アーセナルを強化する3つの内部的な解決策

分析Tim Stillman,海外記事

当然ながら夏の移籍市場期間というのはクラブの選手補強に注目が集まるものだ。もちろんそれがメインとなるクラブの力を高める方法であり、この機会を逃してしまうと次は1月まで待たなければならないということもあり、夏には何千万ポンドという金額も動く。

だが、夏のシーズンオフ期間というのはクラブにとって、前のシーズンを振り返り、既存のメンバーをより活かせるかを考え、チームを強化する機会でもある。

もちろんコーチングスタッフはそのような会話を既に始めているだろう。

今回は24-25シーズンに向けて、新たに選手を獲得せずにアーセナルを強化する方法としてどのような方法が考えられるかを考察していく。

アーセナルの攻撃に再びブラジルの風は吹くか

2022-23シーズンのアーセナルは絶対的な得点力を持つストライカーが不在だった影響もあり、非常にバランスよくアタッカーたちが得点を量産していた。マルティネッリ、ウーデゴール、サカ、ジェズス4人ともがプレミアリーグで2桁得点を記録し、そこからさらにトロサールとハヴァーツもチームに加わっている。

昨季はトロサールとハヴァーツの二人は二けた得点を挙げ、サカも前シーズンに続いて二けた得点をキープした。ウーデゴールの得点は8と少し減少したものの、一方で10アシストを挙げており、これはアウトプットとしては十分だろう。

アーセナルにとっての問題は、ハヴァーツとトロサールがアーセナルに更なる得点力をもたらした、というよりも、どちらかというとジェズスとマルティネッリの得点が減ったのと引き換えに彼らの得点が増える形となってしまったことだ。

特にジェズスは怪我に苦しみ、結果的にシーズン終盤にかけてトロサールとハヴァーツがマルティネッリとジェズスのポジションを奪う形となった。

彼ら二人はそこまで大きなインパクトを残せなかった。そもそもコンディション面に不安を抱えるジェズスに買い手がつくかどうか不透明である、という点も含め、ジェズスの調子を戻しより攻撃に貢献してもらうことは来季のアーセナルにとって大きな助けとなるだろう。

アーセナルにはハーランドもソンフンミンもオリー・ワトキンスもいないが、復調したジェズスとハヴァーツが居れば(もちろんジェズスはサイドでもプレイできるというメリットもある)、アーセナルの攻撃は昨季より力強いものとなるはずだ。

また、昨季マルティネッリは3月以降372分で一得点も記録できなかった。もちろんこれらが交代出場からの散発的な機会だったこと、そしてシーズンの状況的に交代選手を調子に乗せるような起用を行えるような状態ではなかったことは考慮されるべきだが、仮にジェズスやマルティネッリが来季ハヴァーツとトロサールからスタメンの座を奪えなかったとしても、もう少しだけでも彼らの得点が増えればアーセナルにとっては大きな違いとなるだろう。

左サイドを安定させる

グラニト・ジャカの退団とジンチェンコの出場機会減少により、アーセナルの左サイドバックのポジションはキヴィオルと冨安が分担して担当することが増えた。

これは、ホワイト、サカ、ウーデゴールの3人がほぼ常に先発していた逆側の右サイドとは非常に対照的だった。アーセナルはもう少し左サイドの人員を確立させる必要があるように見える。

冨安でも良いし、それともティンバーになるのか、あるいは誰か新たな選手を獲得するのかはまだわからないが、ある程度のローテーションは必要ではあるものの、いずれにせよ、誰かこのポジションが自分の居場所だと感じているような選手を見つける必要があるだろう。

デクラン・ライスはジョルジーニョやパーティのような選手を右側のパートナーにおいて、中盤の左側を担当するのに向いているように見えるし、左サイドバックのポジションをより安定させることができれば、昨秋にアーセナルが経験したような、成長途上の痛みは避けられるのではないだろうか。

『まるで新加入選手のような』ユリアン・ティンバー

ジンチェンコがローテーション要員に降格してしまい、冨安は常に怪我の不安を抱えていることもあり、24-25シーズンの正左サイドバックになるのはティンバーなのではないか、という見方もある。

だが恐らく、アーセナルが彼を獲得した時のプランは彼の右サイドバック起用だったはずだ。ベン・ホワイトは直近のアーセナルでの76試合のうち75試合に出場しており、71試合は先発で、彼の体は限界に近付いているように見える。

ティンバーはホワイトの負担を和らげられるはずだし、もしサリバが欠場する必要がある場合の右CBのオプションにもなりうる。

彼は最終ラインの全ポジションでの2番手として、シーズンを始め、そのどこかでファーストチョイスの座を奪おうと戦うことになるのではないだろうか。

彼の存在はアーセナルに柔軟性と、選手の離脱にも対応する力、そして高いクオリティを提供してくれるに違いない。昨季ガブリエルとサリバ、ホワイトの3人にほぼ離脱がなかったため、『ティンバーがいてくれれば』地というような場面がほとんどなかったのはアーセナルにとって少々幸運だったと言って良い。だが、来季は彼の復帰に伴いアーセナルの守備陣はよりバラエティに富み、粘り強いものになるだろう。

アーセン・ベンゲルの口癖でもあった『まるで新加入選手のようなもの』はときどきジョークとして使われるが、これほどティンバーに相応しい言葉もないだろう。

source(当該サイトの許可を得て翻訳しています):

関連記事(広告含む)

Posted by gern3137