【インタビュー】ミケル・アルテタ 後編
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アーセナルがデクラン・ライスに100m€以上の移籍金を支払ってでも獲得しようとしているという話は本当でしょうか?
アーセナルにいない選手の話をすることは出来ない。これについては何も言えないね。
ということは、ハヴァーツについてもどうようということでしょうか?
才能には価格が伴うものだ。我々はずっと、若いながらも既に経験がある選手に興味を持ってきた。さっき言った通り、アーセナルにいない選手のことを話すこと事は出来ないが、カイは既にその実力を証明している。CLのような大舞台でもね。彼は才能あふれるユーティリティ性の高い選手だが、まだ24歳だ。
最近アーセナルはマンチェスターシティの選手に多く興味を示していますが、なぜですか?
理由は簡単、彼らが皆素晴らしい選手だからだ。もちろん、私が指導した経験があり、ジェズスとジンチェンコは才能だけではなく、人間性の部分でも非常に高く評価している。
この夏もアーセナルは大型補強を行う見込みですね?
アーセナルはクラブの若返りを果たした。既にスカッドは非常に若く、パフォーマンスも高いが、価値も高い。長期間にわたって勝ち続けることのできるチームを作るという我々の方針に賛同してくれているオーナーもいる。もちろん投資をすればよいというわけではないが、要求水準は上がっており、将来的にずっと補強を続けなくてもいいように、市場に投資する必要がある。
シティと言えば資金に物を言わせている、というイメージがありますが、この数年に限って言えばアーセナルの方が移籍金を使っています。これに関してはどう思いますか?
それは何年でチーム作りへの投資を判断するか次第ではないかな。1年なのか、3年なのか、それとも10年なのか。そして、選手の給与への投資も忘れてはいけないポイントだ。
アーセナルに関して言えば、一時的に移籍金をいくら払うかよりも、彼らのキャリアの残りの年数で見た時に、それにどれだけの価値があるのかの方が恐らく重要だ。高額の移籍金でも回収できる場合もある。これが我々がサステイナブルなクラブ運営を目指す上での戦略だ。
23-24シーズン、プレミアリーグ優勝は可能ですか?
もし可能だと思っていなければ私は今アーセナルの監督を務めてはいないよ。それが我々の野望だ。
もちろん難しいことは理解している。プレミアリーグは世界最高で、最もタフなリーグだ。私が英国に来てから22年がたつが、この22年でもっとも競争が激しいと言っていいだろう。選手の質、クラブのリソース、ポチェッティーノとイラオラもやってくるようだね。
プレミアリーグを優勝するには世界最高のちーむでなくてはならない。それが補強が必要な理由でもある
スタジアムであなたの名前のチャントが歌われた時にはどう感じましたか?
もちろん私も誰しもがそうであるように、仕事を評価されるのは嬉しいものだよ。だが何よりも、ファンがアーセナルがボールを動かすその一瞬一瞬を一緒に楽しんでくれて、勝利はともに勝ち取るんだと感じてくれていたら嬉しいね。
PSGからの監督就任オファーもありましたね?
私はアーセナルで幸せだ、という以上のことを言うことは出来ないよ。愛されていると感じるし、オーナーのスタンとジョシュからも評価されていると感じている。このクラブでやることは多くあるし、アーセナルに居られて本当に感謝している。
もしいつか、アーセナルを放出になったとしたら、レアル・マドリードやバルセロナで指揮を執る可能性はありますか?
もうずいぶん長く離れているが、スペインは私の母国だからね。いつかはラリーガに戻るのもオプションかもしれない。今は考えていないけどね。
最後の質問です。自分が選手としてよりも、監督としての方が優れていると感じますか?
それは難しい質問だね。まだ監督を初めて4年くらいしか経っていないし、私の目標は世界のトップに辿り着くことだ。単純に個人としてではなく、アーセナルの監督としてね。選手たちとこのクラブを世界最高の座に導きたいんだ。他のどのチームよりも良いプレイを見せ、勝利できるようにね。
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ディスカッション
コメント一覧
おそらくアルテタは世界一の監督など目指していない。それは重要な事であり、全てのサッカー監督が肝に銘じるべきこと。サッカーは選手がするもの。大人のチームなら監督の仕事は最小限の筈。…したがってチャントは的外れなものと言える。
実は此の事はFAが最もご承知で、それ故にライセンスが妙な事になっている。
理念は正しい。しかし、起きている現象(まともな英国人監督はいない。ダイチ氏は尊敬に値するが、同じ精神でもっと戦術的な試みも出来る筈)に対処しなくては。
発明したからと言って他から学ぶことを頑なに拒否するのは、もはや許されない。プレミアは全世界に放映され、その収益で成り立っている。
ペップ、クロップ、テンカテ、ポッチェッティーノとアルテタは競わねばならないし、エディ・ハウ、デ・ゼルビ、エメリ、マルコ・シウバ・・・多士済々である。目下は彼らと選手を取り合い、結果を神に祈るのが監督の現在地だろう。今が最も競争力が高い、とは中位下位クラブの実力と監督力と相対的なのは言うまでもない。アルテタがコンパニに負けても、もはや誰もそれほど驚かない。歓喜と失望があるだけである。
その点で、エドゥの仕事はハバーツ、ライス、ティンバー、若しくはステルスディールを決め、グッド・バイを並べ立てる事だが、アルテタの仕事は選手の成長である。
ジェズス、冨安、ヴィエイラ、スミスロウ、ネルソン、マルキーニョス、キヴィオル、ターナー。彼らの成長がウッドからレンガ、レンガからコンクリへの変貌の鍵であり、アルテタの仕事である。
今季はCLを乗り回し、それはここ6年無かった。CLベスト8以上は更に7年、サカが8歳の頃のことだ。秋になれば、我々はまた違うステージにいる。楽しめないはずがない。