アーセナルが見つけ出し始めたサカとマルティネッリへの1対2対策
多くの試合で僕は2人の選手に対応されているように感じるし、それはガビも同じだ。ほとんど毎試合だね。試合を分析して、これをどう解決したらいいか、よりどうすればいいかを考えているよ。結局これは受け入れて、今日(ブレントフォード戦)みたいになんとか方法を見つけ出すしかないとは思う。これを続けないとね。
とブレントフォード戦後にサカは語った。
アーセナルの攻撃は大きくサカとマルティネッリの二人に依存している。もちろんこれは彼らがワールドクラスの素晴らしい選手だからでもある。
ガブリエル・ジェズスはゴール前で得点を量産するようなタイプではないし、アーセナルは今サカとマルティネッリと遜色ない控えのような選手もいない。
トロサールは確かに良い選手だが、選手としてのタイプがサカとマルティネッリとは大きく異なるし、今の所リース・ネルソンは試合最終盤にしか起用される様子がない。
得点が必要な場面ではほぼ常にアーセナルはマルティネッリとサカにピッチに立っていてもらう必要がある。
当然ながら、対戦相手のチームが危険な選手相手に2対1を作ってくる場合、論理的に考えてピッチのどこかでチームメイトがフリーになっているはずだ。今季のアーセナルの課題はその選手にボールを届けることで、部分的にはカイ・ハヴァーツがそのような相手に気付かれない脅威を供給するために獲得されてきたといっていいだろう。
ブレントフォード戦後にハヴァーツは『今日みたいな形はたくさん練習しているよ。ブカヨやマルティンはこういったボールを良く送ってくれることはわかっていた』と、ファーポスト側の彼にボールを送る戦術はチームとして多く練習している形だと語った。
実際にアーセナルにとってファーポスト側を狙う形は実りの多いものとなりつつある。サカがペナルティエリアの斜め前あたりでボールを持った際に2人のDFが彼に寄せに行くので、ペナルティエリア内で誰かがフリーになることも多い。
以下のチェルシー戦のトロサールの同点弾の場面のように、このような形は今季何度か訪れている。
サカにチェルシーの2人のDFが対応しており、これによりチェルシーの中の守備がアンバランスになっている。アーセナルの全ゴールをサカのアシストから記録しており、サカと素晴らしい連携を築いているトロサールはこれを見逃さなかった。
このような形をここにマルティネッリやハヴァーツも加わって生み出せればより攻撃の威力は上がるはずだ。
ハヴァーツにはこの形への適応の兆しが既に見えている一方で、今季17試合で7ゴール9アシストと圧倒的な数字を挙げているサカと比べると、その逆サイドのマルティネッリは相手チームによる1対2の対応に少々苦戦している。
プレミアリーグほど警戒されていないCLの試合では今季マルティネッリは3試合で2ゴール1アシストを挙げているが、プレミアリーグでは11試合で1ゴール2アシストとあまり数字が伸ばせていない。
昨季と比べるとxGは90分当たり0.3から013へ、xAは0.29から0.18へと減少しており得点とアシスト期待値の合計は0.59から0.31とほぼ半減している。
もちろんこれはマルティネッリだけの問題ではなく、右サイドにはウーデゴールとホワイトがいる一方で、アーセナルの左サイドバックはあまりオーバーラップをせず、中に入ることが多いのに加え、左の8番としてハヴァーツが適応に苦しんでいたというのも要因だろう。
相手を孤立させマルティネッリの相手をさせるというのがアーセナルのプランだったが、今季はそのような場面がかなりレアになっている。
クロスの正確性という意味ではサカの方が上手く、ブレントフォード戦でマルティネッリがトロサールと交代となったのは、サカが右サイドから見せるようなペナルティエリアの角付近からのクロスをトロサールの方が得意としているからではないかと感じられた。
連携から相手を崩したり、クロスを上げたり、というのはアーセナルがマルティネッリに課しているタスクではないのだ。
だが一方で、今季はジンチェンコのクロス数も昨季の90分当たり1.57から今季は2.67本へと増加しており、ジンチェンコのクロスからチャンスが生まれる回数が増えてくれば、対戦相手もそれへの対応を強いられ、その分そちらに人数を割くことを強いられるだろう。また、ハヴァーツがチームに溶け込むにつれて、今季序盤のように、孤軍奮闘するマルティネッリではなく、よりチーム全体での左サイドの攻撃も増えてくるはずだ。
加えて、マルティネッリとジェズスは非常に相性が良く、エンケティアがプレイするときと比べて、ジェズスは遥かに頻繁にマルティネッリからマーカーを引きはがしてくれる。
プレミアリーグに関してはこの組み合わせがまだそこまで頻繁にみられていない。
アーセナルの対戦相手はサカとマルティネッリに対して1対2で臨むことを徹底しているが。既にアーセナルはそれを利用し、ペナルティエリア内の空いた選手を活用する術を見つけ出し始めている。
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