マンチェスター・シティと100を超える違反、処罰の可能性に関して
プレミアリーグが4年の調査を経て、マンチェスター・シティが100を超えるプレミアリーグの規則を違反した可能性があることを公式サイトで発表した。
それらは主に財政面でのもので、俗な言い方をすれば、彼らが帳簿をごまかしていた、という疑惑だ。
11月にマンチェスター・シティは多くの新スポンサー契約により商業収入が309m£まで上昇したと発表しており、これによりデロイト発表による2023年のサッカークラブ長者番付でトップに立った。プレミアリーグ史上最高額の商業収入を記録したのだそうだ。
羅列されている違反とされるものの中で興味深いのが、調査時にプレミアリーグ側が要請した必要書類や情報を出来る限りにおいて提供する、というルールに反したとされている点だろう。
これは2018年から今年に至るまでが該当期間とされているが、この期間中にシティは3度のリーグ優勝を果たしている。
プレミアリーグはこの何年間で最大の成功を収めているクラブを咎めようとしているのだ。その影響は計り知れず、これはマンチェスター・シティのクラブ自体の評判に大きく影響を与えるだけではなく、プレミアリーグ自体への影響も大きい。
もちろん、シティ側はこれらをすべて否定しているが、プレミアリーグ側がこの声明を発表する前にシティ側に連絡していなかったという点からも、以下にプレミアリーグ側が真剣であるか、そしてこの問題にどのようにアプローチするつもりであるかがうかがえる。
今後独立した委員会に諮られ、結果は公式サイトに公表されるとのことだが、これらは軽微ないくつかの違反ではない。100を超える違反なのだ。
もしこれらの違反が事実であると証明された場合にどのような処罰が下されるのかは興味深い。
実質的に世界でも有数な富裕国家に所有されており、金銭面が何も問題とならないシティのようなクラブにとって罰金は何も影響を与えないだろう。億万長者に駐車違反の罰金を支払わせても意味がないのと同じだ。
勝ち点はく奪、移籍禁止、降格処分、期間中のタイトルの剥奪、プレミア・リーグからの追放などの可能性が示唆されているが、違反が認められたのであれば、実際に効力を持つような罰則が与えられなければ筋が通らない。
これらのルールは全てのクラブが従うよう定められたものであり、マンチェスター・シティはこれらの期間中それらのルールを無視しながらタイトルを獲得していた、ということになるのだから。それがまかり通るべきではないだろう。
もちろんだからといって、シティが優れた監督を擁する優れたチームではなかったというわけではないが、規則に反したやり方で集められたチームだったということになる。
正直な所、もちろん違反の数自体は少々驚きではあるものの、近年のマンチェスター・シティを見守ってきたファンからすれば今回のニュースはそこまでのサプライズだったというわけではないはずだ。
財政面での疑惑は以前もUEFAから指摘され、2年のCL出場権はく奪処分が科されたが、これはCAS(スポーツ仲介裁判所)への申し立てによって覆された。
今回もマンチェスター・シティ側は否定をしており、彼らの主張が正しいという明白な証拠がある、と主張している。
恐らくだが、これらの綿密に集められた証拠と、マンチェスター・シティの敏腕弁護陣の争いはかなり長期的に裏で進行する形となるのではないだろうか。
これが直近でのシティのピッチ上のパフォーマンスに影響が与えるかは不透明だ。
上でも触れたとおり、シティに処分を科す、というのはプレミアリーグ側が騙されていた、ということを認めるのと同じことであり、近年最も好成績を収めたクラブが不正を働いてリーグを優勝していた、ということになれば、シティにとってだけではなく、プレミアリーグのブランドにとっての大打撃だ。
何年間にもわたって、大会の公正さが損なわれていたということになるのだから。修復不可能というほどではないだろうが、プレミアリーグの歴史上の汚点となるだろう。
にもかかわらず、プレミアリーグが今回このような動きに出たということは、相当の理由があるとみるべきだろう。
プレミアリーグというのは自身のブランディングに非常に敏感な組織で、違法ストリームを配信していた個人を投獄することすらしようとしているのだ。
もしこれで、マンチェスター・シティの無罪、ということになれば、プレミアリーグは非常に愚かに見えるに違いない。だからこそ、今回の件に関してはプレミアリーグはある程度の証拠を集めているのではないかと思える。
これがどのような結果に終わるか、そしていつ頃に結論が出るのかはわからないが、近づいているアーセナルとマンチェスター・シティの試合と合わせ、既に目を離せない今季のタイトルレースに、さらに新たな一面が加わることとなった。
source(当該サイトの許可を得て翻訳しています):
ディスカッション
コメント一覧
以下に→誤字。
今回はなんとなく本気なんですかね
でもちょうど5年前までのタイミングが時効という逃げ道作ってる気もするし、情報提供ルール違反で決着みたいな
これまで事実上黙認してプレミアは発展してきた
投資した分は買収時に回収できることをアブラモビッチが実証した
これからも投資は増えてくる、ここらで厳しい前例を作っておく
ということはシティがどれだけ罰を受け入れて軟着陸できるかになる(罰金、ポイント剥奪)
お互い強硬であるならいくところまでいきますよってことでしょうか(降格、タイトル剥奪)