アーセナル 23/24 シーズンプレビュー 監督&GK編

分析

プレミアリーグは開幕して3試合が終了、移籍市場は閉幕間近、ということで、アーセナルが今季を戦う陣容もほぼほぼ固まった感がありますので、今季のプレビューです。

監督 ミケル・アルテタ

もちろん短期的に見れば、毎試合の勝利を目指しており、引き分けや敗北でも良いと思って臨む試合というのはないだろうが、シーズン全体を通してみれば、結果的に終盤に失速、マンチェスター・シティとの優勝争いに敗れこそしたものの、昨季のアーセナルの2位という結果はクラブ上層部、そして監督のアルテタの想定を上回る出来だったには違いない。

昨季の主力でクラブを去ったのはグラニト・ジャカのみで、一方夏の補強はデクラン・ライス、ハヴァーツなど大型補強を連発、かつ時期的にも比較的早めに決まるなど順調に進み、スカッドはさらに強化されている。

そして、ティンバーこそいきなりの先発からのいきなりの長期離脱、という非常に残念な結果となってしまったが、ハヴァーツとライスは安定して出場機会を得ており、アルテタが彼らを即戦力として計算していることの表れだろう。

シーズン終盤にかけて試し始めたシステムをプレシーズンを経て翌シーズンで機能させる、というのは一年前から引き続いての流れで、今季はトーマス・パーティの右サイドバック起用を試している。

今季はプレミアリーグ4位に入るのは当然、マンチェスター・シティと優勝争いを繰り広げるだろう、という非常に高いハードルの中戦うアルテタにとっては初めて、アーセナルにとっても非常に久しぶりのシーズンとなることが予測され、かつ過去のアルテタはプレミアリーグとヨーロッパリーグを並行して戦うのが上手い、という印象はあまりなかった。

今季はヨーロッパリーグどころかチャンピオンズリーグへの出場権があるため、グループリーグからある程度ローテーションしながら、厳しい日程を戦う必要があるが、これまでにないプレッシャーと過密日程への対応、という2つの課題にアルテタが今季どのように挑むのかは興味深い。

GK

アーロン・ラムズデール

昨季も好パフォーマンスを見せ、アーセナルの絶対的な守護神として今季も君臨するかに思われた・・・ラムズデールだったが、アーセナルが今夏ダビド・ラヤを獲得したことで一気にその座が危うくなった、とまではいかないものの、将来を見通すことが難しくなった。

昨季に関していえば、多少の不調に陥ったてもマット・ターナーがラムズデールから正GKの座を奪う、という所は想像がつかなかったが、今季獲得されたラヤはアーセナルがラムズデール獲得前から狙っていたGKで、移籍の経緯を考えれば、ラヤが監督との話し合いの場で『君は第二GKの予定だがアーセナルに来ないか』と言われアーセナル移籍を承諾するとも思えないので、GKコーチと旧知の仲であるということもあり、むしろ風向きは少しラムズデールに不利と言ってもいいかもしれない。

ただ、ラムズデールはキャラクター的にもそのようなプレッシャーを苦にするタイプではなさそうだし、また、どちらかというとレノと高い緊張感のポジション争いを演じていた時の方がパフォーマンスが良かったというのも言えるかもしれず、今季はもしかすると、ポジション争いに打ち勝つためにさらなる高みに上ってくれるかもしれない。

ダビド・ラヤ

今季の最大のサプライズ獲得と言ってもいいだろう。ブレントフォードでは圧巻の成績を残したプレミアリーグ経験も豊富なGKで、セービングも飛び出しも一流、ボールを繋ぐことに関してはラムズデールよりもラヤに一日の長があるように思われる。

一応は獲得の形式がローン+買取オプションという形ではあるため、どのような立ち位置なのかは100%はわからないが、買取オプションを行使した場合には移籍金は総額30m€となる見込みで、ラムズデール獲得時もそうだったが、通常であればこれだけの移籍金でプレミアリーグの第一線で活躍を続けてきた選手を獲得したのであれば、いずれは正GKへと昇格させることを考えている、というのを考えているのが自然だ。

もともとブレントフォードが承諾しなかったため実現しなかったものの、かつてのアーセナルの新GKの最優先ターゲットだった節もあり、かつ中長距離のキック能力を重視してアーセナルがレノからラムズデールにスイッチしたのだとすると、そのさらに先を行くのがラヤだということも出来る。

まだアーセナルでは一試合もプレイしていないため、何とも言えないが、一旦はカップ戦やCLのグループステージでの起用からスタート、ということになるのだろうか。今季の終盤戦で誰がナンバーワンGKとしてプレイしているかには注目だ。

カール・ハイン

アーサー・オコンクォには退団の噂もあり、今季もカール・ハインが第三GKを務めるのではないかと思われるが、ファーストチームと帯同できるというメリットはありつつも、ユース選手ながらファーストチームの日程に合わせなくてはならないためU-21等の試合に出場することは出来ず、かつファーストチームでも第3GKに出場の機会は全く訪れない、というかつてのマット・メイシー似た立ち位置となっている。

まだGKとしては若いが21歳とそろそろ定期的な出場機会を得ることを考え始めた年齢でもあり、残り契約も2年となっているため、もしアーセナルで台頭する可能性をつかみ取るためにはそろそろローンなどに出た方が良そうだが、そうするとクラブとしては誰か第3GKを獲得する必要があるので難しい所だ。

ポテンシャルはあるだろうとは言え、このまま出場機会を得ないまま第二GKにいつか抜擢されるとも思えず、かつ、万一ラムズデールとラヤの2人の怪我や出場停止が重なる、などといった事態の場合にトップリーグでのプレイ経験がゼロの若手GKにゴールマウスを託すのもそれはそれで不安があり、彼らの将来/あるいはある程度の移籍金での売却を狙うのであれば、アーセナルはフリーのベテランGKの獲得なども視野に入れても良いのかもしれない。

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Posted by gern3137