らしいものだったし、今季もそれを継続できているように見える。
また、報じられている通り、アーセナルがミケル・メリーノ獲得に成功するのであれば、ハヴァーツが中盤でプレイする機会は減り、FWとしてファーストチョイスになるだろう。
試合の振り返りでも触れたが、サカが得点する直前、彼はまだコンディションが整い切っておらず、交代させた方が良いようにも見えた。
アーセナルに必要なのは適度にサカを休ませることができ、かつ違いを生み出せるようなウイングに思える。
結果的には得点後に交代が行われ、サカに代わってトロサールが入り、ライスも足をつってしまったため(彼もサカと同じく今季序盤は少々苦戦するかもしれない)、代わりにハヴァーツが中盤に下がり、ジェズスが登場した。
ジェズスは素晴らしい選手だと思うし、前線のどのポジションでも高いクオリティでもプレイできる。だが、彼のフィットネス面の不安はいまだ付きまとい、彼が毎週安定してプレイ出来ているところを見るまではそれは払しょくされないだろう。
仮にジェズスが怪我無く何週間か継続してプレイ出来たとしても、過去の怪我歴を考えると、シーズンを通して常にフィットしているだろうという前提でチームを組むのは少々リスキーにも思われる。
したがって、夏の移籍市場も残り11日となったが、アーセナルがもし攻撃陣の補強を行うのであれば、ストライカーよりもサイドの選手を獲得すべきではないだろうが。
その選手がユーティリティ性を備え、9番としてもプレイできるようなタイプになるかはまだわからないが、既にアルテタはストライカーとしてハヴァーツ、ジェズス、トロサールを起用することができる。
彼らはそれぞれ異なるタイプで、アルテタにオプションをもたらすが、長いシーズンを戦っていくことを考えると、サイドで違いを生み出し、アルテタに選択肢を与える選手がもう一人いれば、非常にチームにとって有用なはずだ。
例えば、アーセナルが100m£以上の移籍金を支払ってオシムヘン獲得に動くとも思えないし、その他のオプションがほとんど存在していないストライカー市場で動くよりも、ウイングの獲得に動く方が理に適っているように見える。
エンケティアとネルソンの去就がどうなるのかもアーセナルの選手獲得に向けた動きに影響を与えるに違いなく、もしこちらに動きがあれば、アーセナルの移籍市場最終盤はかなりアクティブなものになるだろう。今後どのような動きがあるか、見守っていこう。
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